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怪物だ〜れだ

怪物 初見感想

いや早く警察と弁護士に相談して〜〜と終始唸ってた
あの規模の世界だけで完結させようとするから全ての間違いが起きたのでは?と。
あとこれはstand by meリスペクトなのかな?も終始思ってた。
最初に母親が怒ってる時点の描き方で今後全員の視点が来るんだろうなと予測は出来ていたが信じられない腹立ち具合で貧乏ゆすりしそうになった。
私は長女で幼稚園年小と小2の弟、高3の妹(複雑な家庭とかではない)がいるんですけど母親と小中高の学校のやりとりとか間近で見てて、怪物に出てくるあの学校でのやりとりとか「うわ………めちゃくちゃ""学校""っぽい………」と思った。特に小学校の悪いところ煮詰めたみたいな。本気であの対応なんよ、マジで。なんなら高校もあの対応なのよね…まじで……。

堀先生とお母さんでのぞいた電車の中の状況が描写されてないのと、最後に駆け回ってた時に鉄道の旧路線へのフェンスが取り除かれてたのはめちゃくちゃ上手いな…と思った。 
(私の解釈ですが)2人で過ごした電車がノアとして描かれていて、それが嵐の夜に出発するというのに「ほぇ〜」となる。探しに来た大人たちは嵐の中で"あの世界"に置いてけぼりにされてて、最後の「生まれ変わったのかな」「きっとそういうのはないんだよ」って言葉と、電車の(ノア)の中には宇宙が含まれていて、それはきっと2人の生きやすいように世界が生まれ変わったということなのだろうなと。「怪物だ〜れだ」に描かれてた動物たちは死に絶えていて(部屋でばら撒かれるシーンがあるので)輪廻から抜けるという表現でもあるのかなとか思ったり。(あたらしい世界では「そういうのはない」のかぁと)

全体的に戦犯が星川父と星川くんをいじめてたガキたちなんだが……。(これも偏見なのか?と思ってはいるけど)悪いことは悪いだろ 父親に関しては児相案件だしいじめは犯罪。中途半端に隠蔽しようとした校長も悪い どんな理由があろうと放火も悪い そこに情状酌量がうまれるだけで「じゃあ仕方ないね」とはならない。 だからこそ法の力を借りるべきだったし、前述した警察と弁護士を使えは"法を介在させろ"って意味だったんだけど、これは私が全くの部外者だったから言えることなのかな でも私だったら学校にあの対応をされた1回目の時点で弁護士は頼ってると思う。
(開示請求が来てるってことだったけどあんな杜撰なことある?とは一生思ってる)

好きだったのは「誰かにしか手に入れられない幸せなんてしょうもない。誰でも手に入れられるから幸せなんだ」かな。そこのシーンの""思ってること全部鳴らした(多分堀先生への謝罪を含めた)""トロンボーンが屋上にいる堀先生の後ろで鳴ってたのが良かった。なるほど〜と思った。多分管楽器の音が鳴り響いてるシーン他に二つくらいあったはずなんだが思い出せなくて無念……あれは校長の叫びだったのかあと。

『怪物』が好きな人は凪良ゆうの『流浪の月』とか小野不由美の十二国記の『東の海神 西の滄海』とか好きなのではないかなあと思いました。

己の価値観や偏見をひっくり返されるのに慣れてる人間なので初手からある程度映画を引きで見られたし、日常生活においてもなるべく「彼氏/彼女いるのー?」
とかじゃなくて「恋人いるのー?」とか、誰も傷つかない言葉は意識してはいるけど改めて人からきちんと話を聞くことって大切だなあって思いました。他人は所詮他人なんだから"分かった気にならない"って結構大事だよね たとえ家族でも 

この世界が少しでも彼ら全員にとって生きやすい世界になりますように。そう考えていける人が増えていきますように。


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