コンペを狙うときに考えていたこと①【甍賞 佳作】
こんにちは。最近は少し暖かくなってきましたね。僕はスノーボードが好きで今シーズンは10回滑走を目標にしているのですが、ギリギリ達成できるかどうか、という感じです。
この季節は新年度への切り替え準備的な雰囲気を毎年感じています。今でこそコンペを二桁取りましたが、昔は全然で。それこそ学部三年の三月とかは(設計課題ボロボロだったのが悔しすぎて)修行僧みたいな生活してましたね。ひたすら過去の受賞作品を分析しまくる、人とは会わない、引きこもりみたいな。(笑)(セルフ自粛生活でした)
今回この記事を書こうと思ったのは、そんな新年度に向けて今年一年を清算(振り返りを)しようと思ったからです。部屋の中に当時のコンペのエスキス資料やら何やら沢山残っているのですが、捨てようにもただ捨てるのももったいないしなあ、過去の自分なら欲しがるだろうしなあ、という思いで備忘録として残そうと思いました。
また、これからコンペを取りたいなあと思っている後輩がたまたまこの記事を見て何かをつかむきっかけになればいいなと思います。(この記事の内容はあくまでも個人の意見や感想なのでノークレームでお願いします。考え方は人それぞれだと思います。あ、感想や質問は大丈夫です。)
甍賞
結果:佳作
課題「新しい瓦が生み出す未来の日本」
製作期間:三週間くらい?
①アイデア出し(1日)
課題文を見てから作品のアイデアを決めるまでにそこまで掛かりませんでした。課題文見た瞬間、「あっ、こんなん出したらいけるかも」って思って、コンペめっちゃ取ってる知り合いに相談したら「いけるんじゃね」って言われたので迷いなく作り始めたのを覚えています。
(課題文見て瞬発的にアイデア出せるようになるまでに僕は結構色々トレーニングしたんですけど、それをここで話すと長くなりすぎるのでまた別の機会に記事にしようと思います。)
アイデアの内容なのですが、「水に溶ける貝殻廃材を素材にした瓦を作って水中に人にも生物にもメリットのあるランドスケープ作ろうぜ」みたいな提案でした。課題文に「新たな瓦」と書いてあったので、他の人が出してこないような瓦を考えていくうちに「溶けたらどうなんだろう?」と思い至りました。たぶん、「新たな瓦」って言われても難しいので、出てくる案は性質としては既にある瓦と同じものを用いて、使い方を工夫する作品が多くなるだろうと予想していました。なので、僕は性質の面で他との差異化を図ろうと思いました。かつ、人間しか使っていない瓦が水中生物にも良い影響を与えたら?水質改善が行われていったら?みたいなことを連鎖的に考えて案を作っていきました。
②メインビジュアル決め・過去の受賞作品分析(3日)
当時、他のコンペキラーの方の記事を見ていて「メインビジュアルが画面の7割を占める、これに力を入れよ」という記事があったので、「なるほど」と思いメインビジュアルで「刺さる、絵力のあるもの」にするにはどうすればいいか考えました。恐らく、水中の断面図をこのテーマで出してくる人は少ないと思ってこんな感じにしました。後は、メインビジュアルで自分の表現したいことが一発で伝わることが大事だと常々意識しています。(この絵では水中、生物、瓦みたいな要素の絡み合いを伝えたい。)
後は、コンペのHP見て過去の受賞作品や審査員を調べました。どのようなテイストのものが評価されてきているのか、審査員は毎年同じなのか、どの程度アイデアに振っても大丈夫なのか、等。
③メインビジュアル製作(7日)
ひたすら、メインビジュアル作ってました。モデリングとか無しで瓦描くのが大変過ぎて時間が掛かりすぎてしまいました。
④シート一旦完成(5日)
メインビジュアルを決めるときにレイアウトはあらかた組んでいたので他の見出しに使う絵を埋めていって完成させました。この時の体感としては悩んで止まって時間使うという感じはほぼ無くて、純粋な作業に時間使っている感じでした。
見出しのコピーライトや、タイトルってめっちゃ大事で、これには頭使いましたね。審査員はこれ以外の小さい文字の文章たぶん初見ではほぼ読んでないです。だからこそ、ここで興味を持ってもらう意識やここだけ読んで内容が何となく推察できるような意識をするのが大切だと思います。
⑤コンペキラーに頼んでエスキス・修正(2日)
自分の中で一旦完成させて、コンペキラーの知人に頼んでエスキスしてもらいました。そこで、表現上わかりにくいところや、より議論を発展させられる場所をつついてもらいました。例えば瓦職人の雇用を創出できる案だからそれを表現する絵を入れるとか、です。
結構難しいと思うんですけど、人にエスキスして貰うときって一旦全部完成したものを持っていくべきだと個人的には思います。それでないと案全体のバランスを見てのアドバイスや修正ができない。例え完成度が低くても良いから全ての要素を一旦集約させてからそれをどう表現するか、初めて考える土俵に上がることができます。よく案の入り口で躓いてなかなか図面とかを見せられない人がいますが、めちゃめちゃもったいないです。考えていることは誰もが面白いことを考えているのでどんな手を使ってもまずは一度完成させる、これが大事です。
⑥自分で納得いくまで修正・期限10日前に提出(3日)
ずっと作品を見ていると変な主観が入ってきます。なので、少し放置した後にもう一回見直すという作業をしました。これやる人意外と少ないと思うんですけど、一回距離置くことでそのとき気付けていなかったことに気付くことって多いです。
長くなりましたが、このコンペを取ったときの思考のプロセスってだいたいこんな感じだった気がします。ここに書ききれていないことや省略していること、ここには書けないこととかもあるので、また機会があれば文章化できたらなあと思います。
とりあえず気張りすぎず文章を書くということを続けていきたいです。
BYE
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