掃除とピソのお話。
今日のバルセロナは、朝方雨が降った。
そのためなのか、八時ごろに起床して見上げた空には若干の雲が浮かんでいた。
地面も少しばかり湿っている。
けれど昼過ぎには太陽もすっかりと顔を出して、今日も暑くなるのだろうな。
そう考えた結果、植物ちゃんたちの水やりは夕方にまわすことにした。
けして、朝方雨がふったから、朝のみずやりはまあいいか、面倒くさいし、とか思ったわけではない。
、、、こともなくもなくもない。
それはさておき、今日は、5月20日。バルセロナは祝日だ。スーパーはもちろん、たいていのお店が閉まっている。
※もちろん最近では観光客向けに祝祭日でも開店しているお店もちらほら増えている。特に観光客が多く訪れる地域の個人経営スーパーやカフェテリアやなどは、中華系やパキスタン系の経営だったりするので、年中無休なことがほとんどだ。
ところで、なんの祝日なのだろうと思い、インターネットで検索した。
『Lunes de Pentecostes』
というキリスト教とユダヤ教の両方で祝われる祭日、らしい。
参照:『El Mundo』 Lunes de Pentecostés:
https://www.elmundo.es/como/2024/05/20/664b0bedfdddff1a4c8b4577.html
祝祭日がキリスト教に関係しているあたり、スペインはキリスト教が国の宗教なのだなあと改めて感じる。
ただし、生活するうえではあんまりキリスト教の国だなあという感覚はしない。
せいぜい、神社仏閣のかわりに教会がある、ということくらいだ。
そんなわけで今日は図書館も祝日で閉館している。
図書館に行けないので、今日は週に一回のおうち掃除の日、になった。
スペイン在住者からしてみれば、わたしのおうちは「とても小さい」らしいのだが、日本で10年以上一人暮らしをしてきた中で、今のおうちほど広い部屋に住んだことなど、ない。
Estudioというワンルームタイプの部屋で、キッチンとシャワートイレがついていて、約30平米。
日本に住んでいた時、こんなにも広い部屋にすんだことなどなかった。
一人暮らしのわたしにはちょうどいい広さだ、むしろ広すぎて掃除が面倒くさい。
そもそも、日本にいた時に『汚部屋』住人だったのだ。
広すぎてもものを散らかしてしまうばかりになってしまう。
そもそも、収納スペースもそんなあるわけではないのだ。
だから定期的にものを捨てるようにはしている。
全く使用しなかった、『アイスクリームメーカー』とか。
全く使用しなかった、『小型暖房機』とか。
余談だが、スペインにきてやっと、ちゃんとしたベッドで寝る、という生活をしている気がする。
日本にいた時はベッドを持っていなかったから、基本的に床にマットを敷いてその上で寝ていた。直敷マットの寝床だった。
押し入れのあるアパートに住んでいたときは、押し入れの中に布団を敷いて寝ていた。
足を延ばすと押し入れの壁に当たるので、押し入れの扉を少し開けてその隙間から足先を出していた。
某国民的猫型ロボットの再現。
というのも、私自身の収納能力の欠如という問題により、直敷マットの寝床すら作れないような状況に陥っていたからだ。
今思い返しても、「何がどうしてどうなって、足の踏み場がない状況を作り出していたんだろう」と可笑しくなる。
東京に移ってからは、職場の寮を借りたりもしていたけれど、自分でマンションを探して借りてからは、ロフトベッドで寝ていた。
もちろん、足の踏み場が見えない床、だったということもあるが、そもそも部屋自体が狭くてベッドを置くスペースがなかったのだ。
そんな掃除のやり方がわからない収納能力皆無の自分にとって、いまの30平米でさえ面倒くさいと思うのに、ほかの人々は掃除に対してどのようにお考えであるのか、めんどくさいとは思わないのだろうか。
※割合はわかりませんが、週一で掃除代行依頼をしているピソもあるみたいです。
日本でいえば、家事代行サービスの掃除特化みたいな感じですかね。
街中では、仕事探していますの張り紙をよく見かけます。電話番号と名前と仕事内容が書いてあるので、個人で家事代行の仕事をしている方も結構いるようです。
※ベビーシッター(Canguro/a、といいます。カンガルーはお腹のポケットに子供を入れて育てることからきた、、、はず。)
※高齢者の付き添いを仕事にしている方もいらっしゃいます。
スペインのピソ(※集合住宅、アパート、マンションのこと)は、一般的に、3、4部屋とあり、3、4人くらいでルームシェアするのが一般的のようです。
