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応用情報に駆け込んだ 午後の前半編
10月13日の昼下がり。鬼門の午後の部に挑んだ。
まずは準備をする
午後の部は鬼門だ。だから余計な負担は極力減らしておきたい。
なので、とにもかくにもトイレに行っておいた。トイレの数がいくら少ないからって四六時中満員御礼というわけではない。機を見計らえばちゃんと用が足せる。
すっきりしたら席に着く。筆記用具を出す。午前はマークシートだったので太めの芯を使ったけど今度は筆記だ。太さはいらない。午後用に準備した0.5mm 芯のシャープを並べる。メインで使うペンは2本。使い良さもあるけど気持ちを高めるには見ためも大事だと思う。こいつらはグリップには凹凸がある。緊張して汗ばんだ手でも滑らない。「滑らない」は大事なので2回書きます。滑らない。
消しゴムはよくあるMONO。ペンのほうを尖らせたから消しゴムは昔なじみでほっこりするやつにいてもらった。といっても最近は年に1、2回使う程度じゃないだろうか?昔の100均消しゴムなんかだとかっすかすになっているかもしれない。紙が破れるやつ。
普段はキーボードばかりなので手書きはほんとうに辛い。だからシャープペンや消しゴムは数日前から使い込んだほうがいい。手を馴染ませておかないと痛くなると思う。消しゴムで消すのだって下手すると的がずれる。しかも削りカスが出る感覚も忘れている。こういうストレスに慣れておけば試験の間に削られるのは自分ではなく消しゴムだけで済む。うまい。
注意事項の説明を聞く
さて開始15分前になれば午後の説明が始まる。これも事前に通知されたり公式サイトに出てたりする内容を淡々と読み上げるだけなので聞き流せばいい。いいんだけどうるさい。鼻ズビズビ君がずびずびびびやっている。ちなみに午前は注意を聞いた受験生が一斉にバッグの開け閉めをするのでもっとうるさい。たいていジッパー(チャック?は?ファスナーっつうんですか?)をじぱじぱやって説明員の声をかき消す。
その間に解答用紙が配られる。これは目にする機会があまり無いんじゃないか?A3(だったと思う)の横長で受験番号と生年月日を書く欄が左のサイドバーみたいな部分に設けられている。そして気になる問題の選択欄がその下にある。右じゃない。問題用紙の表紙はIPAの過去問題にも出ている。それを見てきたからなんとなくイメージは右だったけど実際は左下にだった。どうでもいいようなことかもしれないけど。
配られた問題用紙からは午後に臨むにあたって重要な手がかりが得られる。表裏に印刷された解答の枠線だ。どの問題が文章でどの問題は記号や単語が多いかボリューム感が掴める。全体を眺めてどれをやると時間がかかりそうかあたりを付けられる。ちなみに字句制限のある解答欄はマス目で区切ってある。書いている間に〼が足りなくなって消しては書き直す。そんなことを繰り返した。
それと問題の選択欄へ解答した問題には◯印を付けないといけないのは何度も注意される。逆に解答用紙に答えを書き込んでも◯さえ付けなければ採点されない(はず)。問題の中にはやってみないとわからないうやつもある。だから、ちょっと齧ってダメだなと思ったら書きかけでも止められる。一文丸々解答しておいて最後に◯を付けるか付けないかで選ぶこともできる。優柔不断なあなたにぴったりな仕組みになっている。
午後の試験が始まる
午後の問題用紙を開くと各問題ごとのテーマの表がある。ざっと眺めて威圧されそうになった。昔から初見に弱い。そこを堪えて候補を追った。
