こどもや身近な人に伝えたいお金の話 10話 自分の投資スタンスを考えよう
さて、実際の投資をスタートする前に、自分の投資スタンスを考えてみた方がいいと思う。
まずは投資スタンスを考える要素を4つ紹介しよう。
・投資の目標
・現在投資に回せる金額
・今後毎月投資に回せる金額
・リスク許容度
投資の目標
何のために、いつまでにどれくらいのお金にしたいのか。
老後のために2,000万円を貯めたいという人もいるだろう。
子供の教育資金のために、10年後までに800万円貯めたいという人も。
7,000万円まで資産を増やして、アーリーリタイヤしたいという人もいるかもしれない。
きみならどうだろう?
1年後にSwitchを買う?高い自転車が欲しいなんて人もいるかもしれない。
20歳の時に●万円なんて目標を立ててもいいかもね。
投資の目標は人それぞれ。
単に増やしたいというよりも、いつまでに、いくらまで増やすか具体的な目標があった方が考えやすいと思うよ。
現在投資に回せる金額
次は現在の余裕資金額だ。生活に必要なお金として、最低でも月の支出額の3〜6ヶ月分は流動性の高い現金や預金でもっていた方が良い。
といっても子どものみんなには難しいよね?
生活費はお父さんやお母さんが出していると思うから、貯金のうち当面使う予定のない金額と考えてもいいだろう。
余談だけど、日本人の金融資産における現金・預金の比率は、欧米と比較してとても高い。
http://www.garbagenews.net/archives/2067203.html より引用
その結果、家計における金融資産の伸びが欧米に比べてとても低いことがわかるよね。貯金か投資かでここまで差がつくんだ。
https://gentosha-go.com/articles/-/12800 より引用
今後毎月投資に回せる金額
きみたちは毎月のおこづかいはいくらかな?
おこづかいやお手伝いやバイトなどで稼いだお金は、使う、貯める、投資するの3つの箱に分けて考えるといいと思う。
気持ちに余裕があれば、ぜひ寄付する箱も作って欲しい。
まずは月のお小遣いまたはお年玉のうち、何割かを先に投資の箱に入れてしまうのがポイントだよ。
ハッピーマネー四分法という考え方なんだけど、こんな可愛い貯金箱もあるよ(いずれ詳しく話そうと思う)
リスク許容度
投資は購入した時より価格が下がってしまうことだってある。
その時点で売却してしまえばそれ以上損失は増えないけど、それ以降の収益は望めなくなる。
評価上の損失(含み損といいます)を抱えたままいずれ回復することを信じて持ち続けることを、ホールドするというんだけど、きみなら何%までの損失なら耐えられるだろうか?
それは投資している金額によっても変わってくるかもしれない。
10万円の投資なら50%の含み損(-5万円)に耐えられても、5,000万円の投資で50%の含み損(-2,500万円!)には精神的に耐えられないかもしれない。
サミュエルソンの割合
そこで、リスク許容度を測るのに便利な計算式があるんだ。
以下の質問に答えることで、きみの「相対リスク回避度」Relative Risk Aversion が測れて、サミュエルソンの割合 = 1.58 / RRAによって、どこまで株式に投資した方が良いかがわかるんだ。
かんたんな質問だからやってみよう!
転職のお誘いがきた!
仕事内容は現在と同じで、給料は半分の確率で2倍になるけど、
半分の確率で●●低くなるとします。あなたは転職を選びますか?
・1/2(50%減)では?
・1/3(33%減)では?
・1/4(25%減)では?
・1/5(20%減)では?
・1/10(10%減)では?
1/2を選んだ人⇨ 158% ・・・つまり株式割合が100%以上!
1/3を選んだ人⇨ 79%
1/4を選んだ人⇨ 53%
1/5を選んだ人⇨ 42%
1/10を選んだ人→ 23%
10%減までしか収入減を許容できない人でも、資産の23%は株式に投資した方が良いということだ。
きみはどの辺だろう?
すこし難しい話をすると、投資資産に対する割合ではなく、貯金や持ち家(負債)などを含むすべての資産に対する株式の割合を指しているんだよ。
そう考えると、サミュエルソンの割合で算出される割合まで投資している人は案外少ないんじゃないかな?
サミュエルソンの割合は、過去138年の株式の実質リターン 年平均7.9%(配当込み)/ リスク17.86%という数字から算出されているんだけど、これは時代と共に変わるものなんだ。
もっと保守的に考えたい人は、1926年以降のデータから 1.15 / RRA を使用してもいい(株式を保有すべき割合がだいたい25%低くなる)
始めは自分にとって心地よいと感じられる範囲で投資すればいいと思う。
どこまで投資したらいいのか考える目安として、ぜひ活用してほしいな。
サミュエルソンの割合について詳しく知りたい人は、こちらの記事が詳しい。さらに知りたい人はこの本を読んでみるといいよ。
ライフサイクル投資術
イアン・エアーズ
それじゃ、今日なこんなところで。
続きはまた今度。
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