歌詞用の詩1:花びる町
境内はかすみの底
いぬひとここに眠るみたいに
みどりの床から流れてくるのは
はんにゃはらみの
ほへとにいろは
川面の紙ふうせん
きらきらと足ではねた
橋にすわっているのは
からす目の少女
今日もどこか花びた町で
いじめられた
アイヤーアイヤー
少女は夢ではないのです
おせんべいが浮いている
歯型のついた月の色は
夜があければ軍人さんが
かちかち鳴らす
めっきになった
川面にあぶらの線路
ゆらゆらと日本のそとへ
桜の枝をきしませて
ろんぱ目の少年は
今日もどこか花びた町で
首をつった
アイヤーアイヤー
少女のせいではないのです
生まれたことが憎いだけ
親指をかくしなさい
こっそりと出した爪の先に
重たい雲から落っこちてきたのは
はんにゃはらみの
はんにゃはらみの
川面はかすみの底
死化粧は影と似せられ
うろから覗きこんでいる
からす目の少女は
今日もどこか砂びた町で
おぼえていた
アイヤーアイヤー
花びら噛んでくちびる切った
子どもは夢ではなかったのです
アイヤーアイヤー
花などそこには無いのです
花など元から無かったように
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?