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素敵な曲をたくさんありがとう!

はじめに

 今日は、特定のアーティストで好きな曲セレクションをテーマに書かせて頂きます。奇しくも最近にも取り上げた、さユりさんという方です。

 ここで取り上げたのは『ケーキを焼く』という曲。
 少しニッチなお題で選曲したのですが、よく聴いていた曲なので、楽しんで記事を書きました。

 ですが記事投稿した日、実は彼女が亡くなったということを、つい最近、ネットニュースで知りました。
 正直今でも信じられません……。もちろん、私の記事と彼女の死のタイミングが重なったのは偶然です。ただ、今は闘病中でも、いつかまた歌を聴けると信じていたので、永遠に叶わないことが悲しいです。
 まだ28歳だったのに……早過ぎる。

 さユりさんのご冥福をお祈りするとともに、私の好きな曲をご紹介することで、手向けの花とさせて頂きます。この思いが届きますように。

たまたま今回はこのような形で書きますが、私は好きなアーティストがたくさんいるので、今後もいろいろ取り上げシリーズ化する可能性があります。そのときはご了承くださいませ。

※予定は未定です。


心に巣食うもどかしさを毅然と歌う

 歌を聴きながらいろいろ考えたのですが、さユりさんの歌をシンプルに説明するなら、こうかなと思います。

 デビューしてからしばらく続いた、「酸欠少女」という2.5次元ビジョンの歌唱スタイルや、歌のテーマによく使われた「内面の葛藤」や、歌詞そのものから、人としての生き辛さに音楽で向き合ってきたことが感じられます。そんな曲を真っ直ぐで力強く歌っているのがさユりさんなんです。


1曲目『ミカヅキ』

それでも 誰かに見つけて欲しくて
夜空見上げて叫んでいる
逃げ出したいなぁ 逃げ出せない
明るい未来は見えない ねぇ
それでも あなたに見つけて欲しくて
蝶のように舞い上がるの
欠けた翼で飛んだ 醜い星の子ミカヅキ

1番サビ

 メジャーデビュー曲です。アニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のEDでした。10代でこんな曲を作れるのはすごい!

 孤独だと叫ぶ素直な心、そんな心と面影を重ねるミカヅキと蝶が、歌の中から儚い輝きを放ってくるような曲です。がむしゃらに求める姿が思春期の少年少女のようで、私もふと自分のときを思い出したりして……。


2曲目『それは小さな光のような』

 もしかして最も一般認知されている曲かな??
 数々のヒット曲を手掛ける梶浦由記さんによる作曲プロデュース。アニメ『僕だけがいない街』のEDでした。実写映画化もされているので、そこから辿り着いたファンもいるかもしれませんね。

 ノスタルジックな曲調で、傷つき戸惑いながらも、大切な人を守ろうとするアニメ主人公の心情を描いた歌詞です。曲の盛り上がりとさユりさんの凛とした歌声が美しくマッチしています。


3曲目『レイメイ』

 人気バンドMY FIRST STORYとのコラボ曲です。アニメ『ゴールデンカムイ』のOPに起用されました。

 MY FIRST STORYも好きなので、この組み合わせはとてもいい(笑)。ボーカル両者は声質が油と水くらい違うと思いますが、お互いの良さを引き立てるようにマッチしてます。
 カッコ良くて凛々しい曲です!


4曲目『フラレイガール』

私を振ってんじゃないよバカ
振っていいわけがないでしょう
(中略)
もういいから そろそろ
種明かししにきてよ

サビより

『前前前世』などで有名なバンド・Radwimpsのボーカルである野田洋次郎さんがプロデュースした楽曲です。野田ファンが聴けば一発でわかるほど、野田節が利いているのですが、さユりさんは悠々と歌いこなしています。

 急に恋人に振られてしまい、取り残された女性の未練たらたらな想いを歌い上げる内容です。ちなみに蛇足ではありますが、Radwimps『五月蠅』は男性が未練たらたらな曲でして、私は勝手にペアの曲だと思っています。
(『五月蠅』はかなり激しい表現ですが……)

だから最後に伝えさせて 2分でいいから
あなたが好きだったこと とびっきりの「バカヤロウ」

Cメロより

 未練たらたらで、悲しくて辛くて、でもまだ愛しい。
 多くのさユりファンの心情は、まさしくこのフレーズがピッタリなのでしょう。少なくとも私はそうです……。


5曲目『月と花束』

止めることも繋ぐこともできるこの日々を
潜り続けるのは君がいるからだ

サビより

 アニメ『Fate/EXTRA Last Encore』のEDでした。

「自分はどうして生きていくのか?」みたいな漠然とした問いに答えるような歌詞内容です。冒頭の「花をべて 詩を焼べて~」というフレーズのほか、幻想的でいてどこか力強さもある表現が散りばめられています。

 アニメに合わせてでしょうが、さユり曲の中でもダークな世界観だなと思います。ある意味エキセントリックかもしれません。


6曲目『酸欠少女』

揺れて消えて歌っているの 泣きそうな酸欠少女

サビ&歌い出し

 かつてアーティスト名として冠していた「酸欠少女」がタイトルになった曲。セカンドアルバムの表題曲でもあります。

 私は「酸欠少女」は正直、事務所の意向などで付けられた受け狙い的な言葉なのかと思っていました。それは正しいのかは調べてもわからなかったですが、この曲を聴く限り、そうでもなかったのかなって気がします。

 さユりさんが「酸欠少女」に何を見ていたのか、何を感じていたのか、少しだけ分かるような1曲です。少なくとも、何か大切なものはあったんじゃないかと思わせられます。もがきながらも前向きな、そんな曲です。


どうか天国でも歌い続けて

 YouTube動画やニュース記事などのコメント欄を見てみると、たくさんの人が「天国では思いっきり歌ってね」みたいな言葉を書いていました。

 私も心からそう思います。生前は声が出しづらい病にかかっていて、それは完治可能だったかもしれないけれど、歌手であるさユりさんには、とてもつらい現実だったでしょう。どうか安らかに歌っていて欲しいです。

 この記事では6曲をピックアップさせて頂きましたが、本当はまだ足りないくらいあるんです。『平行線』『アノニマス』『航海の唄』なども好きだし、タイアップされていないものの『ケーキを焼く』『BONDAGE』もいい曲だと思います。とにかく聴いて欲しいです。

 聴けば聴くほど、今は切ない気持ちにもなるけれど。

 彼女が残した曲たちに触れることを、私はこれからも大切にしていきたいです。これからも多くの人が聴きますように。


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