backendlessで始めるノーコードバックエンド入門
データベースやバックエンドをノーコードで構築できるbackendlessというサービスをご存知でしょうか?
ノーコードツールでのアプリ開発に慣れてきた人の中には、一歩進んで、独自のバックエンドを構築したい人もいるでしょう。
backendlessを利用すると、難しいバックエンドの知識がなくても、データベースの基本的な操作(データの保存・読み込み・更新・削除)のほか、
ユーザー登録・ログインなどアプリに不可欠な操作を全てノーコードで行うことができます。
今回は、backendlessのユーザーである私が、このbackedlessでできることと、料金体系などについてご紹介します。
独自のバックエンドを導入するメリット
そもそも、独自のバックエンドを導入したいと思う動機は何でしょうか。
例えば、AdaloやBubbleなど多くのノーコードツールには、内部にデータベースが組み込まれているものが多いです。
しかし、そうしたツールに組み込まれたデータベースは、
データベースとしての機能不足
外部のCRMやデータとの連携がしにくい
アプリやWEB、複数のサービスでデータ共有しにくい
などのデメリットがあります。
今回紹介するbackendlessを導入すると、画面上でデータベースを自由に操作でき、さらには複数のデータソースを一本化し、WEB、アプリ等でもデータベースを共有することが可能です。
backendlessの立ち位置
backendlessは、比較的新しいテクノロジーである、
BaaS(Backend As A Service)
の一種です。
アプリの開発には、ざっくりと、
フロントエンド:ユーザーの目に見えるデザインや動きを担う
バックエンド:目に見えない裏側の様々なデータ処理を担う
という役割分担があります。
BaaSは、主にはデータベース周りの複雑な処理を自動化し、簡単な操作で必要なデータをフロント側に返してくれるサービスです。
とはいえ、従来のBaaSは、結局はコードを書く必要があるサービスが多く、非エンジニアが手を出すことができない領域でした。
しかし、昨今、ノーコードに対応している最新のBaaSが登場し、素人であっても、バックエンドの構築を簡単に行うことができるようになりました。
2023年現在では、以下のようなノーコードのBaaSが有名です。
backendless
Xano
Firebase
Supabase
Airtable
このうち、Firebase、Supabaseは、高機能ですが、実質「ローコードツール」であり、ロジックを作るのにコードの記述が必要です。
Airtableは、本来はデータコラボレーションツールであり、データベースとして基本的な操作はできますが、重要な機能であるユーザー認証(登録・ログイン)などは備えていません。
そのため、ノーコードでのアプリ開発に総合的に適したサービスは、backendlessかXanoになります。
backendlessとXanoの比較
ノーコードバックエンドのうち、Xanoの方が後進のサービスのため、使いやすさ・画面の見やすさの上では軍配が上がります。
しかし、Xanoは月額料金がやや高価(月額$59〜)であるのと、応答速度が他のサービスよりやや遅い点がネックです。
その点、backendlessは、11年の長い歴史があるツールのため、機能が充実しており、応答速度が速く、月額料金もかなり安い(月額$15〜)です。
デメリットとしては、その裏返しで、機能が多く歴史が長いゆえに、UIがやや古めかしく複雑に見える点でしょうか。
また、Xanoとbackendlessでは、ロジックの構築の仕方に違いがあります。
Xanoは以下のように、フローチャート形式の操作画面でロジックを構築します。
一方のbackendlessは、ブロックを組み合わせててロジックを構築する、Scratch(スクラッチ)のようなビジュアルプログラミング形式をとっています。
実際のところ、シンプルなアプリであれば、このブロックを使ったロジック機能を使う必要はなく、直接APIでデータベースにアクセスできます。
使用する場合にも、YouTubeにチュートリアルが充実しているため、日本語に翻訳をしながら手を動かせば習得できるでしょう。
Backendlessのノーコード機能
Backendlessのノーコードの機能には、以下のようなものがあります。
データベース:書き込み・読み込み・更新・削除・リレーション付与
ユーザー管理:ユーザー登録・ログイン・ログアウト
クラウドコード:バックエンド処理をブロック形式で設定
これらをbackendlessの画面上で簡単に設定できます。
実際にアプリと連携する際には、backendlessのAPIを使い、HTTPリクエストで、ログインを行ったり、データを読み書きする使い方が主になります。
その他にも、backendless上で、ノーコードでレスポンシブWEBアプリも作成可能なほか、CSVによるデータインポート(リレーションも可)・エクスポートもサポートしており、機能的に充実しています。
注意点としては、アプリのプッシュ通知など、一部の機能はノーコードには対応していない(SDKの導入が必要)なものがあります。
ただし、プッシュ通知はアプリのノーコードツール側で提供されている場合が多いので、実際は問題はないでしょう。
その他にも、多彩な機能がありますが、シンプルなアプリであれば、利用頻度は多くなさそうです。
機能一覧
https://backendless.com/features/#backendless-core
backendlessの料金体系
気になる料金体系について触れておきたいと思います。
学習・開発の段階では、有料プランのほとんどの機能を無料で利用可能です。
※2023年5月22日より以前は、無料プランの開放に条件がありましたが、現在は撤廃されました。
ただし、あくまで無料プランは開発用であり、APIの同時リクエスト数に制限があるため、アプリを実際に公開する場合には、有料版にアップグレードする必要があります。
有料版は、2023年6月からScale Planという月額$15〜からの従量課金制となりました。
小規模のサービスであれば、最低限の月額$15で利用が可能であり、かなり良心的であると言えます。
backendlessの始め方
backendlessは一通りの機能や操作方法を知るのに、充実したチュートリアルが用意されています。
「MISSIONS(ミッションズ)」と呼ばれる、backendlessのチュートリアルをゲーム感覚で順番にクリアすることで、大体の使用感が分かる構成になっています。
初心者の人は、いきなり画面を操作せずに、まずはこのミッションを順当にこなし、全体を知ることから始めましょう。
英語ですが、YouTubeの翻訳字幕をつければ、同じ操作をすれば誰でもクリアできる難易度になっています。
backendlessを開始する方法
backendlessに登録し、ミッションを始める方法をご紹介します。
1.サインアップする
右上の「Sign Up」をクリック
2.情報を入力する
3.ダッシュボード画面上部の「MISSONS」をクリック
4.「Starter Pack with Codeless」を選択
5.順番にミッションをこなしていきましょう!
操作に慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、ミッションをこなしていけば、一通りの機能について知ることができます。
バックエンドの処理が、ここまで低価格、かつノーコードで実現できるのは大変ありがたい時代になったものです。
一通りミッションをこなした後、アプリからAPIでBackendlessを操作する方法については、また改めて記事にしたいと思います。
よろしければ、以下の招待リンクからBackendlessの使用を開始すると、有料プランが6ヶ月間、25%割引になるそうです。
ぜひご利用ください✨
↓↓↓