選ぶかどうしようか悩んでいた組込みシステム開発は「スマートイヤホン」だった。過去問ではどっちかって言うと機械よりだったのが一気におしゃれになってしまった。おしゃんは苦手なのでとりあえず後回しにした。もう一つ悩んでいたシステム監査も「チャットボット導入における開発計画の監査」でこっちも先端を行っている。これは見てからにしようと思った。実際には開始直後ではないものの時間の早い間に問題用紙をめくって設問を見た。システム監査は最後の問題だから裏表紙から開けばすぐに設問がある。すると今回は穴埋めばかりだったのでとにかく解答だけ書くことにした。内容がAIの学習の話で慣れもあったのでこれは当たりだったと思う。
この「問題が問題冊子のどこにあるか」問題は試験中かなり効いてくる。文章や図の見かけにメリハリがないのでもう1回見返そうって時にべらべらめくることになる。目次もない(初っ端の問題一覧にはページ数が書いてない)。これは事前に紙を使ってなかったからか思いのほか疲れた。
さて他の選択肢だと、情報システム開発は「オブジェクト指向設計」。と、テーマに書いてあったのにもかかわらず、解き始めてから「これってオブジェクト指向じゃん!」とあたかも自分だけが気づいたような錯覚に陥った。この謎めいた優越感は最終的に問題を選ぶ時にも悪い方に影響したかもしれない。
サービスマネジメントは「サービスデスクの立上げ」だった。ここからは何も得られるものがなかった。
システムアーキテクチャは試験前からあなたを選ぶつもりでここに参りました。僕と仲良くしてください。ごめんなさい。とはならず比較的すんなり受け入れてもらった気がする。テーマは「データ処理機能の配置」と書いてある。これだけだとわからないが実際には動画配信のサーバ構成みたいな話だった。
ちなみに最初から捨てていたプログラミングは「素数を列挙するアルゴリズム」。字面が難しい。素数って暗号に使うやつじゃん。もしかして問題文から暗号なの?列挙アルゴリズムを問われてるんですけど。
未練のあったデータベースは「トレーディングカードの個人間売買サイトの構築」。テーマ自体の文字数多い。転売ヤー向けかよ(これは今思いつきました)。
プロジェクトマネジメントは「電気機器メーカーの新たなプロジェクト」。これも今気づいたけど選んだらできたかもしれない。長文の設問も本文の抜き出しばかりだった。どちらにせよ後の祭り。わっしょいわっしょいと。
経営戦略は「コーヒーチェーン店の成長戦略」。これはやらなくて良かった。設定(問題の最初に書かれてるやつ)の最後にちょろっとある「兼務している」をちゃんと読める人だけが通れる狭き門だった。門をくぐった問題をちゃんと読める人の「え?これ楽勝でしょ?」というリフレインが聞こえる。
問1「セキュリティ」に取り組む
おおよその見当を付けたところで、とにかくまずセキュリティ。1問目のハッシュの特性を書けたと思ったら次の「セキュリティの3要素」でつまずいた。なんとなく内容は知っている。「バラさない。ちゃんとする。でも使えるようにはしとく」だ(「気密性」「完全性」「可用性」です)。でも名前は覚えていない。なんとか性。「性」は覚えてる。でも「機密」と「秘密」で迷って後者を選んだ。機密なんて。政治が悪い。そもそもいったいどこで決まってるんだよ、「3要素」とか言ってるけど。答え:ISO/IEC 27000もしくはJIS Q 27000:2019ほか各種たくさん。こういうのは一瞥でもいいからチラ見しておくんだった。
3.28
information security
preservation of confidentiality (3.10), integrity (3.36) and availability (3.7) of information
Note 1 to entry: In addition, other properties, such as authenticity (3.6), accountability, non-repudiation (3.48), and reliability (3.55) can also be involved.
