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【スウェーデン生活】秋の私の地味な幸せ

あっという間に短い夏がすぎ、寒くどんよりした秋の天気が増えてくると、気分も憂鬱になってくる。毎年そうだ。だがそんな時こそ季節の楽しみを頑張って見つけなければならない。

うちの庭には2種類のりんごの木がある。黄色い夏リンゴの「Transparente blanche」と、秋の赤リンゴ「Gravensteiner」だ。
今年は豊作で、2年前と同様にGravensteinerを収穫してジュースにすることにした。なぜかというと、ジュースがとても美味しかったからだ。もちろんこれだけのリンゴをどうするかという問題も一度に解決してくれるという理由もある。

左 Transparente branche 右 Gravensteiner


鹿が落ちたリンゴを食べにくる。

スウェーデンの伝統:リンゴジュース作り


スウェーデンでは、秋になると多くの人々が自分の庭やkolonilott(小さな区画に分けられた土地で、個人に貸し出され、野菜や他の植物を栽培するために使用される)などで収穫したりんごを地元の「musteri」(ジュース工場)に持参し、ジュースに加工してもらうという習慣がある。これは、豊富な果物を無駄にせず、長期保存可能な形に変える伝統的な方法の一つなのだ。

ジュース加工体験:我が家の場合

2年前の2022年に初めてこの体験をし、今回は2回目となる。この日にジュース工場を予約していたことは3週間も前から家族に伝えていた。一番効率的に動く夫、動きの鈍いティーンの子供たちとともに収穫した。最初は一つ一つ採るのだが、剪定していない木なので上の方に伸び放題で梯子に登っても全く手が届かない。最後の方は木を揺さぶって落とし、拾い集めた。収穫が終わると、というか終わる前に子供たちはさっさと出かけていった。
今年はIKEAの袋5袋と紙袋1袋分のリンゴを持参した。傷物は持っていけないので、より分けてそれらは家でジャムやコンポートにして保存する。ちなみに傷物は紙袋で2袋。この日以前も結構収穫して職場へ持って行ったり、お裾分けをしていた。

2年前より多い

車で30分くらい行ったところにあるジュース工場は、のどかな風景の田舎にある。

爽やかな良い天気だった


予約した時間に到着後、りんごを指定のカゴに入れ、低温殺菌処理されたジュースになるのを待つ。低温殺菌処理されたジュースは、風味を保ちながら最大1年間の保存が可能になる。
1リットル瓶、または3リットル、5リットルのbag in box か聞かれるので前回同様3リットルのbag in boxでお願いした。

この大きいカゴに半分くらいなので80から90キロくらいだねと言われた。

自分の番号が書かれた紙を渡され、60-80分後に併設されているカフェの黒板に番号が書かれたらそこで支払いをして取りに行くという流れである。
良い天気だったのでカフェのテラスででランチをしながら待ち、1時間ほどで出来上がった。
3リットルが27個で計81リットル。2700スウェーデンクローナ(2024年現在のレートで約38700円)を支払った後受け取りに行った。

27個のbag in box

まとめ

憂鬱になりがちな、夏から秋に変わるこの季節、私は何か楽しいことをしたいと一生懸命考えるのだが、なかなかいい考えは浮かばない。そんな中、自家製りんごジュース作りは、ささやかな私の楽しみの一つである。冬の間もジュースを飲むたびに短かった夏の思い出とともに味わうことができる上、オーガニックである。いつもオーガニックにこだわっているわけではないのだが、やはり農薬や余計なものは含まれていない方がいいだろう。

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