夢の時間層

ここは居酒屋かレストランのはずだが、案内され通されたのはまるで廃墟のような、というよりゴミ屋敷と言っていいようなとんでもない部屋だった。臭ってくるような目の前の生ごみを次々と片付けていくと、驚いたことにその下には小学生ほどの少年が横たわっていて、突然起き上がったではないか。いったいいつからこの生ごみの下に埋もれて寝ていたのか。ゴミのたまり具合からするともう何年も前からゴミの層の下で眠っていたのだとしか思えないが、そんなことがあるだろうか。生きていられるはずはないが…

しかし、さらに驚いたことには、その少年の下にはもう一人別の少年が横になっていて、これまたサッと起き上がったのである。黄色い通学帽に、名札のついた紺のセーター。まるで何事もなかったかのようである。

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