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マニュアル運営のヒント-episode0-

こちらはnote全文公開になります。
冊子用に作成し、note用に画像などを調整しましたが、見にくい場合はBOOTHにて冊子購入かDL購入お願いします!
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はじめに



うさぎさんが、前任者から作業を引き継いだとき、マニュアルがあればよかったのですが、引き継ぎは口頭説明でした。
さて、これからどうやってマニュアルを作成していくか…うさぎさんを応援してください!
今回は、全体的な運用の仕方を本にしました!


ごあいさつ

操作マニュアル、手順書、組み立て手順書など、マニュアルといっても種類は多岐にわたります。
今回、あなたが作成するマニュアルはどれでしょうか。各マニュアルの作成方法は異なりますが、『マニュアル制作とは何か』という根本の部分は変わりません。

本書は、マニュアルを作成する前の「心構え」や「環境づくり」、「マニュアル運用とはどういうものか」をお伝えする本になっています。
具体的なマニュアルの作成方法は次回作成する予定です!

私は、取扱説明書のイラスト、テクニカルイラストレーターという職業を世に知ってもらう(そして単価アップ↑)ために活動していますが、「操作マニュアルの作り方を知りたい」「手順書の作り方を知りたい」と直接言われることが本当に多いです。

しかし、マニュアルを作成する前の心構えを知っておかないと、完成できなかったり、自分が何をしているかわからなくなったり、最悪上司に怒られたり査定に響いたりしてしまいます!
作業を効率よく進めるためのマニュアル作成なのに、それでは悲劇すぎます。
この本を通してマニュアル作成に臨む姿勢を共有できたらいいなと思います。
すみません、当たり前のことしかかいていません!

なぜマニュアルは必要なの?!

  • 作業の統一化・誰でもできる

  • 作業の整理、見直しができる

  • 引継ぎがしやすい

  • 効率化


マニュアルがない場合・ある場合


マニュアル、つくれそう?


「この本でマニュアルの根本がわかるんじゃないの?」とツッコミを入れた方もいると思います。しかし、最後まで作れなかったり、異様に時間がかかったり、業務に支障が出てしまったりするなど問題が発生すると、一生マニュアルは作れず、口頭伝達だけでいつしか大きなミスを引き起こしてしまいます。(場合によっては死亡事故だってあり得ます)

そんな時は、マニュアル制作会社に委託しましょう。

「えー、高くなるのでは?」と思うかもしれませんが、月給20万円の社員の時間を3カ月使うより、プロに十数万円で委託したほうが後々良かったりします(「マニュアル作れない!」と退職してしまう可能性もあります。これでは人手不足が加速してしまいます)。
外部に委託する選択肢があるだけでも、少し心が軽くなるのではないでしょうか。※外部に委託する場合、立会いは必要です。

今回は、機械操作に一番詳しいうさぎさんが機械操作のマニュアルを作ります。マニュアル作りは新人にやらせるものではなく、その機械やサービスを運営し、熟知している人が作るべきものです。わからないのに作れるわけがありません。

マニュアル作成フロー

先にマニュアル作成フローをお見せします。マニュアル制作は一人で行うものではなく、みんなでつくるものです。

初めて作業する人と一緒にマニュアルを見ながら操作しつつ説明しましょう。経験者が見落としている部分を拾ってくれることがあります。変更があった場合は、マニュアルをすぐに更新し、役目が終わるまで管理し続けましょう!

マニュアルは一度作成したら終わりではありません。日々の運用・チェックと更新が必要です。

マニュアル作成の前に確認!


媒体は、運用しやすいものを使用しましょう※P27を参照してください

何のためのマニュアルか決めよう!

マニュアルを見ることによって何ができるか・できるようになるか決めましょう。ここを決めておかないと、枚数が多くなったり結局何を伝えたいのかわからないマニュアルになってしまいます。

  • 機械を操作できるようになる!

  • クレーム対応ができるようになる!

  • 独自ソフトの操作方法がわかる! など


目に見える共有をしよう!


