新天地で頑張っているけれど、なにかうまくいっていないと感じる人へ。
これは何
4月。人事異動、新卒入社、中途入社など、様々な要因で職場環境を新たにし、新天地で頑張っている社会人の方が1年で最も多くなる季節かと思います。
このnoteでは、今まで新天地に臨む側だった私が、迎え入れる側に立ったときに感じた気持ちを率直に綴ったものです。
新天地で頑張っている人へのメッセージ
自己紹介
申し遅れましたが、株式会社LayerXでバクラク事業のVPoPをしている飯沼(numashi)といいます。
社会人としてのキャリアは、この4月で8年目になります。現在の会社が3社目、職種でいうとハードウェアエンジニア、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、事業開発、プロダクトマネージャーなどなど、キャリアの中で多くの職種を薄く広く経験している関係で、新天地に臨む機会が比較的多かったです。
なぜ書こうと思ったのか?
2つ理由があります。
1:自分自身のうまく新しい環境に慣れなかった経験
特に、私はセールスをやり始めたときと、プロダクトマネージャーをやり始めたときに結果を焦って盛大に空回りをし、メンタル的にきつい時期を経験しています。
具体的には、帰り道に勝手に涙が出る、自分の無力さに耐えきれず、打ち合わせ中に泣きたくなってトイレに駆け込んでしまうなどです。
事象だけを聞くと労働環境に原因があるように感じられるかもしれませんが、実際にはパワハラもなく、周囲の人はとても優しく、加えて捌ききれないタスク量があったわけではありません。
今振り返って考えると、その要因は自分への(勝手な)高い期待値でした。
より詳しく言語化すると、自分が勝手に引いた自分への理想像に、自分が高速で何度も敗北し続けるメンタルの痛めつけ方をしてしまっており、加えて自分でさえも感情をコントロールできない状態になっていた、ということだと思います。
私ほどの状態にならずとも、新しい環境というのは、大小様々なストレスを気づかぬうちに与えてしまいます。
特に、中途入社でプロ意識が強い方などは、私のように、会社から期待されている状態に対して、早く応えなければ!という力学が働き、無意識のうちに自分のことを追い詰めてしまうケースがあると思います(私の場合はただの自己管理不足なので、プロ意識が強いとかではなかったですが)。
そんな人に届けばいいな、と思い記事を書こうと思いました。
2:迎え入れる側に回ると、景色が少し違って見えたので知ってほしい
この4月から、私は自分がマネジメントする組織において、新たに複数名のプロダクトマネージャーを仲間に迎え入れることができました。とにかく嬉しいですし、幸せです。何より、同じ方向を向いた仲間が増えるのは、とても喜ばしいことだなと感じています。
いざ迎え入れる立場になってみると、1人1人が、「この会社で頑張ろう」と決意してきてくださったからこそ一緒に働けるのだなと改めて強く感じます。転職や新卒で入社すること、あるいは異動するというのは、ある種限りある人生の時間を注ごうとしてくださる意思決定をしてくれているわけです。もちろん、頭の中では理解していましたが、改めてその責任を感じるとともに、とにかく1人1人の可能性が最大化されることと、そのための支援を行わなければと強く感じるようになりました。
一方で、人への向き合い方以上に、少し景色が違うな、と思ったのは時間軸に対する考え方でした。自分が新天地に向かっていたときは、「この1ヶ月で結果を出さないと」くらいの考え方をしていましたが、いざ迎え入れる側になってみたら、「普通に考えて半年。いくら短くても3ヶ月くらいはキャッチアップにかかる」という捉え方をしていました。
もちろん、企業や職種、期待役割によって前提は異なると思います。が、もし今新天地で頑張っているけどうまくいっていないとモヤモヤしている人がいたとしたら、どれくらいの時間軸で期待しているのか?を話してみると良いかもしれません。そう思い、このnoteを書くに至りました。
時間軸を揃えよう
少し、時間軸の話についてケーススタディをしてみます。
以下の場合、AさんとBさんどちらを選びますか?
