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"ドール撮影"の魅力について語ってみる
※ドール界隈の方へ→かなり"ドライ"寄りの内容になりますので、苦手な方はご注意を。
ドール撮影、という言葉をご存じだろうか。
筆者もドハマりしていたことがあり、一時期は本当に湯水のごとく金銭を注ぎ、とにかく"溺愛している"と言われるほどドールにのめり込んでいたことがあった。今は生活環境が変わり、趣味趣向も変わったため、ドール撮影は行っていない。
よく撮影したドールは、今でもパソコンデスクの横のスペースで鎮座して筆者の様子を高いところから見守ってくれている。懐かしい思い出だ。
なかなか魅力的な趣味であったと思うので、ドール撮影の面白さをできるかぎり伝えたい。ついでに過去に撮った写真を振り返り、記録しておこうという趣旨になる。
稚拙な文章になるが、気になる方はお付き合い願いたい。
"ドール"の基礎情報
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かなり狭い界隈の話になるが、ここでは「球体関節人形の写真を撮る」という括りで進ませてもらう。
球体関節人形には、メーカー、性別、種族、国、デフォルメ、リアルなど、調べてみれば多種多様なドールたちが世界に存在することがわかる。
代表的なものでいえば、ボークスが出しているDollfie DreamやSuper Dollfie、アゾンが出しているえっくす☆きゅーと、Smartdollのスマートドールなど、各社個性的(?)なドールたちが販売されている。価格はピンキリだが、1人あたり10万円前後が相場だろうか。高価なものはもっと価格が跳ね上がる。まぁ、高価なアンティーク用品のようなものと思っていただきたい。
また、所有者のドールに対する接し方の分類で、”ドライ”と”ウェット”という言葉遣いも存在する。用語のようなものでハッキリとした意味は把握していないが、ドライな人とは「人形を人形として扱う人」であり、ウェットは人は「人形が生きているものとして扱う人のこと」を指すと記憶している。
ドライとウェットについて簡単に言ってしまえば、おもちゃとして遊んでいる人か、新しい家族が増えているか、といったところだろうか。
ちなみに、筆者はドールのことは「生きた被写体」として見ていた。なのでウェット寄りの思想ではあるのだが、あくまで人形は人形であると割り切っていたので、扱いは正直雑だった。すまねぇ(TωT)
もっともっっっっっっっと語るべきことはあるが、長くなりそうなのでここまでとする。
本題に移る。
"ドール撮影"の面白さ
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一言で言い表すとすれば「写真の異質さ」にあると思う。
通常の撮影で対象となるのは風景、人工物、動物、人間といった内容だが、ドールは物でありながら人間のような立ち振る舞いをする。写真という媒体を介することで、まるで生きているかのような錯覚を起こす。この錯覚を異質さと表現する。
写真というものは、時間軸を止めることで一瞬を切り取り、被写体の動きを止めることができる。ドールを写真に収めると逆になる。写真は止まっているが、まるでそれまで動いていたかのような、そこで動き回っていたかのような存在にすることができる。
生きていないものを、写真という表現を介して生命を与えてる活動をしていた。
「いかに生きているように見せるか」がとても面白かった。
とりわけ、人間界に溶け込んで、共同生活を送っているような表現は好んで撮ろうとしていた。家の中で机の上にいるドールや、バイクツーリングに連れて行って愛車と一緒に撮影したり(ドールとツーリングでドルツーなんて呼んでいた)、ドール仲間たちと合わせで撮影をし、「よその子かわいい」と皆で愛娘たちを交流させて愛でていた。
出会ったオーナーたちの"相棒(パートナー)"は、自分の知る限り皆、確かに生きているように見えていた。
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今見返すと、ちょっと恥ずかしい。いや、だいぶ恥ずかしい。
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ドールならではの写真表現と撮影スタイル
ドール撮影では簡単にできるのに、人間(生き物)を撮影するときに絶対にできないことがある。それは「動かない」ということだ。
ドールは「動かない」をいとも簡単にこなしてくれる。なんなら、1時間だろうが2時間だろうが、何も文句を言わず、飲まず食わずのままピクリともしない状態で待っていてくれる。
こちらがモタモタ撮影に手間取っていたとしても、本当に一言も発せずに待ち続けて、持ち主の気がするまで黙っていてくれる。
