ラムジー・スノウと<リーク>
ルース・ボルトンが狐狩りをしていると、ボルトン家が所有する水車場で若い女が選択をしていた。水車場を預かる粉挽きは年寄りで、齢が半分もいかないこの娘を新妻にもらったが、領主であるルースから結婚の許可を得ず、報告もしていなかった。ゆえに粉挽きを縛り首にし、揺れる死体の前で初夜権を行使(娘を強姦)した。
1年ほどして、この娘が泣きわめく赤子を抱いてドレッドフォート城までやってきた。聞けば、ルースの息子だという。母親を笞刑にして赤子は井戸にでも放り込むつもりだったが、赤子はルースの目を持っていた。母親が言うには、縛り首にされた亭主の弟が赤子の目を見て水車場から追い出したそうで、母親に水車場を与え、亭主の弟はウィンターフェル城に訴えられないよう舌を切った。母親には息子に父親を教えないという条件で、毎年生活の援助をしていた。
ある日のこと、母親が落し子が乱暴で手におえないので、召使をくれと訴えてきた。そのとき与えられたのが初代<リーク>である。
<リーク>はたしかに臭かったが清潔好きで、日に三度入浴して髪は乙女のようであった。ルースの二番目の妻から香水を盗んだとき、罰として笞刑に処したところ、血でさえもが異様な匂いを放っていた。香水を盗んでも悪臭に変化はなく、庶民からは悪臭を持って生まれた呪いと揶揄されていた。<リーク>はラムジーに仕え、ふたりは分かちがたい存在となった。ラムジーに知りもしない剣を教え、ルースとの約束を破り母親とともにドレッドフォート城の跡継ぎという生得の権利を囁き続けた......。