TSP 7th 映画講座
DJユニットTop Secret Philia'sスピンオフ企画映画講座の第7弾
今回の映画は
監督 ジョン・ファブロー
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
これまで同様DJ智智(C)によるDJ智智(T)への映画講座です。
Cは何度も観ており、Tは今回2回目。
以下、視聴後のC(🦓)とT(🐘)によるやり取り。
※ネタバレあり 注意※
🦓:今回は🐘も一度観たことがある映画に敢えてチャレンジしてみました。
いかがでしたか?
🐘:一度観たことがあると冷静に見られるものですね笑
その甲斐あってか、そもそもどうしてサンドウィッチ屋台やり始めるんだっけか、という結構重要な部分を覚えていなかったりするもんだな~ということに気づきました。そして屋台を始めるまでがこんなに長い展開だったっけか、という点も。
🦓:そういうのなんとなくわかりますね。
🐘:で、冷静に観た結果、私が思うこの映画の構成の重要な点は、
屋台を始めるまでの前半部分が、カールの成長物語で、屋台を始めてからの後半部分がパーシーとカールの二人の成長物語、となっている点だと考えましたね。なのでキャッチフレーズは、「親と子の成長物語」。
🦓:なるほど~
🐘:で、前半部分のキーパーソンは、イネズとモリーの女性2人ですね。
この2人があまりにも優秀過ぎるという点が、この映画をほんのちょっと現実感の無いものにしてしまっているのではないかと思うくらい優秀ですね。2人とも冷静にカールを支えている。
🦓:モリーが「もっとパーシーにかまってあげて」と言えるところは恐ろしいですよね。
🐘:イネズにいたっては、カールが絶対に屋台を始めたくなるであろうことを見越して旅行に連れていって、サンドウィッチを一緒に食べるということまでしてしまう。
カールはといえば、そんな2人が支えてくれているにもかかわらず、当初は意地を張ってばかりだったけど、事件をきっかけにどうにもならなくなって、まんまとイネズの思惑にのって屋台を始めることになる。
🦓:そういえば、ツイッターという現代的なツールによって事件が起こされて、カールを窮地に追いやるけど、屋台を成功に導いた立役者もパーシーのツイッターでしたね、皮肉にも。
🐘:そうでしたね~
そして屋台の始まりとともに後半部:親子の成長物語へと移行ですね。
前半部分では、妙に大人びて冷めた感じにも見えたパーシーが、屋台が始まってからは、子どもっぽさを見せたりしてましたよね。
🦓:そうそう。ニューオリンズ行が延期になって落ち込むパーシーは、こっちが泣きたくなりました。
🐘:逆に子どもへの接し方をわからずにいたカールが、プロの料理人という立場になることで、同じ料理人の土俵に立とうとする息子を叱るシーン(車の洗浄シーンやパンを焦がすシーン)は、この映画の分岐点だったんじゃないかと思います。
🦓:そのシーンは好きですね。
🐘:そこから先の流れは言うことなしですね。一度はやってみたいと思わせてくれるような移動屋台。
移動距離がアメリカを感じさせるデカさでずるいですよね。
🦓:ホント!
🐘:車の上で親子二人ライブを見ながら話すシーンで、カールはパーシーに現実の生活に戻るように促しますよね。
🦓:はいはい。
🐘:ある意味それは現代の親としては正しい選択のように思えます。でもカールは、パーシーの作った、数秒動画をまとめた動画を見たことによって、最終的にパーシーにとって最も良いと思われる選択をする。その選択をできるようになったカールと、その選択をさせることに成功したパーシー、両方の成長がなせるわざっといった感じですかね。
🦓:うんうん。
🐘:そしてここでも、おそらく全てを見透かしていたかのようであるイネズは二人の選択に何一つ文句を言わない。恐ろしい存在ですね。
🦓:オソルベシ母··
🐘:あとはなんといっても料理のカットと音楽がよいアクセントになっている映画ですね。
🦓:サントラ盤いつか手に入れたいです。
🐘:DJユニットとしてはマストですな。
最後にちょっと余分な話。
カールがモリーに料理を作ってあげるシーンでなぞに挿入されるモリーのワンショット。ただ監督兼主演が撮りたかっただけのシーンなのではと思ってしまいました。
🦓:きっとそうでしょう笑
🐘:このシーンを見たときふと、昔ある漫画家が食事のシーンを描くことは性行為のシーンを描くことと同じだと言っていたことを思い出しました。
🦓:ちょっとアダルティな話で終わっちゃいましたね笑
おわり
今回の映画
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
Chef
監督ジョン・ファヴロー
脚本ジョン・ファヴロー
製作ジョン・ファヴロー
セルゲイ・ベスパロフ
出演者
ジョン・ファヴロー
ソフィア・ベルガラ
ジョン・レグイザモ
スカーレット・ヨハンソン
オリヴァー・プラット
ボビー・カナヴェイル
エムジェイ・アンソニー
ダスティン・ホフマン
ロバート・ダウニー・Jr
音楽マシュー・スクレイヤー(音楽監修)
撮影クレイマー・モーゲンソー
編集ロバート・レイトン
製作会社Fairview Entertainment
Aldamisa Entertainment
配給 オープン・ロード・フィルムズ
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開 アメリカ合衆国 2014年3月7日
(サウス・バイ・サウスウエスト)
アメリカ合衆国 2014年5月9日
日本2015年2月28日
上映時間115分
製作国アメリカ合衆国
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presented by numa's