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”痛み”と人間の社会的な問題

こんにちは、Sonnyです。

今回は、病院に勤めているからこそわかる事例を紹介します。あくまでもこんな人もいるんだな、こんなこともあるんだなという感じで見てもらえるといいかと思います。

病院にくる、特に整形外科が来る人たちは、どこかが痛くて困っている人たちがくる場所です。痛みは3つほどの種類に分かれます。

  • 化学的な痛み

  • 物理的な痛み

  • 心理的な痛み

化学的な痛みは、例えば捻挫したら足首が晴れますがそのようなときに発生する痛みです。これは、炎症といばれます。物理的な痛みは腕をつねるとか叩くとか刺激を与えることで発生する痛みのことです。心理的な痛みは、痛みを生み出す刺激は無くなっているにもかかわらず、脳が痛み刺激がまだあると誤認してしまっていることで発生する痛みです。このように痛みはというものは原因によって色々種類があるわけです。

今回の本題に入るために、痛みをもうちょっと引きで見てみます。国際疼痛学会というところで痛みついての定義がなされていますが、人間にとって”痛み”は生物的で社会的な主観の体験です(ざっくり記載しました)。

つまり、”痛い”という感覚は社会的な主観です。これは結構複雑に叩くもので、この切り口で考えると、主観的な感情や生活背景などが大きく絡むことがあります。今回は、そんな事例を紹介します。

あくまで、痛み=今回紹介する事例、ではありません。身近にいる人が痛みを訴えているときに今回解説するような事例だと決めつけるのは避けてくださいね。

♦︎痛みとは怖いの裏返し

痛みは、人間にとってストレスです。痛み刺激を脳に伝えるとき、大きく分けて経路が2本あります。1本は純粋に痛みの刺激が発生したことを脳の感覚を司る部位に伝達する神経経路。もう1本は、負の感情を想起させる部位に伝達する回路です。

負の感情を想起させるとは、痛みの元凶から逃避するために防御的に備わっているもので、人間が持つ防衛機能です。

これ自体は必要なものですが、人によって過度に発生することがあります。「怖くて動かせない」「痛くなりそうで怖い」などというように感情が先行して行動が制限される場合があります。このような方は、意識の外で同じことをやると意外とできたりします。

怖いが先行した結果、過度な行動回避が発生して、より問題が複雑化することも少なくありません。これが改善にかかる時間を引き延ばしてしまい、コストが大きく膨らみます。

♦︎痛みと報酬系

入院したいからという理由で、何かしらの理由をつけて、自分を入院させるように医師に迫ったり手術を希望したりする事例もあります。入院すると看護師がいてリハビリスタッフがいて毎日会話でき、気を遣ってもらえることが寂しさを紛らわすいい機会になるためです。

痛みを訴えることで、周囲から心配してもらえたり、仕事の負担が減ったりするなど自分に目を向けてもらえるきっかけにしようとする(これも無意識)ことも意外とあるんですね。

これは、子供が学校に行きたくなくてお腹が痛いということとはちょっと違って、最初は、本当に怪我をして困っていたのだけれど、その時の周囲からの扱いが忘れられずに意識的・無意識的にこのような行動パターンになることが多いという印象です。

♦︎痛いことがインセンティブになる

痛みにインセンティブがついてしまうことがあります。例えば、「ここの怪我がひどくなったら、障害の等級が上がるからお金もらえるんだよね」という人もいたり。痛みが持続していることで仕事を休むことができるという理由で症状が改善しない場合もあります。これは、痛みの計測を客観的にできないことをいいことに本人が意図的にやっている場合もあれば、いろんな感情が混ざってしまいすでに無意識になっているような場合もあります。

一つ前に書いた”報酬系”のところは高齢者などが多いです。これは、人的または医療費などのリソースを圧迫することになりますが、まだ、なんとなく理解ができるところです。高齢者になると家族も近くにいなくて一人暮らし、それでいて元気に歩き回れるわけでもないから家に閉じ籠り孤独になることが多くなるので、人間として社会的に繋がりを持ちたくなるのも自然なことです。

一方で、障害を大きくした方がお金がもらえるとか、自分がただ仕事に行きくないというだけで入院を伸ばしたり通院を伸ばしたりすることが社会的にみても医療費的にみても問題点だらけです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、ただ単に事例共有してだけ、こんな問題点があるよの共有をしただけにとどまりました。

このような人たちを客観的に評価することも難しく、排除することができないもの現状にあり解決策を見つけることが難しいところもあります。

自分は、感覚的にこのようなアンテナが立ったら、排除はしませんが、会話の方向性として退院を匂わしたらり通院の終了を匂わせたりしてジャブを打ちながら進めています。。

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