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【光る君へ】ドラマレビュー第35回・36回公開されています

クロワッサンオンライン 連載中、大河ドラマ「光る君へ」ドラマレビュー第35回・36回公開されています!こちらからお読みいただけます↓

クロワッサンオンライン光る君へドラマレビュー35回

クロワッサンオンライン光る君へドラマレビュー36回

35話では、中宮・彰子(見上愛)の「お慕いしております!」というストレートさが告白が功を奏して、ついに一条帝(塩野瑛久)と結ばれました。
よかった、本当によかった……何度も録画を見返して祝福しているのですが、同時に第2話で円融帝(坂東巳之助)に思いを伝えて「汚らわしい」と冷たくあしらわれた詮子(吉田羊)を思い出してしまってツライ。
一条帝は両親とは違い、亡き定子(高畑充希)と彰子、ともに愛を育める配偶者でよかったね……。

そして36話。本文レビューでも書いたように、彰子の出産記録としての『紫式部日記』で記された場面が映像化されて、大喜びしております。
ドラマで詳細に描かれなかった『紫式部日記』で大好きな箇所は、皇子誕生を知った直後の女房たちの様子で

(小中将の君は)化粧などのたゆみなくなまめかしき人にて、暁に顔づくりしたりけるを、泣きはれ、涙にところどころ濡れ損なはれて、あさましうその人となん見えざりし。
宰相の君の顔変えはり給へる様などこそ、いと珍らかに侍りしか。……
(女房の一人・小中将の君は、普段は隙のない化粧をする上品な人で、この日も早朝からガッツリ顔を作っていたのに、泣き腫れて涙で化粧はところどころ流れてしまって、驚いたことに小中将の君さんだとわからなかった。
宰相の君の顔が変わってしまう様子も、めったにないことだ……)

今回映像化されたように凄まじい祈祷の中で中宮の安産を祈る緊張感、そこから解き放たれた女房達の様子。紫式部は同僚のメイク崩れで語りました。
いつもきちんとしている小中将の君、宰相の君でさえこうなのだから「ましていかなりけむ(私なんて、どれほど凄い顔になってしまっていただろう)」そしてそれを「後にぞ人々言ひ出でて笑ふ(後で皆で語りあって笑った)」。
中宮様のご無事とご安産を祈り続けた女房たちの安心した姿と、後になって笑いあえる職場の雰囲気は、公の記録ではけっして残されない。その場にいた女性ならではのものです。

ここでメイク崩れ女房の一人として書かれた宰相の君は、この出産場面の前に日記で登場しています。局で昼寝している彼女を紫式部は見かけて、その姿を書きました。

萩・紫苑、いろいろの衣に、濃きが打ち目心異なるを上に着て、顔はひき入れて、硯の箱に枕して臥し給へる額つき、いとらうたげになまめかし。絵に描きたるものの姫君の心地すれば……
(秋らしい組み合わせの色とりどりの衣、それで顔を覆って硯箱を枕にして眠っている。衣から覗いているおでこが、とても可愛らしくて若々しい。絵に描いた姫君のようで……)

同僚の可憐な寝姿に、紫式部は彼女の顔を覆っている衣をそっと押しのけて
「物語に出てくる女君のようですよ」と声をかけます。顔を上げた宰相の君は、顔がほんのり赤く染まっていて素敵だったと──残念ながらドラマでは描かれませんでしたが、宰相の君(瀬戸さおり)が画面に出てくるたびに思い出しています。

紫式部が書き残した、女房たちの素顔。ドラマで演じてくれる女優さんたちのおかげで、これからは更に想像が膨らみます。

(つづく)





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ぬえ
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