吹雪く山のなかで、なかなか思い通りの写真が撮れずにいても、顔や体に雪が積もろうとも、待ち続けてくれることに何度助けられたことだろうか。
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自由度の高いカスタマイズ性
髪(ウィッグ)、顔の形、身長、胸のサイズ、足の太さ、服装、下着、目の色まで好きなようにカスタマイズができる。
例えば、撮りたいと思った人間のモデルさんに撮影依頼をしようと思っても、コミュ障オタクとして話しかけるだけでチョモランマばりの高いハードルとなること間違いなし。が、ドールは金さえ積めば好きなようにできるのだ。黙って相手してくれる。(涙)
筆者は東方Projectの霧雨魔理沙が好きだったので、服装、髪、目の色はそのキャラクターをイメージして使用してきた。
たまには全く趣旨の違うオリキャラ的な服装をさせてみたり、人間様にはお願いできないようなきわどいショットも試させてもらったりした。
オーナーの思うがままに被写体を作り上げることができる、それがドール撮影の魅力だ。
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マイペースで撮影を楽しめる
前途のとおり、ドールは何も話さないし動かない。だから時間の許す限り、マイペースに撮影が行える。
ドール初心者のころはカメラを使いこなせないまま、人生初の一眼レフカメラを手に、とりあえずシャッターを切るところから始まった。F値がどうとか、シャッタースピードがどうとか、露出がどうとか、まじでさっぱり何もわからなかったが、ドールと向き合いことで「もっと綺麗に撮る方法」を考えてはじめた。次第に写真について情報を仕入れることが当たり前となった。
ドールという被写体を手に入れてから、初めて「たんしょうてんレンズ」の存在を知ることになった。これがのちにSIGMAはいいぞーおじさんになるキッカケとなったSIGMA 50mm F1.4 EX DG HSMを購入したのだった。
神レンズだった。
写真は自由に撮っていいのだ。どんなに雑な撮り方だって、よくわからん機材を使ったって、結果として自分が求めるものにたどり着ければ、写真はいくらだって試して撮ればいい。
ドール撮影を通じて、撮影の基礎的な部分と写真趣味としての楽しさを知ることができた。
今はドールを撮ることはないが、自由に写真を楽しんでいる。自分が好きなことを好きなように撮る。これは変わらない。
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この時あたりから、ドールは"趣味を楽しむ相棒"のような存在に。
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SIGMA fp Lで撮影した。
ハイレベルなドールの撮影者たち、そして無限の表現へ
度々カメラ系雑誌のフォトコンなどでドール写真が受賞されているのを見かける。有名な写真系サイトでも、海外のドール勢がピックアップされていたりと、ただのお人形撮影という枠から飛び出しているドールオーナーも存在する。かなりハイレベルであり、筆者ごときが語るのは烏滸がましいが、わかりやすいので勝手ながら取り上げさせてもらう。
気になる方はX(Twitter)などで探してみるとよいだろう。
めちゃくちゃ綺麗な屋外撮影写真や、屋内でも撮影ブースを組んでゴリゴリにこだわりまくったセット撮影をしていたり、大変エッッッでフェチズム漂う写真を撮っていたり・・・と奥が深い。
第10回写真出版賞に《 サブカル・マニア部門 》と言うものがあるのを知って応募した結果、部門の最優秀賞を頂きました🎊
— のの (@nono_nogisaka) September 6, 2024
コツコツ続けてきた事をこうして評価頂けて嬉しいです!やった~🥳
最近はあまり撮影に出掛けられていないけどやる気はまだまだあるのでマイペースにドール撮影続けて行きますっ📸 https://t.co/cgRCR0vYi8 pic.twitter.com/16cU4Z6UoR
おわりに
ドール撮影、なかなかに奥が深い。
今写真見返しても、もっと上手く撮ってあげられたらなぁとか、設定ガチャガチャすぎるなぁとか・・・。思うところはあるし、撮影レベルなんて素人から抜け出せてもいない。だが、間違いなく写真趣味としては充実している期間だった。
ドール界隈から随分離れてしまっているので、情報としては古い可能性があるが、気になる方はその深淵を覗いてみよう。
また、深淵(ドール)もこちらを覗いているのだ・・・。
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お付き合いいただきありがとうございました。
※内容は筆者の経験則に基づいているため、情報が古かったりバイアスのかかった内容である可能性が高いです。ご了承ください。