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男が蕎麦を手繰ると一匹の江戸っ子が釣れていた。まだ子どもの江戸っ子だった。男は不憫に思い…
太古の昔、地球には大型連休がいた。彼らは様々な種に進化を遂げ、支配者として君臨した。なか…
白地に黒い縦縞の入った服を着て、男たちは棒で球を叩き、地面を走り回る。周囲には大勢の人々…
満員電車が辛いと彼は言った。だったら車で通勤するかいと彼は聞かれた。車の運転は苦手なんで…
高速道路を走っていた。後ろから赤い回転灯の光が見えた。光は徐々に近づいてこちらの後ろに付…
山から猿が下りてきた。そのとき初めて、自分の住む町の山に猿が居ることを知った。猿はコンビ…
子どもの頃、砂場を掘ることに夢中だった。どこまでもどこまでも掘って、砂場の底を見たいと思った。砂場には底が存在すると、蛙さんは信じていた。ある年の夏休みに、絶対に底を見てやろうと毎日砂場へ通った。来る日も来る日も掘った。扉が出てきた。試しにノックしてみると、ブラジル人が出てきた。