見出し画像

あえて実家でミニマルな暮らしを提案する理由

完璧すぎず、ゆるすぎず。
自分にちょうどいいミニマルな暮らしを発信している「ぬいげつ」です。
実家の3畳ばっかりの元倉庫をリセットし、1からミニマルな部屋を作って過ごしています。

カウンターテーブル・ベッド+収納の小部屋

実家暮らし=ミニマリストは結びつきにくく、世間では理解は得られにくいのが現状です。実際に「実家暮らしでミニマリストは存在しない」と面前で言われたこともあります。
それはもしかしたら狭いワンルームのお部屋で究極にミニマリズムを貫いている人=ミニマリストだと認識をされている方なのではないでしょうか。


さて、実家でミニマルな暮らしをあえてお勧めしたいと記事にしたのは、私が本業でキャリア支援に携わる仕事をしてきて気付きを得たからです。

なんだかキャリア支援と言うとかっこよく聞こえるでしょうか。
私たちがしている業務はお勧め求人をいくつか提案して、応募書類作成支援、面接対策してハイ、就職!というものばかりではありません。そういった即就職見込みの方たちは大手民間エージェントさんにお任せするとして・・・

私たちのところに相談に来る人たちは、就職活動が長期間にわたる場合も多く、そんな人たちの助けになりたくてこの記事を書くことにしました。
(注:もちろんその人たちも早期就職を考えていると思いますし、私たちもそのサポートをしています。)

しかし、その場で「ミニマリストいいですよ!」といった布教活動まがいのことはしたくないので、実家でミニマルな暮らしをすることにこんな効果があるのだとここで伝えたいのです。


①引越しが楽にできる

いつでも家を出ていける状態は最強

今、求職活動中の方。
地元就職なのか遠方への就職希望なのかは、その人それぞれ。遠方なら転居(実家から出る)することになりますよね。地元就職でもいずれは一人暮らしがしたいという声を聞くことが結構あります。

その引越しの機会が訪れた時、物が少ない方が絶対的に引越しが楽です。
就職先が決まってこれから仕事を始めるのに引越し作業に苦労するのはもったいないです。転職なら入社までのスケジュールがタイトなこともしばしば。仕事をしながら引越し作業を同時並行で進めていくのはもっと大変です。
今すぐ実家を出る予定はなくても「いつでも家を出ていける状態」にしておくのは便利です。

(ちなみに、私も現時点で引っ越し予定はないですが物を増やす時、家を出る時になっても持っていきたいものにはお金をかけて、消耗品やこの家でしか使わないだろうなと想定できるものにはお金をかけないようにしています。)


②支出を減らせる

無職期間が続くとお金に困るのでは

やはり収入がない状況が長く続くと、支出を減らさざるを得なくなってくるでしょう。
失業手当や(病気を理由とした退職で受け取れることもある)傷病手当金のような制度を利用しても、それもいずれは底を尽きますし、貯金を切り崩すのは気が引けるジレンマもあるでしょう。もしそのような資金がなければ、家族に資金援助をすることになるかと思いますが、これは肩身が狭い人も多いようです。

私が知っているケースでも、単に歩くのが好きだからという理由だったかもしれませんが、1時間歩いてセミナーに参加している人がいました。「親にお金を出してもらうのが嫌なのかも」そんな理由で交通費の節約をしていたのかもしれません。

節約系ミニマリストに学ぶライフコストの減らし方

実家暮らしなら、家賃の支払いは基本的にありません。(※一部例外あり)家賃代わりに家にお金を入れることがあっても、それは仕事で得た収入から出しているのかな?と思います。

最低限の食費はやむも得ないとして、その他の支出は減らせます。
まず手っ取り早いのは、ミニマリストがしている固定費の削減手段として有名な方法、格安SIMに変更して通信費の節約をすることをお勧めします。大手キャリアより費用を抑えられます。ぜひ基本プランでシンプルに行きましょう。
私たちのところでは電話での相談を受けることもあり、長くなりそうな時はこちらからかけ直すよう一声かけています。(通話し放題にしていないと通話料が高くなるため)
私が出会う人たちにゲームが好きな人をよく見かけますが、課金なしでできるゲームにとどめるのが無難でしょう。
読書が趣味な人は電子書籍のAmazonKindleにするか、紙ベースで読みたい人は図書館の利用もしくは読み終わったらすぐにフリマアプリに出品する。お金をあまり使わず、ものを溜めない仕組みづくりをしたらどうでしょうか。

少しでもプチ収入が欲しいという人には「ポイ活」なんてものもあります。最低限の日用品をこれでまかなうなどアイディアはたくさんありますよ。


③家族からの干渉を軽減させる

これこそ実家暮らしミニマリストの最大のメリットかも?

これもよく聞くお悩みの一つです。
私たちのところに相談に行って、自宅に帰ると「今日はどうだった?」「何かいい求人はあったの」「早く仕事しなさい」ご家族も心配の気持ちからこういった言葉をかけられるのかもしれません。確かに無職期間が長く続くと不安になる家族も多いのだろうと聞いていて感じます。
でも、相談に行っている時点で「働く気が全く1ミリもない」というわけではないのだろうと同時に私は思っています。コミュニケーションセミナーや就活講座に参加するのだって気力が要ります。特に心が折れて退職した人。体調不良で仕事を辞めるしかなかった人。

私はこういうケースほど“実家暮らしミニマリスト”はありなのではないかと思います。できるだけ自分の部屋で完結させる仕組みに。お風呂やトイレは自分の部屋にないし、家族と共用になるけれど、それ以外が自分の部屋で全てできるようになったら・・・?

