【光る君へ】ドラマレビュー第21回公開されました
クロワッサンオンライン 連載中、大河ドラマ「光る君へ」ドラマレビュー第21回公開されました!こちらからお読みいただけます↓
日本が世界に誇る名随筆『枕草子』が誕生しました。ドラマのナレーションで「たったひとりの悲しき中宮のために、枕草子は書き始められた」
放送時、ここまで観ていた家族から「……ん?だとすると、枕草子を世の中に紹介したのは誰なんだ?」と訊ねられました。
これについては、レビュー内でも触れた跋文(ばつぶん/あとがき)にあります。
左中将・源経房(みなもとのつねふさ)が清少納言の実家を訪ねてきた際、彼の座る場所を作ろうと部屋の隅にあった畳を差し出したところ、枕草子もポロッと経房の前に出てしまった。清少納言は慌てて取り返そうとしたが、経房がそのまま持ち帰り、かなり時間が経ってから返却した。それから、枕草子は一人歩きを始めてしまった……。
とのこと。ちなみにこの源経房は、道長の妻・源明子(『光る君へ』では瀧内公美)の弟です。経房はちらりと目を通して、その面白さにじっくり読みたくなり「ちょっと借りるね!」となったのでしょうか。そして、他の人にも薦めた。草子は回し読みされたり書き写す人も出たり、都の貴族の間にどんどん広まっていった……今風に言えば、拡散されていったのでしょうね。
それが1000年のちも、私たちが手に取れる書物としてある。
この作品を素晴らしいと思い、他の人に薦めたいと、皆に読んでもらいたいと願った先人たちを動かした。そんな力が『枕草子』にあるのだと思います。
大河ドラマ『光る君へ』は、そろそろ折り返し地点。まひろの新たな出発、越前編が始まります。第22話が楽しみです。
(つづく)
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