浦和ハナコはなぜ脱ぐのか【ブルーアーカイブ】
はじめに
この記事は浦和ハナコの体系的な解釈を試みたものである。根拠となるシーンをできるだけ集め、それなりに分かりやすくまとめたつもりなので、少しでも多くの人に読んでもらえると嬉しい。
早速だが、浦和ハナコという人物像について私が出した結論は以下。
浦和ハナコの本質は『ありのままの自分』を見て/知ってほしいという願望(本心)である。
そしてそう願ってしまうほどに彼女を苦しめている元凶は『非常に優れた頭脳』と『ごく普通の少女らしい繊細な心』のミスマッチにある。
さて、どうやってこの結論に辿り着いたのか解説したいのは山々なのだが、正直に言うと結果論なのである😭
以下その理由説明だが、本筋とは関係ない話なので飛ばして良い
まぁ要するに「片っ端から試してみたらこれが一番ピースのハマりが良かった」ということなのだ。ここは一旦了承してほしい。
以降の章では浦和ハナコという人物像に対して想定される疑問をいくつか取り上げ、具体的なシーンを交えつつ片っ端から上記の仮定を当てはめていく作業となる。
退屈に聞こえるかもしれないが、裏を返せば”『ありのままの自分』を見て/知ってほしいという願望が彼女の本質“ということさえ理解していれば彼女の言動を一通り説明できるということだ。
ではいざ本題へ。
追記:ホントに一通り説明したら5000字超えた。かなり長いので注意されたし。
「長くて読む気になんねぇよ」という方は“なぜ脱ぐのか”だけでも読んでって😭
なぜ退学しようとしたのか
この辺りはチュートリアルのようなものだ。サクッと説明する。
まずはエデン条約編2章、ハナコが自分の過去を告白するシーンから。
ハナコが退学を試みた理由、それは
周りが自分の『非常に優れた頭脳』しか興味がなく、誰も『ありのままの自分』を見てくれなかったから。
他に理由としては政治的な抗争が嫌だったということも考えられるが、根本的な理由ではないと思われる。
以下続き
直後のシーンにて「嘘と偽りで溢れたトリニティでは本当の自分を見せることができない」と語っており、『ありのままの自分』を見てほしいという自身の本質に触れている。
学内政治が嫌いだから退学しようとしたのではなく、『ありのままの自分』を見てもらえないから学内政治が嫌いだった、と考えるのが妥当だろう。
なぜ補習授業部は居心地が良いのか
ここは退学を試みた理由と逆のことを説明するだけだ。まとめると、
自分の『非常に優れた頭脳』とは関係なしに付き合ってくれる、『ありのままの自分』を見てくれる友人がいるから。
特に説明するシーンもないため割愛。
なぜ先生に心を開いているのか
ハナコが先生に心を開いている理由は
彼女にとって本当の意味で『ありのままの自分』を見てくれる存在だから。
きっかけとなったのは絆ストーリー4話から、ハナコが心中を吐露する回である。
いつもと違う様子のハナコを心配する先生だが、彼女はなんでもないように振る舞う。自分の『非常に優れた頭脳』とは関係なしに接してくれる、『ありのままの自分』を見てくれる存在として先生を歓迎していたものの、それ以上の存在ではなかった。
しかしここで先生がハナコの心に踏み込む。
ハナコは一瞬迷い、そして先生を受け入れた。2人の関係が特別なものになったのはこの瞬間である。先生は彼女にとって本当の意味で『ありのままの自分』を見てくれる存在へと進化したのだ。
ここで「ん?“本当の意味で”って何?補習授業部の皆とは何が違うの?」と思われた方勘のいいガキもいらっしゃるだろう。ただ別にそんな複雑な話ではなく、単純に自分の弱い部分も見せられるようなより深い仲になったというだけだ。
友人や知り合いには話せないことでも家族や恋人、親友には話せるというようなものである。ただハナコには『優れた頭脳』を目当てに近づいてくる人間がいるため、普通の人にとっての友人や知り合いレベルになるハードルが高いのだ。
なぜ脱ぐのか
記事のタイトルにしたように、私が一番話しておきたかった内容はここだ。
