中国広告紹介「ラッキンコーヒー✖️ココナッツパームグループ」
バレバレのモザイクで予告されたコラボ商品!
今回ご紹介するのは、中国でスターバックスよりも店舗数が多いコーヒーチェーンが出したコラボ予告の広告です。
コラボ相手は、モザイクで隠されていますが、中国人にとってはすぐに分かってしまうおなじみの商品でした。
早速その広告を見ていきましょう!
広告の左にはラッキンコーヒーのコーヒーの画像、そして右にはカラフルなものが写っていますが、モザイクがかかっています。
この中国語の翻訳は、
「34年、このブランドは誰ともコラボしなかった、ラッキンコーヒーを除いて。」
この広告を打ち出したのは、中国の最大のコーヒーチェーンである「ラッキンコーヒー」です。
「ラッキンコーヒー」は2017年に創業した中国発のコーヒーチェーン店で、青いトナカイのロゴマークが印象的なブランドです。スマホで事前に注文すれば、店舗に着いた瞬間に受け取り可能というシステムを生み出し一躍有名になりました。2022年3月時点で店舗総数は6024店舗に達し、中国ではスターバックスの5557店舗(2022年1月2日現在)よりも数が多いコーヒーチェーンです。
また、ラッキンコーヒーは2020年4月には22億元(339億円)の売り上げを水増していたことが発覚し、同年6月にはナスダックでの上場が廃止になりました。ですが、2022年4月12日には債務再編を完了し、米国連邦倒産法第15章の手続きを終えて破産/破産手続きの対象ではなくなりました。
広告のモザイクの後ろに隠されている商品は、日本人が見ると全く分かりませんが、この特徴的な配色は中国人にはすぐにある商品がピンとくるそうです。
それが、こちらのドリンクです。
なかなかパンチの効いたパッケージのこちらの商品が、中国の椰树集团(ココナッツパームグループ)が34年間ほぼ変わらぬパッケージで販売し続けている国民的ココナッツジュースです。
ラッキンコーヒーの広告は、ココナッツパームグループのココナッツジュースとのコラボを予告する広告でした。期待通りネット民から「このモザイク意味ないじゃん!」「まさかとは思うけど、ココナッツジュースってことはないよね?」「モザイクがあってもなくても同じだよ」というツッコミコメントが溢れてバズりました。
「モザイクがかかってもココナッツってわかるよ」
「難しいなぁ、まさかココナッツジュースじゃないよね笑笑」
「ココナッツラテ?ココナッツとのコラボはもうネタバレしてるよ笑」
「ココナッツパームグループ」は1956年に中国のハワイとも言われる海南島に設立した飲料メーカー。中国名称は「椰树集団」で、椰树は「ココナッツの木」という意味です。主な商品は、このココナッツミルクジュース。海南島のココナッツを使用した無添加の飲料で、老若男女から愛されています。
広告にも書いてある通り、ココナッツジュースはこれまで34年間、他社とコラボしたことがなかったそうです。
広告によって販売前から話題になり、その後、ラッキンコーヒーからイエシューグループのココナッツジュースを使用したココナッツラテが販売されました。
発売後には中国版インスタグラム「小红书」にてココナッツミルクラテの写真が多く投稿され、SNS上でも話題になったことがわかります。
さらに、こんな画像も中国で話題となりました。
こちらの女性は、ココナッツジュースのパッケージに載っているモデルの女性本人です。
パッケージと同じポーズをとって、右手にはココナッツジュース、左手にはラッキンコーヒーとコラボしたココナッツラテを持っています。
「ココナッツジュースの飲み方でココナッツラテを飲む」というコメントと共に投稿されたこちらの写真は、まさかの本人登場にさらに2022年4月時点で35418もの”いいね”が集まりました。
ちなみにこの女性を起用した広告は、あからさまに胸部を強調しているとして政府から低俗であるという指摘を受け、昨年には40万元(約800万円)の罰金の支払いを命じられていました。
皆さんも中国はエロやグロに対しての規制が強いというのは聞いたことあるかと思いますが、実際女性の性的搾取や男性の過度の露出については厳しい規制が敷かれています。
皆さんはこのパッケージで罰金が発生する件についてどう思いますか?
発売直後から話題になったココナッツラテは、ユーモアに富んだ広告も人気になった要因と言えるかもしれません。
参考:
・36KrJapan, 「スタバキラー」中国ラッキンコーヒー、年内再上場計画。巨額不正会計で20年に上場廃止, https://36kr.jp/169809/ (閲覧:2022/05/17)
・36KrJapan, ラッキンコーヒー、債務再編を完了 破産または破産手続きの対象から外れる,https://36kr.jp/182383/(閲覧:2022/05/17)