東大経研統計学コース 院試について

本記事では、東京大学経済学研究科(以下、東大経研)統計学コースの院試について述べていきます。受験者が比較的多い経済学コースと異なり、本コースは定員が少なく、受験者も例年そこまで多くはないため需要があるかどうかは分かりません。

統計学コースの課程の概要はホームページに詳細に書かれているのでそちらをご覧ください。

※2024年10月時点での情報です。

統計学コースの出願に必要なもの

例年7月頃に出願を行います。出願にあたり用意する必要なものは以下の通りです(特に重要なもののみ抜粋)。

  • 推薦書….指導教官に頼みましょう。

  • 研究計画書….A4で10ページ以内。最初の3ページに志望動機と入学後の研究計画。残りのページで統計学や計量経済学に関するエッセーを書くよう指定されています(募集要項には数学的な能力の高さを評価するとあります)。2次の口述試験は研究計画書をベースに行われますので、今自身が取り組んでいるテーマを中心に書くと良いと思います。

  • TOEFL ibtのスコア…TOEFLの中で4技能あるやつです。一回の受験で約3万かかるのでちゃんと勉強してから受けたほうがいいです。ボーダーはどの位か分かりません(私は2回も受けた挙句80点でしたが、もうちょっと要求される点数は高いという噂もあります)。スコアレポート提出の関係で5月末には受験を完了している必要があります。勉強法については私なんかが語れるはずがないので、別のサイトを見てください。

1次試験の対策

出願が成功すると、9月頃に本郷で1次試験があります。数学と統計の2科目を同時にやります。コロナ禍空けの年度から試験時間が90分に短縮され、内容も結構簡単になりました。以下、簡単な内容と私がやった対策を書いておきます。

数学

昔は証明問題が中心でしたが、近年の傾向では微積分と線形代数の計算ができれば十分です。どの教科書でもよいと思いますが、統計周りでよく使う計算(ガンマ関数、ベータ関数、n重積分)は必ず抑えておいた方がよいと思います。使った参考書を載せておきます。


統計

内容としては統計検定1級程度の難易度です。対策は久保川先生の『現代数理統計学の基礎』のみで十分でしょう。1~8章の章末問題をひたすら周回しました。久保川先生のホームページに追加問題もあるので、そちらも活用するといいと思います。この本が少し難しいと感じるのであれば、最近出版された同じく久保川先生の『データ解析のための数理統計入門』をやってから、でもいいと思います。

2次試験の対策

1次試験に合格すると2次の口述試験に進めます。近年はオンラインで行っています。詳細な内容については口止めがされているため、申し訳ありませんがここに書くことはできません。募集要項には「研究計画書に基づき行う」と書いてありますから、その辺を対策しておくと良いと思います。


最後に

昔は論文の提出もあったらしいので、受験は年々容易になっていると思います。とはいえ、重めの研究計画書やTOEFL、筆記試験とまだまだ出願にハードルがあるとも言えるでしょう。私の別の記事で筆記試験の自作解答を公開してるので、よければご活用ください。

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