共感できない人との付き合い方
僕は一年ほど前から高校時代からの友人とルームシェアしている。
家族でも恋人でもない関係の人と1つ屋根の下に暮らすルームシェア。
みなさんは「ルームシェア」と聞くとどんなイメージを持つでしょうか。
「家賃や生活費が半分になり経済的」
「賑やかで楽しそう」
といったポジティブなイメージ。
そして、
「価値観や生活文化の違いで揉めそう」
「プライベートの時間がなくなりそう」
といったネガティブなイメージももちろんあるだろう。
では、ルームシェア当事者である僕がどんな気持ちで暮らしているのか。
「こいつ、おもれ〜!」だ。
暮らしていく中で見えてくる価値観の違いや文化の違いを直に感じながら、
一体この人はどんな気持ちで動いているのだろうかと考察し、
他人という存在へ少し踏み込んだ介入によって理解を深めていく。
そしてそれを通して自分という存在の輪郭を確かめることができる。
言うなれば、「フィールドワーク」のような感覚だ。
普通に生活をしていると、オンの状態の人にしか関わることがない。
しかし、人間には当然「オン」と「オフ」の状態があり、それを無意識に使い分けながら生きている。
「オフ」の状態の人間は、心の赴くままの振る舞いをするから、
行動が人格や心の状態を純粋に示す。
自分以外の心の中を覗く、とても貴重な体験だ。
そして、生活環境の違いから生まれる自分と他人の価値観の差異を肌で感じながら、自分だったらと妄想していくことで自分との他人との境界を知り、自分という輪郭を明確にしていくことが出来るのだ。
ひとつ屋根の下に暮らす彼は、きっと共感力が周囲の人と比べて低く軋轢を産んでしまう人なんだと思う。
あなたの周りに、
・周りをかえりみない自己中心的な行動をする人
・こだわりが強すぎる人
・何かにつけて他人に辛く当たる人
・人任せな行動をとる人
が1人はいるのではないだろうか。
実際僕と共に暮らしている同居人(以下、彼と表す)は例に漏れずそんな特性を持っている。
暮らし始めた時は僕が汚れる度漂白して使っていた掃除ブラシを無言で捨て、どこにある?と聞いたら真っ直ぐ目を見て「汚ねーから捨てた!」と悪気もなく言ったり、自分の周辺に物を散らかす割に机の上にある物は角に揃えて直線的に置いたり、朝4時に掃除機をかけ初めて起こされたりとストレスが溜まる出来事も多くあった。
僕は約1年そんな特性を持つ彼と暮らしてみて
共感力が低く、自分以外の人からどう思われるのかという他人軸に立った考え方がしにくいことが原因なんじゃないかという結論に至った。
言うなれば彼にとっての視点では半径30センチしか見えず、暗中模索で生活しているようなものなのでは無いだろうか。
そう思った時に、罪を憎んで人を憎まずではないが、彼の行動は「共感力が低いこと」が産んだものであり、悪気がある訳じゃないと受け入れられるようになった。
あなたにとって、人として好きだけど振る舞いに納得ができない家族や友人・恋人など、納得できないけど好きだから関わっていきたいという思い・ジレンマがある人は居ないだろうか。
僕にとっての彼も、どんなにムカつく行動をとる人間ではあっても(ここでは長くなるから語らないけど)大事な友達だから僕なりに理解して付き合い続けようと思う存在なのだ。
本題に戻そう。
タイトルにもある「共感できない人との付き合い方」だが、僕が実践している方法は、
相手を責めるのではなく相手が起こしたアクションに対して、自分を主語においてどう思ったかを根気よく伝えることだ。
ポイントは2つ。
「振る舞い」にフォーカスして伝える
共感力が低い人に「相手」を叱責する事を言っても、「この人は自分のことが嫌いだから攻めてきてんだろうな」と思われる。
これでは、関わりが消極的になってしまったりとどちらにも不都合だ。だから相手の「振る舞い」にフォーカスして語るべきだ。
主語を自分に、想いを伝える
「常識」「普通」など母数の大きいものを主語において語っても、相手にとってクリーンヒットしない。だから自分がどう思ったかを軸に語るのがいい。
あなた共に行動する「僕」が「こういう振る舞いをされると嫌な気持ちになる」というモノサシを贈ることが今後の付き合いに対する切符になるのではないだろうか。
これを読んでいる人の中には共感力が強く、好きだけど振る舞いに対してストレスを抱えてしまう多感な人も多くいるのではないだろうか。
お互いが納得して今後に繋がる関係性を築くためのライフハックになればと思う。
ムッと来てしまった時には、言葉や文字にして発散しながら言語化してみると大好きな相手に対する理解が深められるはずだ。
現に今僕はちょっとした彼の振る舞いにムカついてしまったことがきっかけでこのノートを書いている。
書きながらストレスが薄れているので今夜もぐっすり寝られます。
それでは。