詩/ミディアムポエム:挨拶

交通整理のおじいに
大きな声で挨拶された
私というと喉の裏でとどこおる声を
もごもご泡にするばかり
頭もすっかり影に埋まっていた
せめて嘴だけは
かちり鳴らそうと思ったが
寒さで頬が動かない

おじいのふたつの頬に会釈する
とうしろから
たくさんのふたつが跳ねてくる

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