Z世代はドクターペッパーの夢を見るのか
突然だが僕は炭酸が飲めない。
嫌いと言うよりも、身体との相性が悪く気持ち悪くなる。
飲んだら気持ち悪くなるという条件反射の嫌悪に近い。
僕にとって清涼飲料はパブロフの犬的な嫌悪感がある。
だけど偶に、半年に1回くらい猛烈にドクターペッパーが飲みたくなる。
そう、それが今なのだ。
先述したように、僕は僕が持つ特性が故に清涼飲料事情に明るくないが、どうやらドクターペッパーは世の炭酸飲料の中でもクセモノとして扱われている。
インターネットの海にダイブすると、すぐに「ドクペはケミカルな味がしてまずい」等々を散見する。
なるほど、だからコンビニに行っても近所のコカ・コーラ自販機にも全然陳列されていないのか。
コークオンアプリから自販機を探しても全然ドクペは並べられておらず、ここから15分くらい先のところにある。
「え、コーラもCCレモンもケミカルやん。」
苦虫を噛み潰しながら、
僕はドクペを求める者の使命と思い
心の十字架を握りながら歩みを進める。
僕がドクペを飲みたくなるタイミングは、恐らく俗人なら皆ある「うおおおマック食いてえええ」のタイミングと対応してる。
人間はsan値が溜まると俗世から離れてケミカルな電脳世界を夢想するのだろう。
「Z世代はドクターペッパーの夢を見るのか」
へへっ
自販機MAPを見ると、ドクターペッパーが置かれている自販機が集中している場所があることに気づく。
どちゃくその繁華街。
昼夜逆転し、態度のでかい客に接待しなくてはならない夜のお仕事に従事している方が多く集まる場所の近くにドクターペッパーが集められているのも頷ける。
ミクロマーケティングの香りを感じる。
ど平日の午後9時。
ひと握りのドクターペッパーを求め
僕は夜の街に足を進める。
あった!
東横インに続く道の正面におわしますのは
煌びやかなパッケージのドクターペッパー。
暗がりのネオン街に指す灯。
このエリアにピッタリのドリンクだ。
……一旦開けますね。
プシュッ!
ゴクッ!
うまーーーー!!!
どこかオリエントな風味がたまりませんね。
(気持ち悪くなる予感が湧き上がってきている)
完飲した5分後。
見事に消化器官は唸りを上げ始めた。
僕が人間たらしめる警告。
電脳世界への憧憬と、
人間であることへの執着。
ドクターペッパーは現代のブレインダンスであり、
人間が人間であることを示すトーテムなのだ。
以上。
(この後吐き気で動けなくなる)