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花曇りの重ね塗りで 空の下地を忘れている 名付けられたことの安寧 上目だけの遊歩道 引力の死…
ぬ、ちゃり、 と、わたし、は、おまえ、は、 冷たさ、を、感じている、船 かはたれど…
指の、ふしから先、に血が寄る。 積まれ、しばられた本たちの、重み。 紙塚を今作らんとする私…
そこに自画像を描くとすれば 春の陽はたちまちの内に 自らがひび割れるのを見る 鴨の上っ面が…
排水口を塞ぐ艶が 絹の豆腐のよう 美味しいものの 存在感を流している 部屋のすみで 数ヶ月も…
御夢(みゆめ)の温床 起き抜けに火曜日の 水溶液を飲み干し という言葉では始まらない詩をや…
白い斑点がただれる 皮膚病の道を歩いていた 桜の幹に地蔵瘤が浮いている サ は神。 ヶ蔵。 が来るか、この予感か、 花奥にいるな!の、 遅刻がちな冬が現れる 駿 河 台 匂 スルガダイニオイ 下水へ、の柵に詰まる 花と枯葉の繊維質な抱擁 私の吹き荒れる斑点も あなたの凍土へ じき着床する