https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso-iec:27000:ed-5:v1:en
記号の穴埋めは切り抜けて(本当は1つ間違えていた)次のハッシュ値を選ぶところでまた迷った。レインボーテーブルの概要は知っていてもやり方は知らない。ハッカーじゃねーし。そして余計なことを考えた。レインボーってパスワードからハッシュ値を作っておいてそのテーブルで逆引きするんだから並んでるわけだよね?だとしたら並んでるやつが危ないじゃん。順番に並んでんだから。でもそこから先が気付けなかった。「会員番号」はパスワードじゃない。いかに冷静さを失っていたか、論理的な思考ができなかったか思い返すとよくわかる。
その次のペッパーにもしびれた。いやまじで。過去問でソルトは覚えたけど味付けきつくなってんじゃん。そして今これを書きながら嫌なことに気づいてしまった。ここは確実に間違えた。ソルトを会員が決める前提で答えを書いちゃった。ソルトもペッパーも会員は知らない。ペッパーは保管が厳重なだけ。
最後のパスワードのパターン数は指数の4を数えるのに6字から「7字だろ、8字だろ」と10字まで指を折った。盛っていない。本当にやった(恥ずかしいからやめろよ)。でもできた。
そんなわけで今となればメタメタなセキュリティだけど試験中はアドレナリンなのか変な汁なのかわからないが出ていたので乗り切ったつもりでいた。この何となくでもできた気でいるのは大事だと思う。
と、書いておきながら一方で1問目から早くも解答の仕方が雑になっていた。最初は文字数制限の文章問題は問題用紙に書いて確かめてから答案用紙に書き写すつもりだった。その余裕が消えてしまった。おそらく3要素とペッパーがかっちりできなかったせいだと思う。
自己採点(あちこち平均):7.0点。
自己矛盾モード全開で次の問題に臨んだ。
意外と教室を出入りする人がいることに気づく
最初の問題を解いている間のことだが、時折「ひそひそ」と喋る声が聞こえる。机に向かったままだし遠くは見えないからよくわからないが、どうやら退室したいと言っているらしい。まだ午後の部は始まったばかりだ。どうしたんだろう?少し気が散るってのもあったけど意外な気分だった。
問題冊子の裏表紙、その一番最後にある注意書きには「トイレに行きたくなっったり、気分が悪くなったりした場合は」というやつがある。おそらくトイレだったんだろう。時間を置かずにまた入室して席に着いた感じもあったから。
これもなんとなくだけど出入りしたのは数人いて女子だったと思う。用を済ませようとしたのが午後の開始間際でトイレが混雑してたのかもしれない。下世話な話だけど切実なんだよ、これ。
それと午後になったら人が減るかもしれないと思っていた。IPAの統計でも午後の受験者数は午前に比べて少なくなっていた思う。でも自分が割り振られた教室ではそんな雰囲気はなかった。きっと優秀な人ばかりが集められて、なんなら推薦合格的な扱いが決まってるんだろう。いいじゃないか、妄想したって…
問4「システムアーキテクチャ」を決め打ちする
2問目は最初から決めていたシステムアーキテクチャをやった。決め打ちがいいかどうかわからないけど2問ぐらい解いておいて残りの3問をどうするか方針を考えるのが自分的には性に合っている。
最初の整数演算を選べってのにはとまどった。え?これって整数のやつを選べばいいの?ひっかけ問題?何か裏があるの?よくわかんないけど浮動小数点的な何か?で、何も無かった。単純に整数の式を選べばいいだけだった。セキュリティのレインボー攻撃もそうだったが考えすぎると良くない。素直になりたい。
次は5問連続で計算問題。割り算。筆算でやった。たぶん昔だったら暗算で答えられたと思う。でももう無理だ。書いとかないと。その筆算も拙くなっている。事前に練習してなかったらぐちゃぐちゃになっていた。
それと計算の元になるデータが問題の中に散りばめられていてそれを拾い集めないといけない。単位と桁を間違ったらおじゃんでおじゃる。設問もよく読まないと整数で答えるのか小数でも何位でどうするのかが違う。いやらしいのは「小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ」って書いてあったのにはじめっから第2位なんかまでありませんでしたからね。不安にさせないでください。
その次の2問と最後の問題はシステム設計の考え方を問う文章問題だった。これは解答速報を出した予備校ごとでも少しずつ違う。そもそも設計方針だからどうしたって考える人によってぶれる。こういうやつの採点はもしかしたらIPAの中でもあーでもないこーでもないってやるのかもしれない。実際に午後のIPA模範解答が出るのは受験日からは2カ月後、結果発表の2日前になる。おそらく後出しジャンケンの要素もあるんだろう。
次はスケールの穴埋めでこれはガチガチに答えが決まる。サービス問題だと思う(けど)。午前でも出そうなスケールがアウトかインかアップかダウンかを問うやつ。台数ならアウト(イン)、積むのはアップ(ダウン)。OK, Girls! One, Tow, Three, Four!
自己採点(あちこち平均):18.9点。
ここまでやって時間は何とかなりそうな気はした。ただ体がね。痛いんだよ。
つづく
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