【留学日記】試験後に飲む野外クラフトビールのうまさったら
2月2日(金)
6時50分起床。チェンマイにきて初めてオニカッコウの鳴き声じゃなくアラームで目覚める。LINEマンガから『逃げ上手の若君』『この音とまれ!』新刊発売の通知がきて、即刻購入して読みたかったけど唇噛みしめてガマン。今日はこのあと、タイ古式マッサージLevel1の試験がある。
いつもより早めに学校に向かい、9時までテキストとにらめっこ。「ここ絶対忘れるだろうな」というポイントを赤☆印でデカデカとメモするが、そんなメモで溢れかえったわたしのテキスト、蛍光マーカーを引きすぎて重要なポイントが分からなくなった中学の社会の教科書みたいになってる。
試験日の朝は、いつもよりちょっと特別なフルーツセレモニーが行われる。先輩方に「金曜の朝はすごいよ~!」と聞かされていたので、ずっとワクワク楽しみにしていた。
中庭に向かうと、想像の10倍豪華なフルーツビュッフェが出現。
パインやグレープフルーツ、マンゴーの横にはもち米とココナッツミルクがあって「カオニャオ・マムアン」が作れる。昨日食べたいと思った矢先に最高じゃん。あまりに美味くておかわり、試験前に腹をフルにしてしまった。お腹マッサージが不安だ。
その後、各レベルごとの教室にイン。Level1の生徒は、日本人がわたしともう1人、ずっと授業を共にしていたナオコさん。日本人以外の生徒は6名で、計8名。てっきりナオコさんと組むのかと思っていたら、ペア決めは8名全員でのくじ引きだった。
わたしは3番で、ペアの相手は8名の中で圧倒的に背が高く(推定190cm)ガタイのいい男性に決定。
「ストリートファイターのザンギエフかな~」と白目を剥いたが、後で調べたらさすがにザンギエフよりはだいぶ細身だった。とはいえ、これまで体型の似通った日本人同士でしか練習してこなかったのに、試験本番でいきなり難易度SSSの試練。心の冷や汗が止まらない。
そして、ネイティブの英語が悲しいほどに聞き取れない。かろうじて分かった「you」「first」をもとに「No,No,No,No,No」とブンブン首を振ったら彼が先攻になってくれた。ジェントルマンな細ザンギエフ。
所要時間は90分~120分。まずは彼のマッサージからスタート。ザンギエフのマッサージは気持ちよかった。本気を出せばわたしなどプチンと潰せそうな力強い見た目、からの繊細なタッチにギャップ萌えである。ところどころ順序ややり方を間違えて指導が入ったものの、彼は無事に合格した。
終わったあとに少し英語でおしゃべり。身長差がありすぎて不安な旨を伝えると、彼は元バスケマンで「両親は小さいのになぜか生まれたのがコレさ!」と茶目っ気まじりに教えてくれた。解決にはなってないけど楽しい人でよかった。
前半戦が終わってナオコさんとランチに行き、戻っていよいよわたしのターン。
ザンギエフ、大きいだけじゃなく体の柔軟性もすごかった。各種ストレッチ技で「常人ならここが限界だろう」という可動域をやすやす突き破ってくるので、こちらは「こんな体勢になったことナイでやんす~!」と都度ピヨピヨしながら必死に対応した。大柄な人向けの小道具(初見)まで登場し、もはや試験というより授業である。
なんとか無事に終了し、そのあとザンギエフが気付いたポイントを丁寧に教えてくれた。マッサージは大変だったけど彼とペアで良かったと思う。先生からもいくつかミスの指摘・指導を受けたものの、100点満点の95点で無事合格できた。やったー!
今日で卒業する生徒の修了式や集合写真撮影をして解散。1週間ともに学び食って笑ったナオコさんは今日で終わりなのでとても寂しくなる。
今日はひとりで合格の祝杯だ~🍻と思っていたら、日本人クラスの先生から飲み会のお誘いをいただいた。やったー!
飲み会会場に向かう途中で見つけたカフェにふらっと立ち寄り、タイティー(タイの紅茶)でひとりお疲れ会。
飲み会会場は、カードマニーというビッグな夜市。
広々とした空間に屋台やバルがずらりと並び、真ん中には大きな湖と噴水、さらに遊具も完備されていて子連れでも楽しめる。(スクールには子連れの生徒さんもいる)
先生と生徒、生徒のパートナーや家族、そしてタイ古式マッサージのすごい人など、半数が初めましてのフリーダムな飲み会になった。
タイのクラフトビールブーム先駆けとなったらしい「SNOWY」が美味しすぎて、ノーマル・ゆず・ローズ、全3種のフレーバーを制覇。久しぶりに1.5リットルもビールを入れたので二日酔い必須である。
年の近い女子と、結婚・出産などを含めた女の人生について語り合う。「チェンマイにマッサージを習いにくるようなタイプは、自分のやりたいことに実直で我が強い。パートナーとの結婚、そして子を持つかどうか、その選択の壁に多くの先輩方もぶつかってきた」という話を聞いた。
最近読んだマンガ『モブ子の恋』のなかにあった話を思い出す。遠距離恋愛カップルの彼氏が、彼女の地元である遥か愛媛で就職先を探すと言いだし、その申し訳なさにモヤモヤしている彼女に出会いがしらのおじさんが言った言葉だ。
我々の話に置きかえると、この「人」に結婚・出産・子育てが関わってくる。すべてが望む通りにいけば幸いだが、仮にここで「人」か「仕事」を選ばなくてはいけない場面になった時、自分は果たして……というガチめな相談を酔いに任せて年近女子にしてしまった。
彼女の隣にいたパートナーは清々しいほどの彼女ファースト。あらゆる選択において彼女を最優先にするであろう確信にみなぎっていて、尊さに手を合わせた。
最後はマッサージ講習会と化した席で22時くらいまで飲み、バイクで家の近くまで送ってもらい、ちゃんとシャワーと歯みがきを済ませたところで頭のブレーカーが落ちた。
マッサージスクールの1週目が無事に終了。おつかれさまでした。