ハナコの露出癖の理由に関しては「自分の評価を下げるため」や「道化師を演じるため」など様々な意見があるのを見かけた。これらに共通しているのは“他人に自分を偽るための行為”であるという認識だ。
しかし私はむしろその逆を主張したい。つまりはこうだ。
ハナコの露出癖は『ありのままの自分』を見てほしいという彼女の本心の表れである。
具体的に見ていこう。
絆ストーリー1話、メモロビ回から。噴水に足を入れて涼んでいるシーン。
見ての通り、そもそもハナコは”脱ぐ“という行為に対してポジティブに捉えている。そして脱ぎたいという気持ちが自分の欲望(本心)から生まれていることも話している。
このことから露出癖を他人に自分を偽るための行為と考えるよりも、『ありのままの自分』を見てほしいという彼女の本心の表れだと推測する方が妥当だと考える。
仮に他人に自分を偽るための行為なのであれば深夜徘徊をする理由がない、見せる相手がいないのだから。
彼女にとってトリニティが息苦しいのは前の章で説明した通り、周りが自分の『優れた頭脳』しか興味がなく『ありのままの自分』を見てくれる人がいなかったからだ。文字通り“自分を曝け出す”行為はトリニティに嫌気が差した彼女の歪な心の叫びであり、同時に彼女の本質の象徴なのだ。
ここで浦和ハナコがファッション変態なのかどうなのかについて私の見解を述べておこう。結論から言うとハナコはファッション変態ではない。『ありのままの自分』を見てほしいという願望が露出癖として表出している時点で正真正銘の変態である。
ただ上記説明した通り、彼女の露出癖は誰も『ありのままの自分』を見てくれなかったという環境に起因するものであり、果たしてそれを素直に喜んで良いものなのかどうか……
それにしても意外とこの子、自分の気持ちを素直に話しているのである。
武器の名前
ハナコの武器の名前はオネストウィッシュ(honest wish)。
直訳は“素直な願い”だが、ここでは“本心”と意訳したいところ。
彼女が本当に隠しているのは名前の由来ではなく本心だ。
もちろん本心というのは『ありのままの自分』を知ってほしいという願望を指している。
続いて水着ハナコの武器についてだが……
説明や解説は不要ですね😭
愛用品
絆ストーリー5話、偶然出会った先生をバス停まで見送るシーン。
ハナコは先生とまだ一緒にいたいから何とか気を引こうとしているのだが可愛いかよ注目すべきはその内容。「プライベートな内容が載ってるかもよ?」と先生を釣ろうとしているわけだが、他でもないその話題を選んだ理由はもっと先生に『ありのままの自分』を知ってほしいと無意識に思ってしまっているからだ。
以下続き
先生に断られ、そこでようやく『ありのままの自分』を知ってほしいという気持ちが先行してしまっていたことに気づく。
このようにハナコが先生に誘いを断られるシーンは何度も出てくるが、それは彼女に対してありのままの一人の生徒として向き合ってくれていることの裏返しでもある。ハナコ自身もそれを理解しているため、複雑な心境ではありながらもそれはそれで嬉しいのかあまり不満そうな表情は見受けられない。
なぜ”『ありのままの自分』でいたい“ではないのか
ここまで“『ありのままの自分』を見て/知ってほしい”というのをキーワードの1つに掲げてきたが、それは”『ありのままの自分』でいたい“とは似て異なる。一体何が違うのか。それは他人の目の有無なのである。そして他人の目が気になってしまうのはただただ『ごく普通の少女らしい繊細な心』の持ち主であるからだ。
言ってみれば当たり前である。もし彼女がアズサのようなメンタル強者なのであれば、ティーパーティーやシスターフッドの勧誘にもNOで突き返せば良い。深夜徘徊でストレス発散する必要もない。先生に頼る必要もない。しかし彼女にはそれはできない。
ハナコはありのままの自分でいるだけではダメなのだ。他人にありのままの自分を受け入れてもらうことで初めて満たされる、ごく普通の思春期の少女なのだから。
少し話は逸れるが、彼女の『非常に優れた頭脳』と『ごく普通の少女らしい繊細な心』のミスマッチがよく表れたシーンがある。
