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「ちょっと…」、「あのー」、「えーっと」を教える教育とは?

日本語を外国人に実際に教える中では色々なことを教えます。
初期のあいうえおから、漢字、文法、文系、語彙、会話、表現など多岐にわたっています。近年は、以前紹介した、Can-doを意識して構成を考えることが増えているようで、より日々の生活や仕事に使える会話表現や、やりとりを練習したりする授業を組み立てることも多いようです。
そんななかで、特に中級以降になればなるほど、より身近な会話に近い練習をする中で学習者に教える表現の一つにフィラーと呼ばれるものがあります。

フィラーとは、あのーとか、えーっととかのような、会話の合間に入れる言葉のことで、会話をスムーズに進めるうえで、これを上手につかうことを日本語教育では教えて練習したりするのです。

また、フィラーのやりとりを練習する方法で、たとえば、ロールプレイという手法で会話の練習をする勉強法があります。


ロールプレイとは、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つです。日本語教育の中ではよく用いられる学習方法です。

ということで、実際にロールプレイの事例を作ってみたので、それをベースに話を少ししようと思います。

【ロールプレイ例】
鈴木さんは、部下10人を抱える食品会社の営業部長です。コロナ禍前は、月一回部下たちと交流を兼ねた飲み会をしてたのですが、最近はもちろん開催できてません。
そこで、いつも飲み会の幹事を率先してやってくれていた部下の山田さんに、最近流行ってるオンライン飲み会の幹事をお願いしようと思ってます。
しかし、山田さんは今まで外での飲み会は奥さんと事前に調整して幹事をしたり、積極的に参加はしてましたが、オンライン飲みは、家族の団欒の時間を優先したいためあまり開催したいと思ってません。

また、二人とも現在在宅勤務のため、チャットでのやりとりとします。

その時の鈴木さん、山田さんのやりとりを考えてみてください😕

いかがですか?

では、日本の会社の上司と部下だとこんな感じかなという会話例を紹介します。

【会話例 在宅勤務中でチャットでのやりとり】

鈴木さん 山田さん、ちょっと相談があるんだけど…。

山田さん はい。鈴木部長なんでしょうか?

鈴木さん 最近コロナ禍でなかなかうちの部で飲み会ができてないじゃないか。

山田さん そーですね。

鈴木さん で、部内での交流も1年以上できてないから、最近流行ってるオンライン飲みというのをうちの部でもやったらどうかなと思ってるんだけど、どうかな?

山田さん オンライン飲みですか?

鈴木さん そう。オンライン飲み会。
そこで、その幹事を山田さんにお願いしたいんだけど引き受けてくれるかな?

山田さん は、はい…。うーん、ちょっと…。

鈴木さん なんか難しいことあるのかな?自宅での飲み会なら、何かあればお子さんの面倒も見やすいし、奥さんも夜なら家にいらっしゃるから外での飲み会より気楽じゃないかな?

山田さん うーん、そうですね…。 

鈴木さん 何か困ったことがあるのかな?

山田さん いいえ。大丈夫です。部のメンバーに希望を聞いて、日時の調整をします。鈴木さん都合の悪い日はありますか?

鈴木さん いまのところ、定時以降は特に予定入ってないから、皆さんの都合に合わせますよ。よろしく頼むね。

山田さん はい。わかりました…。


どうですか?仕事ならまだしも、飲み会が嫌でもはっきりと断らない、断れない特に上司だとはっきり言えないというのが一般的な日本の社会だと教えるの?

今時日本人でもこんなのは断るよ、子供小さいの知ってるのにこんなことお願いしてくる上司が非常識なんだからとか、こういう場合は断ってもいいのでは?とか、色々な意見があると思います。

外国人の方は、日本人でも賛否あるこんなやりとり、もっとモヤっとしてしまうのでは?と。
ただ、もし断るとしたらどうやって断ればいいのか?
また、自分が鈴木さんの立場だとすると、断られ方によっては、上司として部下に嫌われてるのか?オンライン飲み会などをお願いしたばかりに、パワハラと思われてしまったのか?とか、今の時代は色々難しいなと思ったりします。

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このようなわたしが今回適当に作った会話例ではなくても、日本語教育の会話を教える時、上記のような断りにくいことをいうときに、「いやです!」とはっきりいうのではなく、「ちょっと…。」というほうが、日本では、角が立たなくて良い時もあると教えたりもします。
正しいけど、正しくないなと思うときもあったり、人によっては、理由は?と追求して、理由によっては、面倒臭くなることもあるだろうし、だからといって、嘘の理由をいえばいいのですという指導も変だしとか。
人によったらハッキリしないなと怒るの人もいると思います。結局のところ、ケースバイケースなのですが、空気を読んでくださいとは基本教えないほうが良いのです…。

しかし、そもそも、はい!いいえ!はっきりと言わないことを美とする、それが日本の文化?かのように、教えるみたいなところもわたし自身がモヤっとしたりする時もあります。

個人的には、自身の理解者がいたり、本音と建前を言い合える仲間や家族がいて、そのようななかで、自分なりの社会生活を構築できる人や環境があれば、日本のあいまいな文化はそーいうものだよとあくまで、そのようなケースが多いと教えれば、それはそれでいいのかなと思ってます。しかし、日本ははっきりと断らないちょっと、あいまいな文化が主流だと洗脳するのは、どうなのかなと思うこともあります。また、あいまいな文化だと教えることで、だんだん言いたいことが言えなくなってしまう人がいたり、うーん自分には合わないなと自分の殻に閉じこもってしまったり、国に帰ってしまう人もいるかもしれないなと思ったりしないかも心配もなります。

また、人によるとはいえ、ハッキリと主張する文化を日本人がもっと見習わないといけないこともたくさんあるようにも思えたりもします。

あと、個人的な考えとしては、日本企業でも、業種や分野によっても大きく異なるのかなとも思ってます。授業のなかで、理系は結論をはっきりさせることが多いので、文系とは違うところもあるとおっしゃってた先生もいらしたので、少しそのあたりを次回触れたいと思います。

特に、リケジョとブンジョ(文系女子)の女子の会話の事例から色々語ろうと思います。

今日はこの辺で

最後までお読みいただきありがとうございます😊


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