きっかけ。
中学時代……
学校は毎日楽しく通っていて皆勤賞が取り柄で友達も沢山いてそこそこ人気者、そんな男子の中学1年最初の中間、期末テストの成績がこれ
中間テスト87点
期末テスト79点
しびれる……
授業は積極的に参加してたよ
寝でたわけでも……
テストをふざけて受けていたわけでもない
真剣に、真面目に受けた
回答欄に空欄がないようにすべて回答を埋めた……
これ、5教科合計500点満点の結果なんだ
30年も前の話で
それも地方都市の公立中学
登校拒否の子だって
不良生徒だって
いた
そんななか学年順位は下から10番以内
もしかしたら、最下位だったのかもしれない
もしも、これが今の時代だったのならば
病院行きだったかもしれない……
ここまでひどいと心配される……
中1の夏
夏休みが終わり席替えの日
運命のくじ引きがあった
「よろしく」
「うん、よろしくね」
髪が肩にかかるくらいのその子の笑顔は
なぜかスローモーションに見えた……
隣の席になった時、少し緊張した
この頃のぼくは勉強になんか
ちっとも興味がなくて
授業中は先生の話を
ただ聞いていて
気になったことを質問だけしていた……
そんなある日、彼女が休んだ
その日のぼくはすこし寂しかった…
その時のぼくは
まださみしさの理由をしらなかった……
翌日、彼女はケロッと登校して来て
笑顔で話しかけてきた
その笑顔が忘れられない
「おはよ、昨日のノート貸して」
そのあどけない笑顔とは
裏腹にナイフを突きつけられた
ように感じた
冷たく
そして
せつない
その一言は……
中一男子には
あまりにも衝撃が強く
受け止めきれない
味わったことのないような
感情を与えた
それは
ぼくの心を一瞬で凍らせ……
氷がゆっくり解けるように……
目の前がスローモーションになった……
「あ゛っ、えっ!えツ!えッ!!!」
言葉にならない声で……
耳を真っ赤にして……
いつのまにか
目頭を熱くした
そこが人生のすべてで
すべてが詰まっている
中1男子には
あまりにも辛い仕打ちだった……
その日
世界が終り……
絶望した……
ノートなんて
書いてない
書いてない
書いていません……
「ご、ごめん、昨日書いてないんだ。ノート」
そのときぼくは、ちっちゃな嘘をつき……
その日ぼくのこころの中にあった
彼女が好きだと言う名の時計の針は
そのあゆみをとめた……
ぼくの青春は終わった……
と、勝手に思い落ち込んだ……
(BGM:ゆずの栄光の架橋が流れた)
ぼくはその日から
ノートを書くようになった
来る日も
来る日も
先生の板書はすべて書き
板書しない説明も書いた
出来るだけ丁寧に書いた
書いて書いて、書きまくった
なのに……
そのあと
その子にノートを貸すことはなかった……
運命なのか2年でもその子と同じクラスになった
しかもその子とまた隣の席で……
あれから席替えがあっても
ずっと書いていたノート
家では全く勉強はしていなかったが
なぜか、授業が面白いと感じるようになってきていた……
止まっていた時計が動はじめたのは
このころからかもしれない
その子とテストの点数を見せ合うことになった
緊張した……少しだけ期待もしていた
1年の時より、100点いや200点も上がっていた
この時のぼくは無知と言うことを
恥ずかしいことだとはまだしらなかった……
「せーの」 はい
その瞬間、耳が真っ赤になり唇を噛み締めた
マンガみたいにその子に勝つ
なんてことはなかった……
恥ずかしさと
切なさと
惨めさをかき混ぜたような感情を抑えきれなくなった……
その子は無邪気に言った
「勝ったら、アルバム見せてあげるよ♪」
その子は中学に入るとき引っ越してきた
だから小学校が違うのだ
何度か見せてって言っていたからだ
こんな些細な約束でも
13年間しか生きていない少年の心を動かすには
充分すぎるきっかけだった
火が付いた
勝ちたい
勝ちたい
見たい
いや、ちがう……
1秒でも長く君と話をしていたい……
笑顔を見ていたい……
スキだ……
そんな気持ちが溢れた……
それから・・・
中二の1学期の期末テスト 超絶惨敗
中二の2学期の中間テスト 超大敗
中二の2学期の期末テスト 超惨敗
中二の3学期の中間テスト 大敗
中二の3学期の期末テスト 惨敗
そして中3に……
なんと
奇跡が……
……
また同じクラスになった
(なんだよ、勝ったんじゃねーのかよっ!)
中三の1学期の中間テスト 負けた、けど近づいてる?
中三の1学期の期末テスト 負けた、けどもっと近づいてる?
中三の2学期の中間テスト まけた、けど、おや?
中三の2学期の期末テスト まけた、けど、おやおやおや?
中三の最後のテスト
気付けば成績が少しづつだが確実に上がっていた
授業も楽しかった
1番前の席になったときなんて先生を独占するくらいだった
なんと最後のテストか返されたとき先生に言われた言葉
「学年2位だぞ」
5教科の合計が100点以下だった少年は456点をとれるまでになった
30年後の今でも覚えてるってどんだけだよw
そして、その子との最後の勝負!!!
よし
いっせーのー
……
……
はい!
すぐには計算できなかった
こんなときに限って計算が
すぐにできない……
結果は……
その子は1位だった
青春なんてそんなもんだ
泣いたかって?
悔しかったかって?
切なかったかって?
いや、ぜんぜん
笑った……
笑った……
全力で……
涙が出るほど
END
高校も同じ高校に行きたかったけど、内申点って残酷ですね。全然だめでしたね。模試とかで、いい点とっても全然ダメでしたね。内申点って大事なんですね。(中1の時は1と2しかなかった)
結局行ける高校に行った。
その子にはほんとに感謝しています。
いつか会えたらお礼を言いたいです。
じつは
卒業後一度も会えていません。
何度か同窓会はあったのですが
その子は参加していませんでした……
【勉強をはじめるきっかけ】
こんな成績だった小学生のころや中1のころ、ぼくの親はただの1度も「勉強しろ」と言わなかった。
放任主義なのか?
無関心だったのか?
信じていてくれたのか?
思春期以降、未だに親とはあまり話さないけど
いつかもっと成長できたのなら
「ありがとう」
って言いたいな。
いま、子育てに悩んでいるみなさんへ
勉強が苦手でもきっかけがあれば変われます
僕から言えることは
ただ一つだけ
勉強が嫌いにならないように
そして
ぼくは
いま
また
noteに出会え
勉強をしています
国語が、特に漢字が大の苦手だったぼくはいまだに
苦手だ、いつも検索をしながら読んでいて
理解するのに時間がかかる
だから、すっと読めるようになりたい
大量の文字を見ると構えてしまうけど
すっと読めるようになりたい
俳句は難しいけど、チャレンジしたい
遂にこんな企画が始まりましたね。
応援したいと思います。
そしてたくさんの小説を読んで勉強したいです。
俳句の幼稚園にも入園して勉強も始めました。
いくつになっても
きっかけがあれば
学べます。
きっかけをありがとう