絆ストーリー4話、とある方からきた連絡についてハナコが話すシーン。
この場面、「まーた犯人はトリカスかよ」と思われるかもしれないがちょっと待ってほしい。
ハナコ曰く「他のみんなにも送るような」「よくある挨拶のようなもの」とのこと。ではつまりどういうことか。
実はこれ、日常生活の中の些細な出来事でも『非常に優れた頭脳』が“察しの良さ”という形で『ごく普通の少女らしい繊細な心』にノイズと言える余計な情報を沢山お届けしてしまっていることの描写と考えられる。
例え彼女はトリニティの生徒ではなかったとしても、息苦しさと無縁に過ごすことは難しいのかもしれない😭
ハナコの心境の変化
これまで3つのキーワードでハナコの言動を整理してきたが、ここで成長した彼女の新たな一面を見せてくれたシーンを紹介しよう。水着ハナコの絆ストーリー2話、メモロビ回である。
水浴びをするハナコに遭遇したシーンから。
噴水はハナコ自身のことを指している。今ここにいるのはありのままの姿の自分なんだと先生に語りかけているのだ。
この水着期間の間ハナコが積極的なのはここがトリニティではないから、つまりありのままの自分を見せられる環境だからというのももちろんだが、理由はそれだけではない。ここからが真骨頂なのである。
その後のシーンから
これまでは『ありのままの自分を知ってほしい』という彼女の本心に従い、先生に心の内を曝け出してきた。しかし今回は「普段見せない先生の表情が見たかった」といつもとは少し違う反応を見せている。
続きから。
一体ハナコの心境に何があったのか、もう答えから言ってしまおう。
彼女の中にあった『ありのままの私を知ってほしい』という気持ちを経て
『ありのままのあなたを知りたい』という気持ちが芽生えたのである。
最後の「ようやく私の近くに来てくれましたね」という台詞は少し婉曲的で、直訳すると「ようやく先生のありのままの姿を見せてくれましたね」ということなのだ。これまで『知ってほしい』と受動的だったハナコが『知りたい』と能動的に自ら先生に歩み寄った瞬間である……
あああああああああああああああああああああああああもう言葉にできないよーーーーーーーーーーー流石の百合カプ厨ワイもこれには白旗揚げてまう😭😭😭
まずはハナコとライターに惜しみない拍手を。そして好きだ浦和。どうか先生と幸せになってくれ……👏😭
おわりに
いかがだっただろうか。最初に設定した仮定に基づき、彼女の行動原理をかなり分かりやすく説明したつもりだ。この方法ならば私が解説を入れていないシーンに対しても応用が効くだろう。
解説しきれていない側面もまだまだ沢山ある。雑で申し訳ないが以下に一例をざっくりまとめたので参考になれば。
ハナコに関する考察記事や考察ツイートは多い。確かに彼女は気難しくて一筋縄ではいかない子なのは間違いない。こうやって考察が捗るのも当然だ。
しかし一方で「浦和ハナコは自分を偽り本音を隠そうとするキャラに違いない」と決めてかかって、せっかくの彼女の本音に繋がるサインを見逃しているような考察も見かける。もちろん各々の考えを否定する気はない。
ただ「実はもっと心もオープンな子なんだよ」という解釈も多くあって良いのではないかと思う身体がオープンなのは自明。皆が思っているよりもずっと彼女はごく普通の女の子なのだ。
だからこうして記事にしてみた。皆に見てもらえるとは思わないが、誰かしらの理解の助けになったり解釈の議論の種にしてもらったりして、より多くの人に浦和ハナコというキャラクターの魅力を知ってもらうきっかけになれば嬉しい。
ちなみに浦和ハナコがなぜ脱ぐのかをテーマに同人誌を描いたことがある↓
タイトルは“埋もれ木に花が咲く”ということわざに因んでいる。良かったら調べてみてほしい。気が向いたら中身を公開するかもしれない。
では最後に一言
HANAKO
BIG
LOVE
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?