くくって、しぼって
このよくみる模様。
調べると「鹿の子絞り」とわかった。
鹿の子ってこれのことなんだ。
そして京鹿の子絞は京都の伝統工芸品でもあるそう。
くくり模様が子鹿の斑点に似ていることからだそう。
「絞り」もいとへん「糹」。
”搾る”もあるけれど、
織物をしぼるから「糹」なのか。
京鹿の子絞りは「絹織物」、そして絞る糸も「絹糸」や「綿糸」「麻糸」と
されている。
絞りを入れることでくくられた部分は染色されず白いまま。
それが立体的にできあがる。
なんと50種類以上の技法。
そしてそれぞれに職人がいる。
すべての絞りには1年半以上もかかるそう。
これが伝統工芸か。
独特の色合い、にじみ、柔らかさと華やかさを出すためにこだわり抜く。
織られた絹織物、そして染色、
さらに絞り。
糸が織られ、布になる。
絹織物は「帛」とされるそう。
布(帛)になっても色を出すために工夫がなされ
絞りという技法でより立体的な美しさを生み出してゆく。
人の生き方もまさに絞りからも学べる。
ともに織りなし、布をつくるように、
経糸、緯糸を織り上げる。
そして平面な布、白い布=帛
をさらに、ともに色を染めてゆく。
絞りを入れれば、色の差を生み出し、
立体的な美しさを表してゆく。
「精緻なくくり」と
「絞り染め」。
自分自身の中をとても細かくまとめてゆく(くくる)。
くくるは沖縄では心でもある。
ちむぐくるの「くくる」。
こころをくくり、
色を出すところ、もとの生地を残すところ、
ときに絞り出す。(広がったものを小さくする。)
自分の人生の独特の色合いを出し、
にじみ出すように、
柔らかさと華やかさを生み出してゆこう
と思った。
そんな話。
鹿の子絞りから広がるそんな話。
やっぱり「糸」の世界を広げるとおもしろい。