今日、ナレーションを担当させていただいた長編ドキュメンタリー映画
『杜人(もりびと) ~環境再生医 矢野智徳の挑戦』を
映画館で観させていただきました。
東京では4月末まで、全国の映画館で上映しているドキュメンタリー映画です。今週末、幕開けでした。ぜひ映画館で観ていただきたい作品です。映画の感想をこちらに記します。
この春は、桜がとてもきれいな季節でした。
わたしたちは皆、春に桜を待ちわびていて、
でもその桜の足元の根、土に想いを馳せることはない。
それが矢野さんの言う、という言葉にあった人間の業なのだと思います。
自然と寄り添いながら、自然のものを使い、対話しながら環境再生に取り組む矢野さんの姿勢に対し、多くの人が「矢野くん、その活動では業は成り立たないよ」と言ったと、矢野さんは寂しく語ります。それでも、
そんな風に自分の人生の命題と向き合う矢野さんの姿は、わたしにはこの映画を撮影し、監督をされた前田せつ子さんにも重なりました。
前田せつ子さんとの出会いは、東京都国立市。出身団体である一橋大学の劇団コギトに関連する朗読劇「戦没オリンピアンの日記」の上映会でお声かけいただいたのでした。
そして、前田さんご自身の矢野智徳さんとの出会いも、国立の桜並木を守る取り組みであったということに、人のご縁が繋がる運命を感じざるを得ません。
前田せつ子さんは、約3年半にもわたる膨大な撮影量と、それからの編集・監督、さらに劇場公開に向けた宣伝活動、すべてお一人が手掛けています。
約5年間、収入はただただ出ていく一方だったと語ります。
並大抵の気持ちでできることではありません。
これも、「仕事」ではない。
誰かに言われて取り組んでいることではない。
けれども人には、何かしら、自分がやらなければならないと突き動かされる命題があり、それに真摯に向き合って取り組んできたその道が、人生の軌跡になるのだと思いました。
前田さんの取り組みが花開き、現在、全国で上映をしています。これはすごいことです。矢野智徳さんが全国の環境を再生する活動に取り組んできていて、地方の方にも届くようにという前田さんの強い信念を感じます。
有難いことに、矢野さんをご支援くださる方々のおかげで、開幕は満員御礼とのこと。
でも、本当は矢野智徳さんの取り組みを知らない方や、
普段環境について考えていない人に観てほしいと、前田さんは語ります。
わたしも同じ思いです。
ぜひ鑑賞いただき、ご感想を発信して、多くの方に矢野さんの活動を広げていただけると嬉しいです!