口頭のみでの説明は本当に難しいです。人に伝えるときは口頭だけではなく、資料を用意しましょう。

資料をつくる時間はかかりますが、コミュニケーションの時間とストレスが減ります

マニュアルのゴールって?

マニュアルのゴールを考えたことはありますか?
マニュアルは、最終的に見なくなってもかまいません。しかし、『作ったのに運用されないで終わる』ではなく、『必要じゃなくなったので見なくなった』が理想です。

  • 仕様が変わったので役目を終えた

  • 自動化したので役目を終えた

  • 機械・サービスが終了したので役目を終えた など




自分が「このマニュアルはもう使わないだろう」と考えても、必要としている人がいるかもしれません。その逆もあり得ます。一人で判断せず、検討会を開く必要がない場合でも上司や同僚、後輩に聞いてみましょう。

  • 現行マニュアルを使い続けてもいいか

  • 使いにくいところはないか

  • 見直したいから一緒に確認してほしい など


マニュアル作成で効率アップ

  • 作業の洗い出しができる

  • 洗い出すことによって、作業の取捨選択ができる

  • 何かすげぇ作業量!給料アップの交渉資料になる

  • 資料(マニュアル)があることで提案しやすい など


マニュアルを作成することにより、業務の指導時間が大幅に減ります。
教える時間が一人あたり30分必要な場合、マニュアルがあれば30分×人数分の時間節約ができますし、毎回教える内容が同じになり業務の平均化ができます。

いぬさんは、Cの前にAの確認作業をしないで作業することになります。
これでは、人によって作業にばらつきが出てしまいます。

これ、自動化できそう…

作業中は気づかないのですが、文章に落とし込んでみると気づいてしまうことがあります。

マニュアルを他グループにも共有して、効率アップ!

運用されないとアンチに⁈

マニュアル制作での最悪な流れを共有します。

  • 一人でつくりっぱなし

  • 人に見せない・共有しない

  • 運用しない

何の為にマニュアルを作るのか決めていないと、こうなりがち…

作ったマニュアルが運用されないと
二度とマニュアルを作ってくれなくなり、
マニュアル否定派になります。

アンチにならない・しないために

作っている人を一人にしないこと!一人にならないようにしましょう!

  • 一人でつくらない

  • 人に見せる・共有する

  • 運用する・意見をつのる




マニュアルの作成は、学校で習うことはありません。だからこそ、初めて作る人は何がわからないのかを自身で特定することが難しく、不安を抱えてしまうことがあります。初回は特に気にかけて、都度声をかけてみましょう。

ねこさんはできる上司ですが、できない上司は指示したことを言いっぱなしにして忘れることが多いです。その都度捕まえて進捗を伝えましょう。いつかだれか認めてれてるはず…とは考えず、積極的にアピールしましょう。伝えなければ、伝わらないことは多いですよ。
アピールしているのに評価されない場合は、手段が間違っているかも?
会社や上司と相性が悪いのかもしれません…。

頭にいれておいてほしいこと

マニュアルは、作れば作るほど上手になります。最初からうまくできることは稀だと頭に入れておいてください。少し気持ちが楽になるでしょうか。
初回は何とか完成まで持ち込み、とにかく運用まで達成しましょう!運用中にアップデートしていけば良いのです。


文章力が必要

マニュアルつくりは、「文章が書ける」が重要!短く簡潔にまとめるスキルが必要です。

マニュアルとして機能していれば、箇条書きでも問題ありません。

赤入れは否定ではない

チェックを頼んだ時の赤入れ戻りの受け止め方についてです。

赤入れは、否定ではありません。
今よりもっと良くなる赤入れ!
と受け止めましょう。


自分が赤入れする立場になれば
また違う見え方になるかもしれません。


何を伝えたいかわからないマニュアルに多い原因は、これ。

余計な情報は、見る人が見ればすぐに見抜かれます。
見抜けなくても「このマニュアルはわかりにくいな」と感じるでしょう。

ご自身が一番わかっていると思います。

いらない作業・無駄な情報は

いれない・のせない・におわせない

を徹底してください。

絶対に不要な情報は、無理に理由付けしてねじ込まないでください。
これは、マニュアル作成のプロフェッショナルでさえ、たまに行ってしまうことです。自分を抑え、注意しながら作成しましょう。

