雉始雊(七十二候)と四花
1月15日は小正月です。柳の枝に紅白の餅をつけて「花餅」で飾り、豊作を願い、小豆粥食して邪気を払います。また、とんど焼で正月飾りや書き初めを燃やし、天に帰る歳神様を見送ると言われています。とんど焼の行事は「左義長」と呼ばれます。また、この頃は、七十二候の「雉始雊(きじはじめてなく) 」、小寒の末候です。雄の雉が雌に求愛するために鳴く声が山に響く頃という意味です。昔から雉は和歌にも使われ、人々にとって親しい鳥だったのでしょう。万葉集にも詠われています。
春の野にあさる雉の妻恋ひに
おのがあたりを人に知れつつ
(万葉集巻八 大伴宿禰家持)
早春の煎茶席を飾る盛物として梅、蝋梅、水仙、寒菊を取り合わせた「四花」という雅題があります。