灯り
街のあちこちにある街灯が好きで
いくつかのお気に入りがあります
初めての街でたまたま通ったところに思いがけず古くてかわいいのを見つけたりすると
夜になって灯ったところを見てみたいなぁと思います
たいていは車でぴゅーっと通り過ぎたりするから
写真も撮れなかったり、撮れたとしても背景があって今ひとつだったりするので記録して愛でるほどのことはないのだけど
ずっとこんな街灯があればいいのにと思う
それが木の幹にランプがさがるようなもの
本物の木の幹に、灯りがついていたらいいのになとずっと思っています
本当はもっともっと茂った大きな木の枝にランプがさがるのを、誰か作ってくれたらいいなぁと思っています
刺繍は、そんなイメージをいくつも試作したもの
これも、お念珠入れの試作で、刺繍も試して練習
試しているうちに少しずつモチーフが完成していって、それは初めは全然決まっていないことなのでそこまでの道のりが自分でも少し不思議なほど
「灯り」
というのがこのモチーフのなまえ
きっと誰にでも
心に灯りが灯るように
大切にしたい出会いや
誰かの言葉や
支えてくれていると思えるひとや
できごとがあって
そういうのがあるから目の前のことにがんばれたり、自分を誇れるような気がします
みんな、なかなかにままならないし
見方によっては落ち込むけれど
それでもそんな自分をハッピーにしておくために
小さくても心に灯りが灯っていたらいいなと思います
灯りの数は幾つだってよくて
たったひとつでも、数えきれなくても
時々弱く消えそうになったり
遠すぎて見えなくなったり
大きな風で揺らいだとしても
灯っていることには違いない
みんなそれぞれに大切にしていることは
きっと簡単には消えないしなくならないような
そんな気がしています
「灯り」
みなさんの中に
ちいさく灯っていますように
ヒナタノオト
「クリスマスに工藝を灯して」
vol.1 12/7まで
vol.2 12/2〜12/24
vol.3 12/9〜12/24
もう、姿はないけれど
わたしには最大の灯り
朝方部屋の中でパタパタパタっと
ドロが体を震わせて耳の音をたてるのを聞きました
ここにいるよ
いつもいるよといっているみたい
遠すぎて見えないから
寂しくて
冬は特に思い出しているから
暗い部屋の中で教えてくれたのかな
見えなくても何よりも強く大きな灯りです
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