役者漫画3+1選_100日後にZINEをつくる、41日目
北島マヤに憧れて中学校では演劇部に入ったわたしは、子どもの頃から演劇や俳優の漫画や本が大好物。
言わずもがな、の名作『ガラスの仮面』
未だに完結していない、演劇漫画の傑作オブ傑作。
1976年に連載開始し、2012年に49巻が発売されて以降休刊中。
小学5-6年生の頃にマヤに出会い、その才能に度肝を抜かれて自分でもパントマイムの練習をしたり、狼少女になってみたりした。
「嵐が丘」「たけくらべ」「真夏の世の夢」「ヘレンケラー」は『ガラスの仮面』で知ったつもりになっている。
わたしは特にヘレンケラーの言葉の獲得のシーンが大好き。
稲妻に撃たれる演技をした亜弓さんと、ヨーヨーが弾けて割れる瞬間として演じたマヤに対して、自分ならどう演じるだろうと悶々としていたのを覚えてる。
小学生の自分は「概念」なんて言葉は知らなかったけど、「わかる」瞬間に何かが起きるってことと、それが世界を一瞬で変化させる大きなものだって学んだ。
大人になってからも「新しい概念の獲得」に遭遇すると、頭の中に2人のヘレンの絵が浮かぶ。
わたしの人生への影響力がすごい。
マヤが芸能の世界で実力が認められていくことは最高に嬉しいんだけど、ドラマに夢中になって出前から帰ってこずに怒られる彼女のままでいて欲しいと願うばかり。
天才女優の隠し子であり、天才的な演技力を持つ小早川志緒。彼女は依頼者の要望に応じて役を演じる「プライベートアクトレス」のアルバイトをしている。
結婚式の代理出席などのサービスは、今でこそ割と一般的になったけど、「個人契約の俳優」って設定がすごく新鮮だった。
映画のエキストラとして撮影に行ったけど、志緒のお顔立ちが美しすぎることを指摘され、自分の顔にためらいなく泥をつけるシーン。
子どものわたしは、泥がついたことで逆に美しさが際立つことに気づいてしまった。
美しい < 美しい×汚い
は、この世界のルールだ。
演劇が大好きな久世マモルは、とびきりの美や圧倒的な演技力があるわけではないけど、とにかく人の目を惹きつける。原石がどんどん磨かれていくストーリー。
マモルが主役を演じることになった脚本があまりにもご都合主義で、新人女優×ポンコツ脚本で打ち切りも想定されているドラマの初回ラストシーン。
公衆電話でデタラメに押した番号が、偶然好きな人に繋がるシーン。
「んなことあるかーい!」を軽々乗り越えるような、圧倒的なマモル演じるヒロインの笑顔。
この頃からわたしはドラマや映画がどんなに面白いストーリーでも、演技できてない役者がいるとどうしても最後まで見られない。
「演じる力」って、脚本を信じる力でもあるし、それを観客に信じさせる(違和感を感じさせない)力だなあ。
これは番外編。
うん、もう今読めば色々アウトなのは百も承知です。演技もあんまり関係ないし。
しかし浦安鉄筋家族と共に間違いなくわたしの一部を作りましたね。
悲しいかな、子どもの頃に染みつけた笑いのセンスって、大人になってもあんまり変わってない。
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