「ちいき新聞」埼玉エリア休刊にあたって
お久しぶりです。2021年9月から地域新聞社公式noteが始まり、個人としての更新はすっかり滞っておりました。
この度、2023年5月26日号をもちまして、埼玉県内の「ちいき新聞」は休刊することとなりました。
元々千葉県内でのみ発行していたちいき新聞を埼玉県で創刊して16年、支えていただいた読者の皆さま、お客さま、地域ライターの皆さまには感謝してもしきれません。
16年の歴史は、私自身の社会人人生、地域新聞社人生とイコールでもあります。営業として入社し、越谷支社の前身である「草加支社準備室」に配属され、初めて担当したエリアは三郷版でした。埼玉で生まれ育ったので、自分の実家や同級生宅にもちいき新聞が届くようになったことがうれしかったのを覚えています。そういった経緯もあって、埼玉エリアには個人的にも特別な思いがあり、とても寂しい気持ちというのが正直なところです。
コロナ禍で飲食店の閉店が相次いだ時、それを惜しみ、「なくなってからでは遅い」という声をよく聞きました。そんな中でも常連さんに愛され、今も地域に根差して営業を続けるお店はたくさんあります。有難いことに、休刊をお知らせしてから「残念です」といったお便りやお電話などをたくさんいただき、それは心からうれしく思いました。けれど本来は、なくなる前に「なくなられては困る」と思っていただける存在でなければいけないと思います。
今や紙媒体に代わる情報収集手段は数あれど、やはり地域社会に紙媒体は必要だと考えています。
できるだけ情報格差をなくし、見たいものだけを見るのではなく、新たな出会いや発見も楽しんでいただく。それが自分が暮らす土地を愛することや「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」ことにつながると思うからです。
ただ、フリーペーパーは広告媒体ですから、お客様あってのものです。
まだ「ちいき新聞」を知らない人の方が多かった埼玉で営業をして私が学んだことは、お客様に広告の反響をお返しすることの難しさ。「広告効果を生むためには読者に愛される媒体づくりが必要だ」と痛感し、後に編集の道に進ませていただくきっかけとなりました。埼玉での経験は原点であり、この思いは今でも常に心にあります。
これからは千葉県を中心に発行を続けますが、地域の皆さまの役に立ち、必要とされる媒体であるために、既存のフリーペーパーの在り方に囚われることなく、あらゆる方法を模索しながら新しい挑戦をしていきたいと思います。来月以降は、より読者の声を取り入れるべく、読者モニターさんとの連携も始まります。紙面で募集したところ、予想をはるかに上回る407件ものご応募をいただきました。「ちいき新聞」へのご期待ととらえ、しっかり生かしてきますので、webサイト「チイコミ!」やYouTubeチャンネル「ちいき新聞TV」なども含めて今後ともお力添えの程よろしくお願いいたします。
最後に、最終号となる5月26日号は担当編集の信楽と越谷支社の営業メンバー、ライターさんをはじめ、これまで関わってきた全スタッフの感謝が詰まった特別号となっております。埼玉にお住いの方は、ぜひ見届けていただければ幸いです。
16年間、本当にありがとうございました。
▼これまで紙面に掲載した埼玉エリアの記事の一部は「チイコミ!」でご覧いただけます。
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