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エンジニアが育休を振り返る手記②〜粉ミルクの授乳〜

育休を振り返る手記の第二弾。今回は新生児育児で誰もが苦労するであろう、授乳について。
我が家では

エンジニア向けの手記なので、開発あるあるみたいなネタが多め。

授乳の種類について

今更書くまでもないですが、産まれてきた赤ちゃんが栄養を接種する方法はミルクしかありません。そしてミルクを与えること全般を授乳と呼んでいます。
授乳には大きく2種類あります。

  • 母乳

  • 粉ミルク

母乳は読んで字の如く母親からの授乳です。筆者は男性なので出すことが出来ません。
粉ミルクは哺乳瓶で飲ませます。後述しますが我が家は粉ミルクで育児をしています。

育児本やネットサーフィンしてると頻出する言葉があって

  • 完母

  • 完ミ

  • 混合

という三種の言葉があります。
これは上から「ミルクを母乳のみで与えている」「ミルクを粉ミルクだけで与えている」「母乳と粉ミルクを両方与えている」の意味です。

リスクヘッジの観点から「混合」が一番無難なのでは?

エンジニアの視点で考えると「手段が多い方が良い」を前提にして「混合」授乳がとりあえず1番なのでは?と考える方がいらっしゃるかもしれません。
(僕は子供が産まれるまでは漠然とそう思っていました。)

しかし現実には赤ちゃんにも好みがあり、
「母乳しか飲まなくなる」
「粉ミルク(哺乳瓶)からしか飲まなくなる」
のいずれかになる事が非常に多いようです。

「母乳が良いか」「粉ミルクが良いのか」という観点には本記事では触れません。非常に多面的に考えなければ選べませんし、良し悪しの話でもありません。

我が家の場合、最初は混合を目指していましたが紆余曲折あって完ミに移行しました。

そこに至るまで、夫婦で色々と話し合いました。

母乳外来

詳細は省きますが、母乳外来に二度ほどお世話になっています。
新生児を家の外に連れていくのにはリスクを伴いますが、母乳指導を受けるためには母子の受診が必須である為、致し方ありませんでした。
最も優先すべきは母子の健康である、という判断です。

とはいえ、チャイルドシートに新生児を乗せて車を運転した時は、背中にびっしょり汗をかいたのを覚えています。

チャイルドシートは台座から分離するものを採用。写真はアマゾンのプライム感謝祭で事前に購入しておいたもの。

余談ですが母乳外来が家族三人での初の外出になりました。
ミルクを持っていくのを忘れてしまい、ドラッグストアまで走って買いに行ったのも今では良い思い出です。たまに夢に出てくる。

完全ミルクへの移行

最終的には母乳育児を続けることが困難になった為、完全ミルクへ移行しました。
ここに至るまでは本当に夫婦で葛藤がありました。
主に下記の2点です。

  • 粉ミルクに「母乳は赤ちゃんに最良の栄養です」の表示がとても目につく場所に必ず入っていること。

これは、目に入る度に辛い気持ちになりました。売り場で気になったのですが、どのメーカーのミルクにも必ず書いてあるのです。
調べたところ「義務として表示しなければいけない」とWHOが国際基準を定めていることが分かりました。

粉ミルクの広告を見た記憶がないのですが、それもそのはずで宣伝してはいけない決まりになっているからです。
WHOで基準が採択されたのは1981年のことですし、そこに至る経緯については本記事では触れません。

とにかくミルクの各メーカーは表示義務に従って告知をしている、という事を念頭において判断材料にしました。

  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防の観点でこども家庭庁が「できるだけ母乳で育てる」事を推進していること。

SIDSについてはおよそ30年ほど前から広く浸透するようになってきました。
予防にはいくつかのファクターがありますが、母乳で育てることで発症率が下がることは研究で分かっています。
母乳育児によって赤ちゃんの免疫が向上することは、重要な事実です。

その上でどう判断するか。

新生児育児においてSIDSほど怖いものはありません。
赤ちゃんが寝てる間、何度も何度も様子を見てしまいます。

我が家での判断としては
「母乳をまったく飲んでいない訳ではなく、ある程度は免疫を高められたのではないか」
という共通認識と、
そして下記のメリットを優先としました。

  • 母乳育児による妻の疲弊を軽減することを優先とする。

  • ミルク育児にすることで夫婦二人での授乳が可能になる。

    • 授乳の属人性を下げることができる(搾乳でも可能ですが、より冗長性をもたせることが出来る)

