【光る君へ】ドラマレビュー第29回公開されました
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サブタイトル『母として』。まひろ、詮子(吉田羊)、倫子(黒木華)、明子(瀧内公美)……様々な女性たちの「母として」の思いが描かれた回でした。敦康親王の養母となった、彰子(見上愛)のこれからも気になります。この敦康親王(高橋誠)が彰子のいる藤壺にやってくる場面……ここで印象に残ったのが、彼を抱く乳母。そう、この時代のもうひとつの「母」の存在。
親王を抱いているので、中宮・彰子よりも、左大臣・道長(柄本佑)よりも上座に座ります。勿論その後、親王が膝から降りたらサッと脇へ移るのですが。
『枕草子』の「うらやましげなるもの」で、清少納言はうらやましく思えるもののひとつに、帝と東宮の乳母を挙げています。後宮の誰に対してもお目通りが許され、どこでも顔パスで参上できると。それを思い出すシーンでした。
帝と東宮の乳母といえば、一条帝(塩野瑛久)の乳母も実はドラマに出てきています。14話で道兼(玉置玲央)に離縁を申し入れて出て行った嫡妻・繁子(山田キヌヲ)、彼女がそう。2話で詮子が懐仁(やすひと/のちの一条帝)と遊ぶ場面で、隣にニコニコとほほ笑む乳母・繁子も映っています。
藤原繁子は道兼の父・兼家(段田安則)の妹で、道兼とは叔母と甥の結婚でした。円融帝(坂東巳之助)の女御だった詮子に女房として使え、懐仁親王が生まれると乳母に任じられました。道兼との間に生まれた娘・尊子は一条帝の女御として入内していますし、帝の乳母、女院・詮子と左大臣・道長の叔母でもあるため大切にされたようです。宮中の女房たちから見れば、まさに「うらやましげなるもの」のトップオブトップ……でしょうか。
ドラマではよちよち歩きの賢子も、いずれ帝の乳母となります。
でも母親のまひろも紫式部となっていないので、それはずっとずっと先のお話。
そろそろ、紫式部誕生かな?
30話が楽しみですね。
(つづく)