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おもいでさんぽ〜ワークショップatビブレサビ


2つの展示が終わり
在庫がほとんどなくなってしまったことで早くも次の制作をしつつ、noteに書いておきたいなぁというできごとを写真を眺めながら振り返っています

今日はそのひとつ
5月に行われた小樽のビブレさんでのワークショップのようすと、みなさんの作品をご紹介


古い建物の、土間の奥にこんなふうにセッティング

灯りが足りないのでわたしが普段使っているライトを持ち込んでみなさんのお手元を照らしました

刺繍はとにかく見えていないとできないので、よく見えるメガネと灯りが必須

元々の定員は4名で
前日までにぴったり4名さまのお申込みで準備していたのですが、この日の午前中にあるお客さまがいらして急遽のご参加となり、5名の方々と刺繍の時間となりました

ビブレさんにいつも来られるお客さま2名
わたしの作品をいつもInstagramでご覧くださっていたというお客さま
そしてこの展示で一緒に作品を並べたジュエリーの佐々木ひとみちゃん
そしてそして、最後の一名の方はなんと10年ほど前に作品をお求めくださってつい最近SNSでわたしを見つけてくださったというお客さま
長い時間を経ての再びのご縁で刺繍を楽しんでいただけてわたしにもとても嬉しいできごとでした


明るくてかわいいひとみちゃんと
ご参加のみなさんのお人柄も相まって
いつにも増して和気あいあい
ちいさな机を囲んでいることもよかったのかな

集中しながらも時に手を止めておしゃべりしている様子はとても微笑ましく、わたしも刺繍のことをお伝えしながらリラックスできるいちにちとなりました


ではご参加の方々の作品をご紹介しながら振り返りを


ご近所の美味しいレストランでお仕事をされているお客さま
丁寧に集中して制作されていた姿が印象的でした

きれいに刺すコツをお伝えしたらすでに刺繍したところもやり直して、なんとお仕事の時間がきてしまい、続きはご自宅で完成させてくださいました

生地を半面違うお色でとのご希望でした
繊細なところを注意深く丁寧に
葉っぱの向きがとってもきれいです!



以前からブログでぬいとりのことをご覧くださっていたというお客さま
少し遠い海辺の街から、ワークショップのお申し込みを一番乗りで来てくださいました

なんと、お母さまから譲り受けたという絹糸をお持ちになって

薄いピンクの美しい絹糸
「もしも叶うならこの糸を使って刺繍してみたい」とのこと

わたしも扱い慣れていない絹糸で少し不安でしたが、練習の刺繍の時から少しお使いいただいてまずは糸に慣れてからやりましょうということに


元々編み物をされる方で、ちょっと難しいモチーフでしたがやってみたいモチーフを迷いなく選ばれて、お花のところだけをお持ちになった絹糸で刺繍されました

手仕事がお好きで、きっとお持ちになった糸を通してお母さまとのいろいろな思いもあって
それがこうしてかたちになったのだなぁと思うと
そんなお手伝いができたことがまたわたしにもとても嬉しいのでした

ドラマチックな出来事のひとつでした


ビブレさんのお客さまで地元の会社にお勤めのお客さま
楽しみにご参加くださってお選びになったのはラベンダー
そして生地は薄い紫で刺繍とモチーフがぴったりでした


葉っぱの色が少し暗めのグリーンを選ばれていてこれがとてもすてき
大人の色合わせで落ち着いた刺繍になりました

実はお勤め先は、とてもとても大きなものを「造る」お仕事
その後のやり取りの中に
「同じものつくり」という言葉があってなんだか感動しました

たった15センチの枠の中でできあがるものと
まるで規模の違う大きな建物を造るお仕事を
並べて感じてくださること
大きさや規模や分野に関わらず
そこにある「想い」みたいなことに共通するものがあると言っていただいた気がしています



こちらは、はじめに書いた当日急遽ご参加となったお客さま

10年も前の作品から作家を辿って
札幌から展示を見に来てくださって
思いがけずその日の午後に刺繍することになったのです

にも関わらず、背筋を伸ばして真っ直ぐにわたしの説明をお聞きになって、楽しそうに豊かな刺繍をされていました


「ミモザを刺したい」というご希望でしたが
わたしの作品ではちいさな粒をたくさん刺していて難しいので、チェーンステッチをいくつか刺していきましょうということに

ペンでわたしが描いた数はもっともっと少なかったのに、後半はご自身で数をどんどん増やして
ほんとうに楽しそうに黙々と針を動かしていました
出来上がった刺繍は、その日思いがけずご参加の方とは思えない、心躍るようなミモザになりました

こういうこともわたしの喜びのひとつ

自由で楽しくて豊かであること

ご参加いただけてよかったなぁと思います



そしてこちらは
我が愛しの佐々木ひとみ嬢の刺繍♡

明るいグリーンの生地に枝のモチーフを選び
他の皆さんと楽しくおしゃべりしながら
手を動かしていたのだけど
不思議なことにやっぱりその姿が普段の制作の姿を思わせることに驚きました

きっとなんてことないことで
他の人にはわからないのかもしれない
持っているものは明らかに普段の彼女のお道具ではないのだけど、その佇まいから「あぁこうしてひとみちゃんも毎日手を動かしているのか」とわたしだけが密かに感じていたのでした

そして出来上がった刺繍はわたしの見本とはまるで雰囲気の違う「佐々木ひとみ」のものでした

その人から生み出されるデザインや感覚はやっぱりその人のものなのだなぁと改めて

このパワーあふれる素晴らしいジュエリー
その作り手であるひとみちゃんに、わたしの使う糸でひとみちゃんの世界を表してもらった気がして、これもまたわたしには嬉しいできごとでした


この日のみなさんはほんとうに和やかで
いつにも増して楽しそうでした

ビブレさんのおふたりのお人柄
そこに集ってくださった方々
ひとみちゃんという明かり
ちいさな机をみんなでぎゅっと囲む空間

出来上がったポーチはプリスティンさんの前にすでにみなさんのお手元に渡りそれぞれに暮らしの中でお使いいただけていると思います

使いながら、あの日のことを楽しかったなぁと思い出していただけていたら嬉しいです

とても楽しくて和やかでよい時間だったので早く書きたかったのですがなにしろ制作が間に合わずひと月も経ってしまいました

今はプリスティンさんのワークショップのポーチをほぼお渡し終えて、残り数人の方のをやりつつ
綿毛の刺繍の修行中
これがほんとうに成功率が上がるまで修行でして
強い心で針を持っています


摘んできて飾っている亜麻の花びら


朝作業場にくるとこんなふうに可愛く落ちていて
このまま、これを眺めながら手を動かしています

昨日までに綿毛を続けて5点
ようやく少しスムーズに刺せるようになってきました

あぁ、ゆっくりと思い出散歩をして楽しかったいちにちを振り返りました
長い散歩にお付き合いいただいてありがとうございました

修行に戻ります

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