実家をシェアハウスのような暮らし方に

私の家族関係が落ち着いたのは、わが家をシェアハウスのような暮らし方にしたからです。

きっかけは父が協調的な行動をしないこと。仕事の都合のような特段の理由もなく、23時に夕食(それって夜食じゃないの・・・?)を取ったり、朝から洗面台を2時間近く独占したり、他の家族からしたら理解できないライフスタイルで、それを指摘するといさかいのもとになっていました。
逆に母は時間を決めて行動したいタイプ。夕食は19時30分と厳密にしたいらしく、ストレスになっていたそうです。私も洗面台の独占には困っていました。

それを日頃それぞれ自分の部屋で過ごすという考え方に変えたところ、ぐんとストレスは減りました。父は自分の部屋で夜遅く好きな時間に食べています。母は決まった19時30分に。私は休日は母と食べたり、仕事で遅くなった日は自分の部屋や台所で食べています。

共有部分に関しても私は帰宅時の手洗い、歯磨き、洗顔以外に洗面台を使うことはなくなりました。(最悪、お風呂場に行って顔洗ってます笑)洗面道具も自分の部屋にあるため、家族の誰も使っていない時にさっと持って行って洗面台を使います。髪を乾かしたり、メイクなどはすべて自分の部屋でしています。3畳の部屋にこれらを収めることはなかなか大変です。でも家族で言い争いになる方がもっと辛いです。
お風呂グッズも銭湯スタイルを貫いています。もちろん、入る順番も何も決まっていません。
(銭湯スタイルとは:まるで銭湯に行くように洗面用具や着替えを自室からお風呂場に持ち込むスタイルをこう表現しています。)

起きる時間も寝る時間も自分で選ぶ。共有部分の掃除は交代制(と言っても、父はあまりしませんが)、洗濯もそれぞれ自分のものをしています。
スーパーでの買い出しも一緒に行っても買い物かごは別々。近所の人が出会って「家庭内別居?」と疑っていたそうです。

これは極端な事例ですが、「自分のことは自分でして、自分のものは自分で管理する、必要なものを厳選して過ごす、自分の部屋である程度暮らせるようにしておく」ことは家族からの干渉を軽減させる合理的な方法ではないでしょうかというのが私からの提案です。

ここで追記しておきたいのは、「家族とのコミュニケーションを一切断つ」ことを推奨しているわけではありません。適度な日常会話をすること、そして自分の今後についての意思決定について話すことは必要です。ただ、きつい時は自分を守る距離感で過ごした方が自分のためでもあり、家族のためにもなるように思います。
家族それぞれに合った距離感を見つけましょう。

「個食」はそんなにだめなこと?

家族と一緒に食事をとる。
これはコミュニケーションの一つとして大事という意見も一理あると分かるのですが・・・

それがストレスのもとになるなら、いったん離れてもいいかもしれないと私は考えます。楽しい家族団らんができない場合、特にメンタルダウンした人には無理に勧めません。私は過去に仕事を休職して実家で過ごした時、「いかにお前が社会に適応できない人間か」と親に説教を受けて食事の時間がゆううつでした。
無職を責められたり、求職活動のことを執拗に詮索されるのが食事の場なら時には「個食」も絶対に悪いことだと思いません。

小中学生の成人ではない年齢なら教育上必要だと理解できるのですが、大人になって無理する必要はないです。自分も相手も大人なんです。

よく考えてみたら仕事していて残業が続くと一緒に食べられる日ばかりでもないですよね。


④不要な物を手放して気持ちもスッキリ

捨て活の心理的効果

不要な物を手放すと見出しに書いていますが、厳密には「とても大切な物だけを残す」という感覚の方が近いです。物を手放すことで精神的な安定につながった話は私の過去の記事にも示しています。

仕事を辞めた、社会的なコミュニティから抜け出した、自分をいったんリセットする時としてちょっと自分の身の回りのものを見直してみませんか。
私たちは仕事探しをする時に「自己分析・自己理解」をしましょうとよく伝えますが、私は捨て活も十分な自己理解になると考えています。だって、自分の価値観に気付けるわけですから。これは大事、これは大事ではない。自分の優先順位に気付くきっかけにもなります。
物の循環が心の循環につながるように。
仕事に就くまでの時間を使って、スッキリした気持ちで再出発してほしいというのが私の願いです。


おわりに

「実家暮らしにミニマリストはいない」

それは自分の室外に家族と共有のバストイレやキッチンがあり、家電があるから言われるのだろうと思います。あと、他の部屋に自分の物を置けるよね?と話があがったりもします。
でも、自分の必要最低限を見極めて、自分の部屋でスッキリ管理していれば、それも新たなミニマリストの形です。

今回は無職で求職活動中の方に向けて書きましたが、「お金がないから一人暮らしができない」「持病があって実家にいる」「親の介護をしている」他さまざまな事情があり実家暮らしというライフスタイルを選択している人はたくさんいます。
実家にいることが肩身の狭いような、後ろめたい気持ちになっていた時にぬいげつさんの発信を見つけました、
私の発信にはそんな声も寄せられています。

でも後ろめたいことなんて思わないでください。
この世の中「何が正解で何が間違いなんてない」のだと、今の仕事に出会って考えられるようになった私から贈りたい言葉です。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?