
兵庫・竹野の海辺でゲストハウスのヘルパーをした、無職の夏休み。
そもそも無職であること自体が人生の夏休みみたいなもんだけど、夏休み以上に夏休みでYEAHめっちゃホリデ~↑↑(平成)って感じのワンダフルサマーを過ごしてしまい、終了したいま喪失感がハンパじゃない。
そんな2020年夏の1ヵ月についてです。
「本と寝床 ひととまる」という、この世の休憩所みたいなゲストハウスで1ヵ月間ヘルパーをさせてもらった。
わたしの人間性を知る友人たちが勧める「真崎に向いてそうな職業」で、毎度トップ2を争っているのが「スナックのママ」と「ゲストハウスの接客」である。
さすがフレンズ、確かにどっちもやってみたい。そう思って昨年スナックで働いたので、今年はゲストハウスのターンにした。
(ONE PIECEや鋼の錬金術師などが並んだマンガ棚、お子まっしぐら)
ひととまるでの仕事は、宿泊客のチェックインと客室案内、朝食・夕飯の準備、バーでの接客、チェックアウトとお見送り、客室掃除とセッティングが主となる。(※ひととまるでは、18~22時でバー営業をしている)
結果から言えば、ゲストハウスのお手伝い、めちゃくちゃ楽しかった。
やったよフレンズ、みんなの言う通りだったよ。
ひととまるオーナーのまるさん♂が「ありがたいことに、ひととまるに来てくれるお客さんは皆マジでいい人」と言うように、日々訪れるお客さんは皆マジでいい人たちだった。
具体的には、ゲストハウスの特性からなのか「大らかでフレンドリーな人」がとても多かったように思う。
こちらの説明をニコニコと聞いてくれ、些細なことでも感動してくれ、その都度「すごくいいですね!」と伝えてくれ、私の不備(多発)も笑って許してくれ、帰る際には「いいお部屋でした」「ごはんが美味しかったです」「また来ます!」などとわざわざ嬉しい感想を残してくれる。
お客さまは神様でした。みんな前世はマイナスイオン。
旅館やホテルではなくゲストハウスを選ぶ人はおそらく「旅や移動が好き・人との交流が好き」である確率が多く(当社比)、同じくソレなわたしにとっては皆さんもれなく話もノリも合い、トークが大変楽しい。
タイパンツを履いた女の子に「もしかしてタイ好きですか?」と話しかけると、タイのるるぶを持ち出して「もう!本当に!!タイが好きすぎて!!!」と言うので、タイについて互いに鼻血を出しながら語り合った。
城崎に住む女の子には、宿泊の翌日に名所・城崎温泉を案内してもらい、温泉に入り、酒を飲み、夜はその子の家に泊まって夢中で『アラサーちゃん 無修正』を読んだ。
年の近いカップルさんは「コロナがなければ、本当は今年春から新婚旅行で世界一周するつもりだったんです~!」とのことで、そのために二人とも仕事を辞めていたらしく、3人で無職に乾杯した。
同時期に同じような理由で失恋をしたらしいボーイ2人には、それ以上なにも聞けなかった。
ゲストハウスは人との交流が起きやすい宿泊施設で、さらにバーもあるひととまるでは、お酒を介していろんな人と長くじっくりお話ができた気がする。
さらに地元の人たちも普通に飲みに来るため、宿泊客×地元民の交流もちょくちょく起こる。
「地元民と外から来る人が交流できる場をつくりたい」
そんな想いを持って場づくりをする人たちに各地で出会ってきたけど、ひととまるはまさにそんな場所だったと思う。
※上記は特にひととまるのコンセプトではなく、ただの個人的な所感です。
ひととまるの空間は、確固たる芯をもったゆる優男(当社比)たるオーナー・まるさんの人間性がそのまま表れている。
ひととまるは10年ほど空き家だった建物をじぶんたちの手で改装し、できた宿です。
1階は「本のある場所、のほほん」と命名し、地元の人や豊岡に縁のある人が寄贈した本を置いています。
2階のゲストハウスは、とまる人に快適に過ごしてもらえるよう、からだにやさしい自然素材にこだわってつくりました。
ふっと店先に立ち止まる。
のほほんと、とどまる。
ゲストハウスに泊まる。
ようこそ。ひととまるへ。(ひととまるHPより)
お客さんからとにかくよく言われる感想は、「とても居心地がよかった」である。
分かる。マジで、とても居心地がいい。
お客さんに限らず、仕事をするわたしもこの空間で日々のほほんと過ごすことができた。
いろんな本を手にとっては、レトロな革ソファに身体をうずめて、静かに読書を楽しむ。
業務中の話。のほほんとサボってた。
ということで、ゲストハウスでの仕事はとても楽しかった。
が、それだけでは「業務終了日のお別れ時にアホほど号泣」という自分でもビックリした異常事態は起きていない。
明ける明ける詐欺だった梅雨がようやくガチで明けたので、隙を見てはみんなで泳ぎ潜ってる🌊 人生初の日本海はめっちゃキレイです🌊 pic.twitter.com/FpO8EAnmQe
— 真崎 (@masaki_desuyo_) August 1, 2020
竹野での1ヵ月がこれほど充実した日々になったのは、オーナーの石丸ご夫妻・娘の1歳10ヵ月ガール・ヘルパー仲間のひーちゃん、遊びも寝食も共にしたこの5名のおかげでしかない。
本当に、おかげでしかない(強調)
まるさんの計らいで休日&フリー時間をかなり設けてもらえたため、身体が空けばとにかく遊んだ。