いらない情報が多いマニュアルは運用されない傾向にあります。
だって、見ても意味ないですから。

当たり前を疑おう

その「当たり前」はどこを基準にしたのでしょうか。
「会社の当たり前」はその会社だけの当たり前ですし、「自分の当たり前」は自分自身だけで成立しているものかもしれません。当たり前と思うことほど、見落としてしまいます。
「これは社内では当たり前だけど、社外だとどうだろう…」と考える時間を少し設けてみてください。


あたりまえは、見落としがち。

「当たり前」「ふつう」は、なるべく言わない

人によって「当たり前」や「ふつう」の基準は違います。
勤務年数10年と3年では、見えている世界が違うと思います。「当たり前」・「出来てて当然」と要求するのは、少し横暴だと感じます。
「当たり前」・「ふつう」は「基準に満たしていない」「使えない」ととらえられ、人を傷つけます。

「自分の時は出来ていた」ことが出来なくても、その人はあなたより他の何かが優れているのかもしれません。コミュニケーションをする相手に敬意を持って接しましょう。性格が悪い人だと、あとでとんでもない仕返しが来るかもしれません。(例:こんなこともできないんですか?とブーメランされる等)

メモはさせない

マニュアルを渡して説明するとメモをとる人がいますが、それはやめてください。それがマニュアルに足りない重要事項だったらマニュアル制作者に報告してマニュアルを更新してもらってください。

メモをとるのはいい心がけです。しかし、人によりマニュアルの内容が違うのは、業務の平均化になりません。
メモをするときは、制作者に相談しましょう。


注意を「否定」ととらえる人いるのですが、否定というのは、 あなたの存在や心、考えを無いものにするふるまいです。 「注意」「否定」「怒られる」は、まったく違います。 ひとくくりにしないよう、一度深呼吸してみてください。

ここに気を付けよう!

マニュアル制作全体を通して気を付けてほしいことをお伝えします。

  • 視線移動を極力なくす

  • 50代以上が見るときは字をでかくする

  • 手軽、そして気軽に

視線移動を極力なくす

パソコン作業は命に関わることは少ないですが、できるだけ視線の移動は減らしましょう。都度顔を動かすのは疲れますし手間です。
他に方法がない場合は仕方ありませんが、手間はできるだけ少なく。を心がけてください。

紙だと頭を上下に動かすが、データだと視線移動だけで済みます。

組み立てマニュアルの場合、対象物から目を離してしまうと重大な事故がおこる可能性があります。作業台をマニュアル化してみてはいかがでしょうか。

文字を読んでしまうので、部品を置いたら文字が見えないようにするなど現場ごとに工夫しよう。

コラム:『5S』知ってますか?

これは、職場環境の改善や維持のために用いられるスローガンで、主に製造業やサービス業で利用されています。
なぜ『5S』の話をするのかというと、整理整頓がされていないと作業効率が悪くなるからです。

上記の机は作業順に何をどこに置くか決め、順番を考えなくても作業ができるようになっています。何をどこに置くか決めず、毎日その場の思いつきで作業をしているとミスが頻発してしまいます。
ミスを防ぐためには、何がどこにあるか、どこにあるべきか、常に「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾(しつけ)」を意識し、行動しましょう。

作業場や机の上が物であふれているということは、物の管理場所が決まっていない、あるいは決まっていても戻せない、管理ができていない人という意味です。


50代以上が見るときは字をでかくする

マニュアルは枚数を少なく、コンパクトにしたい気持ちもわかりますが…。

文字を大きめにしよう
大きく印刷しよう


文字が小さかったり見にくかったりすると、見るのが面倒になり運用されないかもしれません。大きくて邪魔。無駄。と感じるかもしれないですが、50代以上と接してきて文字の大きさは死活問題だと感じました。

