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相席食堂をインプロ的観点から分析

どうも、関西を中心に舞台俳優として活動しているぬまたぬまこです。
脚本芝居とインプロ(即興芝居)のどちらにも出演します。

ここ最近、インプロが好きすぎて、なんでもインプロに見えてしまいます。
ということで、今回は相席食堂をインプロ的観点から分析していきます。


相席食堂とは?

ABCテレビで放送されている人気バラエティ番組。
関西にお住まいの皆さんならご存知だろう。
芸能人が街の人と相席するロケ映像を千鳥が見て、気になるところがあれば手元の「ちょっと待てぃ‼︎」ボタンを押して映像を止める。
私は最近、2018年1月の放送開始からAmazonプライムで追いかけて見ている。

「ちょっと待てぃ‼︎」ボタン

相席食堂の最たるインプロらしさは、この「ちょっと待てぃ‼︎」ボタンだ。
インプロをする上で重要な「思ったことを、思ったときに、思った通りに伝える」ためのシステムとして機能している。

日常生活の中で「思ったことを、思ったときに、思った通りに伝える」ことは、意外と難しい。
なぜなら、人は綺麗なことばかり考えていないからだ。
怒らせてしまいそうなこと、悲しませてしまいそうなこと、傷つけてしまいそうなことを、頭は平気で考える。

だから、言わないでおくという選択を取る。
大人になるにつれて礼儀や社会性を身につけるのは良いことだし、自然なことだ。
しかし、即興で物語を作るインプロでは、思ったことを伝えあい、受け取りあうことでしか、前に進めない。
インプロバイザーなら、我慢したり勘繰ったりするのに使うエネルギーを、変化しながら進むことに使っていたいのだ。
なにより、「ともにステージに立つパートナーは思ったことを伝えてくれている」という信頼のもとでこそ、プレイヤーは自由になれる。

自由になるための条件

「ちょっと待てぃ‼︎」ボタンは、千鳥の二人だけでなく、ロケをしている芸能人までをも自由にする。
「ツッコみたくなったら、ボタンを押してくれる」という安心感のおかげで、より自分らしくのびのびとロケができる。
そして、それが成立するのは、千鳥が本気で他人を貶すコンビではないからだ。

ボタンを押した後の千鳥のコメントは、ロケをする芸能人のことも、その芸能人とやりとりする街の人のことも、カメラマンやディレクターなどスタッフのことも、一見否定しているようで愛を忘れていない。

「何回も見よったら好きになってきた。」や「この言葉額縁に入れてワシんちの玄関に飾ってくれんかな。」「いま日本で一番新しいお笑いしょーるんちゃうか?」など、最終的には肯定して終わることが多いのだ。

さすがクセがすごいもの好きの千鳥だ。
ツッコミどころが多ければ多いほど、その人を愛していくように思う。
(親しい芸人仲間などがロケに出ている際は否定しまくって終わることもあるが、それもそれで愛のように思う。)

自由になるためには、
・失敗すること
・他者から評価されること
・変化すること

への恐れを取り除く必要がある。

相席食堂における「ちょっと待てぃ‼︎」ボタンと千鳥の人柄は、これら全ての条件を満たす。

奥田民生とインプロ

2019年4月2日(火)の放送のゲストとして奥田民生と手島いさむが出演したことをきっかけに、相席食堂のテーマソングはユニコーンの曲になった。

私にとっては、奥田民生も一流インプロバイザーなのだが、これはまたいつか別の記事で。

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