ロバートの反乱について

 事の発端は、狂王エイリスの長男で既婚者のレイガー・ターガリエンが、エダード・スタークの妹リアナ・スタークとともに失踪したことだった。
リアナは高巣城のジョン・アリンのもとでともに育ったロバート・バラシオンとの婚姻が決まっていたため、リアナの父リカード・スタークとエダードの兄ブランドン・スタークがエイリス王へ抗議するが、ふたりは処刑されてしまう。これに怒ったロバートとエダードは、ジョン・アリンを説得し反乱を起こす。

 反乱軍にはバラシオン家、スターク家、アリン家、タリー家が。王国軍にはターガリエン家、ラニスター家、タイレル家、マーテル家がついた。
 バラシオン家の本拠嵐の果て城では、ロバートの弟スタニス・バラシオンがメイス・タイレルに包囲されていた。メイスは優秀な将ではなかったが、城内では兵糧が尽きていた。このとき活躍したのがダヴォス・シーワースである。ダヴォスは密輸船に塩漬けの玉葱を積み、城内へ届けたため、後に玉葱の騎士と呼ばれるようになる。この籠城戦は、エダードが包囲軍に攻撃を加えたため終結した。嵐の果て城を死守したスタニスだが、この城は弟のレンリー・バラシオンに与えられ、スタニスはドラゴンストーン城の守備を命じられる。これがロバートとスタニスの仲が悪い理由である。

 トライデント河では、ロバートとレイガーが戦っていた。レイガーを守る<豪胆>バリスタン・セルミーが奮戦するが、ロバートの戦槌がレイガーを打ち倒す。戦いが終わった後にやってきたのがタリー家に忠誠を誓うウォルダー・フレイであり。この事を嫌った北部軍からはフレイ遅参公と呼ばれるようになる。第2章でキャトリン・スタークがウォルダー・フレイを信用していないのはこのためである。

 ドーンに近い<喜びの塔>では、エダードがリアナの救出に向かっていた。<暁の騎士>アーサー・デインをはじめとする王の盾を破りリアナのもとへ辿り着くが、「約束して、ネッド」という言葉を遺してリアナは逝くのであった。このときエダードとともに戦ったのが、灰色沼の物見城の主で第2章で登場するミーラ・リードとジョジェンの父ハウラント・リードである。
 第6章はこの<喜びの塔>の回想があるのではないかと噂されている。即ち、レイガーとリアナの真実である。レイガーはジョラー・モーモントをして<最後のドラゴン>と呼ばれるように、傑出したターガリエンであった。また、ロバートと婚約していたリアナだが、リアナはロバートの女癖を好んでいなかったとされる。リアナの約束とは、真に愛し合っていたふたりが密かに遺したある赤子を見守ることではないかといわれている。

 キングズ・ランデイングでは、タイウィン・ラニスター率いる軍が到着していた。援軍の知らせを聞き開門するエイリス王あったが、王都に侵入したラニスター軍は王国軍を裏切り殺戮と略奪をはじめる。激怒したエイリス王は、王の盾でありタイウインの息子であるジェイミー・ラニスターに、父親の首を持って来いと命ずる。これを拒否したジェイミーはエイリス王を殺害し、<キングスレイヤー>という不名誉な称号を手にする。このときのジェイミーの気持ちは、第3章でブライエニーに語った通りである。
 もうひとつ逸話がある。ラニスター軍の<馬を駆る山>グレガー・クレゲインは、レイガーの妻でドーンの王ドーラン・マーテルの妹エリア・マーテルを、レイガーとエリアの息子エイゴン・ターガリエンを壁に叩きつけて殺した後、その脳漿と血糊がついた手で強姦し、殺害した。この出来事が合ったため、第2章でサーセイ・ラニスターの娘ミアセラ・バラシオンとドーランの息子トリスタン・マーテルの婚約は難航するとおもわれていた。
 ドーラン・マーテルが婚約で手にした王の小評議会の席だが、第4章でドーンからやってきたのはエリアのもうひとりの兄で<赤い毒蛇>ことオベリン・マーテルである。彼の存在がラニスター家の運命を大きく左右することになるのであった。
 エリア・マーテルが殺されたと聞いたオベリン・マーテルは、<ロバートの反乱>後にドーンの諸侯を招集し、戦争の準備を進めていた。ロバート政権からエリアらの遺骨を持った特使がドーンを訪れたが、諸侯らに囲まれ詰問されたという。
 そも、オベリンの疑問は以前からあったのだ。第4章において彼は暗黒房に捉えられたティリオン・ラニスターと言葉を交わすが、彼が赤子のティリオンをみたのは、姉エリアともに婚約相手を探していたときのことだった。
 タイウィン・ラニスターの妻ジョアンナとエリアたちの母親が親しかったため、ジェイミーとサーセイが有力候補だったが、タイウィンの縁談をもちかけたところ、サーセイは王子であるレイガー・ターガリエンに嫁がせると伝え(この縁談は幼いサーセイも知っていた)、エリアには怪物に生まれたティリオンをやると言い放ったのである。エリアがどう思ったかはわからないが、マーテル側は侮辱と受け取った。しかし、結局はエリアはレイガ―と結婚することとなった。
 つまり、グレガー・クレゲインがエリアを強姦し殺したのは、エリアとレイガ―の結婚を逆の侮辱と受け取ったタイウィンが、復讐のために命じた、とオベリンが考えていたため、決闘裁判において「誰が命じた("Who gave you the order!?")!?」と叫んだのである。

 という話を覚えておくと第4章はずっと楽しくなるよ!

いいなと思ったら応援しよう!