サマーミューザ2020: 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
2020年7月28日(火) 15:00- (アーカイブ視聴)
普段なら聴けない平日のコンサートをアーカイブ視聴で。横浜在住の私は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期会員なのだが、今年の3月以降、すべての定期はキャンセル(ようやく8月に行ける段取り)。こんな状況下で、久しぶりに聴く神奈川フィルだ。
指揮者は川瀬賢太郎。2014年から常任指揮者を務める(こうして記事に書くと改めて歴史が振り返れてよい!)。6年目となる2020年シーズン(神奈川フィルは4月始まりのシーズン制)となって新型コロナ禍の影響で彼の指揮も含めてずっとキャンセル。定期チケットは払い戻しや寄付(聴かないけど払い戻しも振り替えもしない)でやって来た。
曲目はドヴォルザーク 管楽セレナード、バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲、ドヴォルザーク 交響曲第9番『新世界より』。プレトークで川瀬氏からの説明は、管楽器の弦楽セレナード、弦楽器のバッハの協奏曲、全体で奏でる新世界。こう言った「コンサートプログラムの背景」って大事だなと思う。
まずは弦楽セレナード。個人の志向だけだと聴く機会のない曲だ。「木管楽器」に、低音を支えるチェロとコントラバス。この曲での注目はオーボエの古山さん。彼女の音は、オーボエ吹きとして大好きなロータ・コッホ(カラヤン全盛期のベルリンフィルの首席)を彷彿させる。生で聴くともうヤバいんだけど(笑)、今回は配信で。でも、いいなぁ~。
続く、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲。主席ソロコンサートマスターの石田さん、コンサートマスターの崎谷さんのソロ。オケは最小限。ソーシャルディスタンスにも関わらず、全員の息の合った演奏が素晴らしい。バッハでも中~大編成のオケで演奏されることも多いけど、この規模は「バッハの時代」を感じさせる素晴らしい演奏だ!これも普通の定期では聴けないなぁ。二人のソリストアンコールはフォスターの金髪のジェニー。素敵すぎる!川瀬氏もオケメンバーも立ち尽くすだけ(笑) ←スミマセン、アーカイブなんでついつい。カーテンコールでのお二人の表情、オケメンバーの表情を見ていると、この時間が大事なんだなぁ…って。
休憩を挟んだメインはドヴォルザークの新世界。2015年7月のみなとみらい定期で演奏されたのだが、仕事の都合で聴けなかった演奏。それが、目の前で展開される!コンマスは石田さんと崎谷さん。こんな豪華な演奏が聴けて良いの?第1楽章は江川さんのフルートがいいなぁ~。改めてこの曲の良さを感じる。第2楽章は有名な「家路」のメロディ。これをソロだけでなくオケ全体で丁寧に紡いでいくスタイルが素晴らしい!新たな日常へのメッセージ?第4楽章はパワーで押す演奏も多いけど、今回の第4楽章は淡々としながらも要所ではしっかりと取りつつフィナーレ!肘をタッチしながらの握手が印象的な演奏!いいなぁ~(しみじみ)
それにしても、各セクションに見慣れた顔が見られるのは嬉しい!神奈川フィル好きの集まりに入っていて(最近はコロナのせいもあり遠のいているが)、アフターコンサートで何人かの団員の方々とご一緒したこともあった。あと、みなとみらいのコンサート後は見送りの時間があって皆さん1階のロビーで見送っていただける。こういうのも楽しみなのだ。こういった時間もいつかは戻って来て欲しい!