野の花あかり
暖かくなって
雪溶けの水が大きな音をたてて流れています
色のない世界が少しずつ少しずつ色を取り戻して春が来ました
枝の先にほんの少し薄い緑が
遠くの山にほんの少し赤い木の芽が
そして歩く道の先にまるで小さく灯るあかりのように花が咲いていて
毎年この季節に同じように嬉しくなって
同じように言葉が見つからないなんとも言えない気持ちになる
俳句の春の季語で
桜の季節、ほんのりとそこだけに明かりが灯ったように見えることを「花明かり」というのだそう
花は、本当に明るさをくれるなぁといつも思うけれど、なんだか今年は特にそんなふうに思います
まだ残った雪の道を歩くと
まるで冷蔵庫の中にいるみたいにひんやりと冷たい風が吹くのに、遠く道の先にほんのりと小さく光る花
すみれ かたくり クロッカス
どんなに小さくても輝く命の灯り
そんなことをずっとずっと考えて
今年のプリスティンさんの展示のタイトルは
「野の花あかり」にしました
きみの歩くこの道に
この先もずっと
野に咲くちいさな灯りがありますように
繍 ぬいとり
刺繍展
「野の花あかり」
4/20〜5/3
プリスティン札幌(大丸札幌7階)
ただいま制作の佳境です
もう毎日朝から晩まで作っています
展示の前はいつもそう
眠らなくても大丈夫な体がほしいなぁと思うほど
ちいさな鞄から大きな鞄まで
新しく作ったものも、とても大変だったけれど諦めきれずにがんばったものもあります
ちいさな刺繍が日々を灯すあかりになってくれますように
皆さんに笑顔でお会いできるように
たくさん作って、体も整えてお待ちしています
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