学生などが部屋を探そう!と考える場合、まず、『ピソコンパルティード』(Piso compartido)の、空いている『部屋』(Habitacion)を探します。
最近はどうなのかわからないが一人暮らし用のピソはそれほど多くはないし、複数の部屋があるピソを複数人でシェアして生活するのが一般的、のようです。
もちろん、子供がいる家族なんかは、一家族で生活しているけれど、結構な割合で、空いている部屋を留学生や単身者に貸し出している家族もいます。
※かくいうわたしも、最初は複数人のルームシェア生活から始まり、紆余曲折を経て、イタリア人家族が住むピソで小さな部屋を借り(自分専用シャワー付きだったから)、今ようやっとひとり暮らしを満喫しています。
※もちろん、ルームシェアのほうが家賃は安く抑えられます。光熱費も割り勘だったりします。
※ルームメイトがペットを飼っていたり、しかもでかいワンちゃんだったりすると大変な目にあうので、部屋を探すときは家賃だけではなく、入居条件やルームメイトについてよく調べて、ピソ契約者(代表というかリーダー的な方)としっかり相談しましょう。
参照:『idealista』 物件探しのド定番サイト
https://www.idealista.com/alquiler-habitacion/barcelona-barcelona/
そもそもなぜルームシェアが一般的なのかというと、バルセロナは家賃がものすごく高いから、と言われています。
ちなみに夫婦でも共働きは当たり前です。
3,4部屋あるピソだと1200ユーロから2000ユーロくらいします。
※場所によりけりだったりもします。
あと、給料が安いから、というわれています。
一応、最低賃金上がってはいるようなのですが、それでも1400ユーロから1600ユーロくらいではなかろうかと。
※語学学校の教師が、『毎月3000ユーロの稼ぎがあれば人生ハッピーだよ』と話していました。
そりゃそんな広いピソにすんだら、家賃だけで生活できなくなるよね。
だからといって、一部屋か二部屋しかないピソであっても、立地や条件によっては1000ユーロを超えます。
そのため、結婚してもルームシェアのピソに住み続けるカップルも少なくないとか。
日本みたいに、就職したら実家をでて一人暮らしを始める、なんてことは簡単ではないくらいに、家賃が高い。
だから、就職しても実家で生活する人は少なくないし、実家を出たとしても、だいたいルームシェアをする。
※ルームシェア先の部屋を探す専門のアプリやサイトもあります。
参照:『badi』 ルームシェアのお部屋探しが専門のはずのサイトです。AirB&Bと似ていますが、こちらは観光客というより『住人』向けです、たおらく。
https://badi.com/cities/es/alquilar-habitacion/barcelona
バルセロナは毎年家賃があがっています。
もともとバルセロナに住んでいた住民が住み続けられなくなるくらいの高騰率だという話も聞いたことがあります。
利便性のよい中心地には、外国人の若い家族が住むようになってきたりと、バルセロナ外からの外国人移住者も増えているようです。
わたしも今の部屋に住んでからかなり家賃上がりました。
正直、めちゃくちゃ厳しいです。
でももうルームシェアには戻れません。
なぜならば、どれだけ部屋の掃除をさぼっても怒られないし、『収納』能力が欠如していて部屋がごっちゃごちゃしていても文句を言う人はいないし、なによりも、自分の好きな時間にキッチンが使えて、好きなだけ『お肉』を煮込みまくれますからね。
※現在はちゃんと、『足の踏み場がある』床が見える生活ができています。自分偉い。自分すごい。自分頑張ってる。
オーブンがないことだけがちょっと残念ですが、ピザが食べたいときはフライパンで代用します。
けれどホームベーカリーを買ってしまったので、オーブンがなくてもパンは作れます。
※今のホームベーカリーさんは2代目です。1代目ホームベーカリーさんは、材料の分量入れすぎたために、焼いている間に膨らみすぎて容器からパン生地が溢れてしまって、内部を焦がしました。真っ黒になりました。掃除が大変でした。それが最初に焼いた時です。その後きちんと計量器を買いました。パン作りも、お菓子作りも、分量は正確に計りましょう。
※最初に大失敗して焦がした後も、2,3回ホームベーカリーの内部を焦がす事態を引き起こしたために、1代目はあっという間に天寿を全うされました。とんでもない労働環境に陥れてしまいました。
そんなわけで今日は掃除とピソのお話でした。