何して遊んだかと言えば、まずは1歳10ヵ月ガールとの戯れである。
箱入りガール(鼻血)
以前のnoteにも書いたけど、1歳10ヵ月ガールがかわいすぎて毎日とにかく鼻血だった。
わたしがアホほど絡みに行くうち、ガールもわたしの顔を見ると「むったん あちょぼ あちょぼ」と寄って来てくれるようになった。「あちょぼ」がエンジェルすぎて、言われるたび「え~~~あちょぶぅぅぅ~~~ん」とIKKOさん口調で身体がクネる。
ガールにつられていつの間にか「あちょぶ」「しゅな(砂)」「あちゅい」「しゅっぱい」「おいちい」等とわたしの語彙が退化し、IQは2まで下がった。
ガールが抱きついてきたなら天国、からの「ぐぅぐぅ!」と叫んだなら地獄の始まり。
ぐぅぐぅ=ぐるぐる、つまり「むったんに抱っこされたままぐるぐる回してもらう遊び」を要求されているのである。ある日なんとなくやってあげたらガールがドハマりしてしまい、以来1日何度も「ぐぅぐぅ!」がくる。
楽しそうなガールと反比例して、「ぐぅぐぅ」はわたしの三半規管をなぶり殺してくるのでつらい。なんせ大変目が回るため、1度目で足元がフラつき、2度目で視界が揺れ、3度目にしていったん他界する。
抜けかけた魂を呼び戻すのは、それでもなお抱きついてくるガールの「もっかい もっかい」コール。かわいすぎる地獄の使者である。
遊びと言えば、ヘルパー仲間のひーちゃんともめっちゃ遊んだ。
ひーちゃんは、体積がわたしの半分ほどしかない、細く、白く、かわいらしく、無印良品のワンピースがよく似合う、どこか儚げな雰囲気をまとった女の子。
見た目もしゃべり方もかわいらしい上に、他人とのゼロ距離コミュニケーションを得意とする彼女。マンガ『斉木楠男のψ難』で、みんなのマドンナ照橋さんを前にしたボーイズたちの「おっふ…」状態に幾度となく陥った。
昨日から新しく入ったヘルパーさん(年下美女)とひとつ屋根の下で暮らすのだけど、「今晩しごと終わったらちょっと飲もうよ💓」「おふろ一緒に入ろっか💓」などとめっちゃかわいく誘ってくれるあたり完全に少年ジャンプのラブコメ展開だし、ワイは思春期チェリーな高校男児ポジ。
— 真崎 (@masaki_desuyo_) July 13, 2020
そんな見た目の儚さとは裏腹に、ひーちゃんはわたしの5000倍アクティブで逞しい。
お客さんを巻き込んでの城崎旅行、鳥取へのドライブ旅行など、いつだって外へ遊びに連れ出してくれるのは彼女である。ひーちゃんがいなかったら、わたしはたぶん毎日部屋にこもって『君に届け』を読んでいた。(部屋に全巻あった)
さらに彼女は、サバイバル能力が高くて肝がすわっている。
釣りに詳しくていろんな釣り方をレクチャーしてくれ、フナムシだらけの岩場を颯爽と歩き、毛虫みたいな生餌を素手で掴んでは身体をぶった切って釣り針につける。
わたしがうっかりサメを釣り上げて半泣きになった際には「大丈夫、サメって意外と怖くないんだよ」と言いながら、サメの口に指をつっこみながら針を抜いてくれた。
カサゴ釣りに行ったらサメ釣れた pic.twitter.com/Ka9QLCTMl9
— 真崎 (@masaki_desuyo_) July 29, 2020
ひーちゃんがいなかったら、アクティブ引きこもり(遠出は好きだが現地では部屋にこもる)なわたしのことだ、竹野でできた思い出はオートで半減したと思う。めっちゃ感謝している。
これまでいろんな地域に1~3ヵ月くらいステイする経験を重ねたことから、その場に「同じ立場で話せる友人」がいるかいないかで、わたしの場合は楽しさや満足度が大きく変わることを知った。
その点、ひーちゃんといっしょに竹野で過ごせたのはとてもラッキーだった。ただ、何度か誘われたけど「いっしょにお風呂♡」は永遠に拒否している。
「とと かか ひーちゃん むったん みんなみんな」
最近になってガールがよく口にするようになった言葉で、聞くたび鼻がツンとした。とと(父)、かか(母)といっしょに、家族と思ってもらえているような、何とも言えない嬉しさと愛しさがこみあげる。
のんさん(まるさんの妻)の美味しい&美味しい手料理を毎日みんなで食べて、みんなで買い物に行ったり、花火をしたり、海水浴をしたり、しょーもない雑談をしてケラケラ笑ったりした。
「アットホームな環境です☆」
「仲間はみんな家族です☆」
よく求人情報で見かけるようなこれらの文言には薄ら寒さしか感じない30歳無職(転職回数n回)だけど、この1ヵ月わたしが過ごした環境は、紛れもなくそんな場所だったと思う。
だから、別れの瞬間さみしすぎてバチ泣きした。
同じような状況でも基本的にはヘラヘラ笑ってバイバイする性分なので、今回もヘラヘラしながら家を出ようとしたら、なんとびっくり勝手にボロボロ涙が出てきたのである。
衝撃。こんなどピュアな涙いつぶりだよ。
そんな、引くほど幸福すぎた無職の夏休みでした。
石丸家のみなさん、ひーちゃん、本当にどうもありがとう。
翌日、のんさんから「むっちゃん、傘忘れてた」と連絡がきたのでまた取りに行きます☺
皆さんもぜひ遊びに行ってみてね。
わたしは仕事を探すね。
ひととまるHP
まるさんが書いてくれた卒業日記
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