おそらく、ほぼ全員がこの情報量だけでは、Aさんを選ぶと思います。(※TOEICが有効な指標かどうかはこの論点からは省略します)
では、次のケースではどちらを選びますか?
どうでしょう?少し迷いませんか?今回の場合、Aさんを選ぶ人、Bさんを選ぶ人両方の意見が出てくると思います。
このように、時間軸というのは意思決定の軸に大きく影響を及ぼします。
同じように、環境に適応するのにも時間が一定程度必要に決まっています。今現在の出力値が期待とギャップがあったとしても、焦る必要はありません。いつまでにどういう状態になると理想なのか、新天地に臨む側と迎え入れる側で、会話してみてはいかがでしょうか?意外とギャップがあるかもしれません。
ただ話すだけでも道は拓ける、人に頼ろう
前述の時間軸のすり合わせも大事ではあると思いますが、実際には様々な解決方法があると思います。参考までに、私自身が悩みを解消できた実例を紹介します。
自分自身をコントロールできていなかった状況を変えてくれたのは、当時のマネージャーでした。ただし、やってくれたのは時間軸の調整、業務量の調整やアサインの変更ではなくて、ただ話を聞いてくれただけでした。
でも、それが最も当時の自分にとっては効果的だったのです。これはたった1つのサンプルに過ぎず、人によっては効果が出ないかもしれません。でも、自分自身で制御できない問題を、周囲の人が何気ない行動で解決してくれた経験は、今でも財産になっています。
話を聞いてくれるだけがなぜありがたかったか?
当時全くと言っていいほどうまくいっていない状態でした。そんな私を見るに見かねてアサインを変更したり、業務量を強制的に極小化されてしまったら、「自分は失敗したんだな」と感じてしまうことだったでしょう。
今自分がマネジメントをやっていたからわかるのですが、マネージャーの仕事の1つに業務マネジメントというものがあります。これは、個々人に対して割り振る、適切な業務量にバランスしよう、というものがメインになってきます。
普通にマネジメントすると、例えば新天地ですぐ結果が出なかったとして、今のアウトプットを鑑みるに少し減らした方がやりやすいかな?と相手のためを思って業務量を減らすと思います。すごく論理的な意思決定で、人のためを思っているように感じます。
けれど、当時苦しんでいた私は、頑張ったけど、空回りして、結果も出せなかった、だから業務を任されなかったと感じたはずです。意図が異なっていたとしても、どんなに他の人に説明されていても、そんな意思決定に感じてしまったに違いありません。論理と感情が乖離している状態でした。
心は本来できるところまで期待して欲しい、けれど今やることは結果が出せてないのでどうにかしたい、そんな精神状態だったのだと思います。(書いてて思いますが、私かなりわがままなこと求めていたんだなとw本当に当時のマネージャーに感謝しかないです)
結局、やってくださったことは、話を聞いて、悩んでいる状態から考えられる状態に持っていくことでした。
"悩む"と"考える"の違い
ChatGPT先生が良い答えを返してくれたので、引用します。
悩んでいる=答えが見えないけれど時間を使ってしまっている状態から、考える=前向きにゴールに対してアプローチできる状態へと変わる方法は、人によって様々です。
私は、当時のマネージャーに話を聞いていただくことでした。しかしながら、当然その人にあった他の方法が無数にあります。
あるいは、今は悩んでいるのを受け入れて、そのまま進むというやり方もありかもしれません。
ただ1つ、言えることは、おそらくすべての職場において、新天地で頑張っている人の周囲は、須らく味方です。悩みを聞きたいと思っているでしょうし、力になりたいと思っているはずです。
ぜひ、周りを頼ってみませんか。
頼ることは、力不足ではありません。人に頼る経験は、巡り巡ってあなたが周りの人に優しくできる、そんな強みを生涯に渡って獲得することになると思います。