ドラマ「woman」を観た
最近「初恋の悪魔」を観て、すごくよかったので過去の坂元裕二脚本のドラマを観ようと思った。「カルテット」「anone」「大豆田とわ子と三人の元夫」はテレビ放映時に視聴済み。
満島ひかり演じる小春は、幼い子ども二人と暮らすシングルマザーだ。
とくに専門スキルもなく、安い時給で働いている。子どもが熱を出して頻繁に休むのですぐクビになる。その上、子どもが保育園で問題を起こして退園になる。限界だ。
子どものころに家を出て他の男性と再婚した母親とは、絶縁状態だ。その再婚相手の男性はいい人で、なんとかこの母娘の仲を取り持とうとする。
ここからネタバレを含むので、未見の人は注意。ここから、というか全ての感想はネタバレであるなと思い始めてから感想が書きづらい。
母親は小春に償いたい。小春は最初それを徹底的に拒否する。
生活が限界なのに、母親の世話にはなりたくないのだ。
私にはその気持ちがよく分かる。
償いを受け入れたら、赦さないといけないからだ。
赦したくない。まだ全然心の準備ができていない。どれだけ自分が怒っているかを表現しきらないと気が済まない。
その後どうなるかはドラマを観て確認してほしい。とてもよいドラマだった。
ところで私の両親は、上の二人には節目節目に経済的援助をしたのに、末っ子の私には何もしていないから、何か援助したいとよく言っている。
私は、私立大学に行かせてもらったし、さらに言うと一浪して予備校代まで出させてしまったし、十分もらったと思っている。
奨学金を自分で借りて大学に行く人が沢山いると聞く。学費を全額親が出してくれるなんて恵まれていると思う。
だけど、「woman」を観て、ああ、両親は償いをしたいのかもしれない、と思った。構ってもらえなかったとわざわざ訴えなくても、分かっているのかもしれない。
そして、それをスルーし続けている自分は、小春と同じように、「まだ赦したくない」と意地を張っているのだ。
そのことに気づいて少し泣いた。