見出し画像

【スウェーデン生活】犬のいる生活 犬に優しい社会

我が家では2021年6月にスモール•ミュンスターレンダーという犬種の雄犬を飼い始めた。3歳となった現在は25キロくらいの中型犬で茶色と白の毛足が結構長くかっこいい犬に成長した。

現在のうちの子

購入前にやったこと

犬種選び

犬を飼う際、見た目だけではなく、特性も非常にの重要である。まずはネットで調べ始めた。夫は狩猟に連れて行ける猟犬を希望し、見た目もかっこいい犬を条件にしていた。当初はオーストラリアンシェパードについて調べたり、ブリーダーを探していたのだが、最終的にスモールミュンスターレンダーにたどり着いた。

購入方法

日本のようなペットショップは存在しないので、まずはブリーダー探しから始めた。夫が丁寧なメールを書き、私たちの家族構成や居住環境、犬を飼った経験などを詳しく伝えた。ブリーダー側も飼い主を選ぶため、こうした情報は非常に重要であると考えた。

コロナ禍で犬を飼う人が増え、それに伴い犬の価格も上昇したが、幸運にも比較的良心的な値段を提示しているブリーダーから購入することができた。価格は18,000スウェーデンクローナ(2024年現在のレートで約26万7千円)だった。


我が家にきた日

犬の引き取り

子犬は、生後8週間を母犬とともにブリーダーの元で過ごし、その後ようやく引き取りに行くことができる。6月になり、夫と子供達が引き取りに行った。すぐに受け渡しというわけではなく、最初の対面は母犬や兄弟姉妹犬たちと一緒で、その後貰い受ける犬だけと対面し、資料や使っていたブランケットやおまけを受け取り支払いを済ませて帰路についた。車に乗せてから小一時間、子犬は窓の外に向かって鳴いていたそうだ。私は家で初めて対面したが、その悲しそうで不安そうな表情を見ると、とても可哀想に思った。それでも、「うちで仲良く暮らそうね」と語りかけたり撫でたりした。本当に可愛いかった。

突然母犬や兄弟姉妹たちと引き離され、子犬は訳が分からず不安だったのだろう。これは当然の反応である。昔、両親が保健所から犬をもらってきた時のことを思い出した。ダンボールの中で震えていた小さな黒い雑種の子犬だった。その子は私が実家を出た次の年、2006年に18歳で亡くなった。犬の寿命が人間よりも短いことを考えると、もらってきたその日から十数年後に訪れる別れの日まで想像して少し悲しくなった。


ブリーダーのWebサイトからの写真 うちの子は多分一番右
ブリーダーのWebサイトの写真 オレンジの首輪がうちの子
多分椅子の前で寝そべっているのがうちの子

その後


ここのブリーダーは一年に一回兄弟姉妹の集まりを設けてくれている。この再会の場では兄弟姉妹犬たち、飼い主達との交流ができ、ブリーダーもその後の犬たちを気にかけてくれているのが嬉しい。ブリーダーの犬への愛情が感じられる。

犬のトレーニング

コースに通うのは必須ではないが、子犬の頃、私たちはトレーナーの元でコースを受けに行った。その後は特に娘と夫が頑張って訓練をした。
犬のトレーニングのコースには様々あり、キノコを探す訓練をするコース、アジリティー(障害物競走)コース、日常的な服従訓練コース、野生動物追跡訓練のコースなどがある。キノコを探す訓練コースはぜひ連れて行きたいものだ。

毎日6時間ごとに散歩をさせよう

スウェーデン農業庁(Jordbruksverket)のガイドラインによれば、すべての犬は運動が必要であり、日中は少なくとも6時間ごとに犬を散歩させるべきだとされている。子犬や高齢犬など、年齢や体力によってはさらに頻繁な運動が必要な場合もあることを示唆している。

犬の保育園(hunddagis)は、このような規則に配慮しながら、飼い主が仕事や用事で家を空ける間、犬に適切な運動と刺激を提供するための素晴らしい選択肢である。うちは時間的になんとか都合がつくので行かせていないが、近所の人は、朝、保育園のスタッフが車で迎えに来てくれると言っていた。専門のスタッフが犬の健康と安全を管理し、社交性や運動量を確保することで、犬の幸福と健康を支援するのだ。

最近は知らないが、私が日本にいた頃は、犬を外に繋いでいる家をしばしば見かけた。90年代にシベリアンハスキーが流行した時、真夏の炎天下にコンクリートの駐車場に繋がれたハスキーを見て、虐待ではないかと感じたのを覚えている。
ここでは外に繋いで放置するということは絶対にしない。

公共交通機関での犬の同伴

気軽に犬を連れて乗る印象だ。規則は以下の通り。

  • ストックホルムの地下鉄と通勤電車: ペットの同伴が禁止されている車両やドアを避ければ同伴可能。

  • 通勤船: ペット指定場所に同伴可能。

  • バス: 必ずリードにつなぐか、バッグやキャリーケース、ケージに入れれば同伴可能。

  • 長距離電車: 動物同伴可能エリアの床であれば同伴可能。

犬の公園

「Hundrastgården」や「hundlekpark」と呼ばれる犬の公園がある。これは、都市部や住宅地に近い場所にある、犬が集まって社交し、自由に遊ぶことができるように作られた場所である。 これらの場所には、犬用の滑り台や障害物コース、おもちゃなど、犬の活動や遊びを促進する様々な設備が備えられているところもある。柵で囲まれているので、犬の飼い主は安心して自分の犬を他の犬と交流させたり、エネルギーを発散させる機会を与えることができるのだ。

うちが留守にする時

夫の実家はストックホルムから車で3時間半南へ向かった田舎にある。家は森の中にあり、敷地内に湖の一部も含まれている自然の豊かな所だ。スウェーデンの野生動物は熊以外全て出てくると思う。
私たちが家を留守にする時はいつも実家に預けている。ここではリードをつけずに過ごせるのでいつものびのびと走り回って過ごしている。

しかし春から夏にかけては野生動物の繁殖期であるため犬をリードに繋いだ方が良い。この時期の野生動物は敏感で攻撃的になるため、野生動物の保護や、犬の安全にとっても注意が必要となる。

最後に


犬との生活は癒しでありとても楽しいものだ。しかしながら散歩や訓練をせねばならず、時には大変だと感じることもある。実際うちの犬は私には力が強すぎて森で何度か尻餅をつき、あるときは飛び込み台から腹打ちをするかのごとく転倒した。それ以降散歩は夫と娘に任せることとなった。

現在、息子も成長し、散歩に連れて行けるだけの力を持つようになったので夫が出張で留守にしても子供たち二人で分担できるようになった。自分や家族の生活や体力を考慮して犬種を選ぶことは、長く一緒に生活する上でとても重要なことである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?