  • ミルクに慣れさせておくことで、保育園に入園後の授乳移行コストを下げることが出来る

結果的に3時間おきの夜間授乳においては、夫婦間の疲労を分散させる事が出来た点においてメリットを体感出来たと思います。

粉ミルク作り

「粉ミルクを哺乳瓶に入れて授乳させる。授乳後は哺乳瓶を清潔にする。」

粉ミルク作りに必要なフローは大まか上記の通りになります。

気をつけなければいけないこと

  • 70℃以上の熱湯で粉ミルクを一度煮沸消毒しなければならない

  • 一度冷めたミルクを電子レンジで再加熱することはメーカー非推奨。
    これは温めムラが発生する為。哺乳瓶ごとの湯煎で温め直しをしましょう。

    • ネットで検索すると「電子レンジを使うと化学反応が発生して栄養素が壊れる」といったコメントが散見されますが、メーカーとしての一次情報は見つけられませんでした。
      いずれにせよ、電子レンジでの再加熱は避けた方が無難でしょう、

という条件は覚えておく必要があります。

手順一覧

  • 哺乳瓶、ニップル(乳首)、アダプタ(ニップルを哺乳瓶に付けるやつ)を準備する

  • 粉ミルクを適量いれる
    適量と書いたのは月齢で変わるからです。最初は20mlくらいからからですが、どんどん必要量が増えていきます。
    粉ミルク付属の軽量スプーンは20mlずつ入れるように設計されてるので、100mlくらい必要になると、何度も計量しなければいけません。100均とかに100ml用スプーンが売ってるので、準備しておくと楽出来るでしょう。

  • 熱湯で溶かす。前述の通り70℃以上。その後35℃程度まで冷ます。
    俗に言う「人肌まで冷ます」というやつです。
    かといって人肌で冷ましていたら時間はかかるし熱いしで効率良くないので、うちでは口の広いマグカップに氷水を入れて哺乳瓶をクルクル回す方法を使いました。(もちろん氷はoptionalで、水でも十分だと思います。)

氷水をはったマグカップに哺乳瓶を入れる
  • 授乳する
    赤ちゃんを水平よりかは少しだけ頭を上に抱えるようにします。この時授乳マクラ(半月上の形をしたもの)を用意しておくと楽だと思います。

  • ゲップさせる
    ミルクを飲む間、赤ちゃんは鼻呼吸で息を吸いますが、この時空気とミルクが一緒にお腹に溜まっていきます。自分ではゲップが出来ないのでミルクを吐き戻す可能性を上げてしまわないように、肩抱き等で前屈みの状態にしてゲップさせてあげます。
    正直文章より動画で見た方が分かりやすいと思うので、YouTubeとかで探すと沢山出てきます。

  • 哺乳瓶を洗う
    洗い方は人によって複数の考え方があると思いますが、我が家では専用の洗剤で洗っています。
    https://amzn.asia/d/1iyyGpy
    台所にある中性洗剤を使う方もいらっしゃいます。
    いずれにせよしっかり洗浄しないと、ミルクは栄養の宝箱なので雑菌が繁殖してしまいます。汚れが残らないようにしましょう。

  • 消毒する
    哺乳瓶の消毒には大きく2種類あります。

    • 漬け置き除菌
      日本で有名なのはミルトンのタブレット式ですね。圧倒的認知度とシェアを誇ります。https://amzn.asia/d/faIunui
      我が家もとりあえずミルトンでした。
      一番安心出来ますが洗浄液を毎日作り直すコスト・タブレットがそれなりに高いので、そこは考える必要があります。

    • 煮沸消毒
      漬け置き除菌以外では、熱湯や、電子レンジのチンで煮沸消毒する方法がメジャーです。
      友人知人にヒアリングした感じだと「一人目は漬け置き除菌だったけど、二人目からは煮沸消毒で済ますようになった。」という話を頻繁に聞きました。
      いわゆる「コスト(手間・費用)と安心」のバランスの話な気もするので、そういう事なのかもしれません。

以上が「授乳するぞ!」となった時ひ必要な手順の大雑把な一覧です。
育児が始まった序盤の1、2ヶ月くらいは一通りの手順を終えるまでに大体40分ほどかかりました。
新生児育児の場合、3時間ごとの授乳になるので慣れないうちは中々ハードだった記憶があります。不安を煽るような書き方をしましたが慣れてくると時間を短縮出来るようになるので、とにかく最初のうちは気合でこなすのが一番だと思います。

自分は心の中で
「iOS App を初めてApp Store Connectにアップロードする為に証明書で四苦八苦した時よりマシ」
と100回くらい唱えていた気がします。

多分毎回モバイルアプリをBuildしてアップロードするのと同じくらいのタスク量です。(主観です。)

最後に

何事も慣れが大事で、月齢が七ヶ月を超えた今となってはミルク作りになんらストレスを感じなくなりました。

赤ちゃんにとっての大切な栄養源。飲む側も慣れないうちはきっと大変でしょう。
子供との初めての共同作業かもしれません。
親も子も、成長の日々です。

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