スウェーデンの高校生「失態の嵐:16歳娘の無茶ぶり」編
昨年秋に高校生となった娘に抱いていた懸念が的中したのであった。
ことの発端は娘の友達のお母さんから、娘たちの行動に関して心配しているという連絡があったからだ。友達を仮にタラちゃんとしておこう。タラちゃんの両親は離婚しており、週ごとに両親の家を行き来している。
その日はタラちゃんのお父さんの家に泊まりにいくと言って出て行った。お父さんは実は出張で留守だった。とのちに分かった。その晩30人くらいの仲間が来てパーティー状態となった。夜中に大音量で音楽を鳴らし、近所の人が来ても居留守を使い、苦情が来たということであった。実は今回が初めてではなく、過去に2回同じようなことがあり、苦情があったのだという。娘と友達たちは後にタラちゃんのお父さんに謝りに行った。人に迷惑をかけてはいけないのだ。
私は子供たちが安全であることを確認する為に、小学校低学年の頃からそれぞれの携帯の位置情報を追跡できるように設定している。ティーンネイジャーとなった今も追跡できるようにしてある。と思っていた。iphoneで位置情報の共有をしているのだが、息子の位置情報はいつも『現在地』と出るのに娘の位置情報はしばしば更新されない。娘に尋ねたが、なぜだかわからないというのでGPSの調子が悪いのかなと解釈していた。そこで若者愛用のSnapChatで確認するようにしたら調子が良かったので、「今〇〇にいるんだね。何やってるの?」とか、「〇〇の家にいるのね?いつ帰ってくるの?」などメッセージを送っていたら次第に位置情報が『2時間前』とか『4時間前』になっていった。ネットワークが悪いのかなくらいにしか思っていなかった。
息子に
「ねーちゃんの位置がなんで現在地じゃなくて2時間前なのかなあ?あなたはいつも現在地がわかるのに。」と聞いたら
「位置情報を消してるからだよ。」
消せるのか!?ああ、やられた。私は簡単に騙されるちょろい親だったのだ。
ある日の夜遅く、犬の散歩をしていた夫が娘の友達のタラちゃんとロッタちゃんに遭遇した。娘はタラちゃんのお母さんの家に泊まることになっていた。
娘はなぜいっしょにいないのか?道沿いには森がある。もしや?と思った夫は飼い犬くんに 娘を探せ。と命じた。犬君は一直線に森の中に向かって走り出し、森に潜んでいた娘を発見した。
犬君を連れたお父さんが遠目に見えたんだね、でも娘よ、犬君は賢いのだぞ。
でも悪かったのはその後だ。その時外にいた言い訳は、スーパーにお菓子を買いに行って後でみんなで映画を見る。ということだった。実はその後バスに乗って全く違う場所に言っていたそうだ。
位置情報を消されて現在地がわからなくなっていたのだ。結果的にはバレたのだが。
これらの出来事が発覚した時、私はいつかはやるだろうなと思っていたため、冷静に受け止めたのだが、夫の激しい動揺と相当な撃沈ぶりが私を驚かせたのであった。幼い頃は自分を慕い、皆にパパっ子だねと言われ、娘はパパが大好きなのだ!そうだ、ママよりもパパの方が好きなのだ!!と自負していたのであろう、そんな愛娘に堂々と嘘をつかれたことが相当な衝撃だったそうだ。娘に対して非常に厳しい処置をとろうとしたが、私はその方法は逆効果で、娘との関係が悪化するのではないかと心配したため、夫を諌めて6ヶ月の夜外出禁止をなんとか1ヶ月に短縮させ、娘は反省し、今後は気をつけることを約束した。
これらのことが発覚した後、娘と何日にも渡って話をした。絶対にやってはいけない事、気をつけなければいけない事、人に迷惑をかけてはいけない事、宗教について知っておくべき事、実際に起きた犯罪など。また、夜中に一人になってしまった時や助けが必要な時は絶対に電話をかけてくるように、そうすれば迎えにいくから、など。
これらの出来事が話し合うきっかけになり、反抗的だった態度が比較にならないほど和らいできた。また色々なことを話してくれるようにもなった。今後もコミュニケーションを大切に、思っていることを正直に話し合える関係でいたい。ただ夫は娘とまだ向かい合うことができていないが。
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