気軽・手軽に

マニュアルは簡単にアクセスでき、そのマニュアルを見る際の準備も少なくし、手軽さ、気軽さ、そして簡単さを意識しましょう。簡単に…それが一番むずかしいんですけどね…。

作る人の性格や立場によって内容が変わるから面白くもあります。
ここは、会社の色で調整していきましょう。

管理場所は一か所にまとめる

マニュアル類の元データの保管・管理場所は一カ所に集めましょう。マニュアルは一度作成したからといって終わりではありません。元データを一カ所にまとめ、誰でもアクセス・印刷できるようにしましょう。

マニュアルを修正するのは、作成した人だけ。マニュアルを更新できる人を限定しましょう。複数人で運用していると、更新したか否か、また、更新したはずなのに以前のデータに戻っている!といった問題が発生します。

部署を異動するときは、きちんと後任を指定してから異動し、マニュアルの更新が途切れないように心掛けましょう。

頼んだマニュアルができたら

マニュアル作成は、文章作成能力、他者を巻き込むスキル、修正・更新を行う維持管理など、さまざまな技能とコミュニケーション能力が必要とされます。

もしも完成したら、ぜひ褒めてください!

「きちんとまとまっていますね」「作成が速いですね!」「依頼して良かった」といった言葉をかけてください。マニュアルは、その作業を十分に理解していなければ作成できません。それに加え、なかなか業務と認識されにくい存在でもあります。それなのに間違いがあると怒られる…。なかなか報われない業務だと感じています。

作成した人は褒められたら、その言葉をしっかり受け止めてください。謙遜は不要です。マニュアル作成は本当に誇るべき業務です。

私個人の意見とはなりますが、褒められたことを素直に受け入れることで、初めて経験値がたまる感じがします。否定や謙遜をすると、今回の経験値が得られないとも感じます。受け入れることが苦手な人は、「あー、今まさに経験値がたまっているな!」と思うことで、受け入れられませんか。

依頼した人も作った人も
マニュアル制作は当たり前だと思わないこと!

受け入れるとき、なんて言っていいかわからない人、以下の言葉を参考にしてみてください。

「ありがとうございます!」「うれしいこと言ってくれますね!」「そのことばで頑張れそうです!」「はげみになります!」

謙遜と否定って、褒めてくれた人も否定している気がするんですよね。結局自分のことしか考えていないと感じます。褒められたらしっかり受け止めてください!

役目を終えたマニュアル、捨てないで!

役目を終えたマニュアルは捨てずに残しておきましょう。
なぜなら、改善をし続けると一周回って同じマニュアルが必要になることもあります。そのときは、前に作ったマニュアルを改定すれば大丈夫です!
あとで読み返すと、自分の成長具合が目に見えてわかります。
マニュアルを作った当時より知識やスキルが上がるので、「ここはこう書いたほうがより分かりやすい」とマニュアルの改善箇所が自然と見えてくることがあります。
見えてこない場合は、完璧なマニュアルだったということです。
定期的に読み返して自己肯定感を上げましょう。

おわりに


「こんなにうまくいくわけねーよ!」と思う人、いるかもしれません。たしかに、うさぎさんは会社や周りの環境に恵まれています。

でも、こういう会社もあるんです!(筆者が一番実感しています)

マニュアルが作れるって、ほんとーーーーーーに誇れるスキルです。向き・不向きもありますので、無理しないでくださいね!不向きな人は、そのマニュアルで現場をひっかきまわす恐れがあるので、「自分には向いていない。厳しい」と感じたら手を引いてもらえるとありがたいです!辛辣でごめんなさい!

次回作る際は、今回作ったフォーマットで作成していけば、統一感が出て管理もしやすくなります。毎回デザインを変える必要はありません。
それでは、この本で良いマニュアル制作の生活が送れますように!

マニュアルの種類・例

マニュアルは紙だけではありません。みんなで話し合って運用方法を決めてください。

いずれも元データや原本は一か所に管理してください。 みんなで話し合って運用してください。


2024年7月発行

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