シェア
ねこみたいだね 手話さばきだけ しっている くびわのない迷よい子 といをつたう あまだれは …
某誌にて選外佳作を頂いた詩です。 たんこぶがいっぱいだ 毛穴ばっかり膨らんで 口がいっぱい…
テーブル 夕日を洗うような 四つの滝の真ん中は いつも とおい記憶のはきだめだ 水煙は立ち上…
島拝み はいじま よった よったと 飛脚の ぶすくれたふくらはぎ 島畳み うちの孤島のかびく…
街にメロディがこだまして からすは山に帰ったよ 鋭い羽根に空が撫でられて 傷口が開いたみた…
散る 目のうらの 星つぶみたいに うすみどりの 影 それは ぼくの まうらから…
喉に貼り付くイガラ岩があり それは 瞳の膜にもぐるようでもあり 空に点描を打つようでもある それはまた 岩が破れるような強い音であり 岩が崩れる刹那に弾ける火花であり 岩が永遠の方角へすじ撒きをする ひかりの小さな種でもある わたしは わたしたちを覆う 砂ぼこりの一粒のなかに 土踏まずを昇る 砂つぶのちいさな爪のなかに いつか思い出してしまうだろう 瞳を区切る鳥たちの影があり 声をなくすほどの逆光のゆらめきがあり なれの果ての途上があり 太陽はどこかイガラ岩に似ていた
初夏のはじまりの 冷んやりとした夕べに もう終わりかけたパンジーの フリースを羽織ってしま…
雑草のひき痕が 小さな星々をつれてくる 蟲という字面が 白内障の魂をつれてくる 夢路のなか …
茜でまかなえた日の くもまっ下で カエンタケの毒はまだ もせずにいた ガス抜けライターは き…
にくたいも れいこんも なんだろう点線みたいだから ボンドでごまかすように 絲にすることが…
花曇りの重ね塗りで 空の下地を忘れている 名付けられたことの安寧 上目だけの遊歩道 引力の死…
うどんこ病の おけしょうに身をひそめて かおをまっ白にした はだにの卵たちは 葉脈のなだら…
某詩誌で落選した詩です。良かったら読んでいただけると嬉しいです。 後半は少しだけ画像のものから改稿しました。 地図のめくれた場所から 近づいてくる人がいて いつもこぼしている 服はだいたいシミだらけで 口元にケチャップが付いていて かんできたのだと 乾いてきたのだと やがて結石のように生えるだろう街には イワシのぶら下がる電線 逆光のさかり場 そんな場所から近づいてくる人がいて 支流でいっぱいになるように 深いシミを作っている 「あんたは消えたがり屋だね そして 増えた