ヴァイオレット・エヴァーガーデンの緻密で美しい世界観・徹底解説
多数の方が考察されてますし、テルシス語の解読をされてる方もいます。ですので徹底的にテルシス語の解読をするなど、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品の素晴らしさ、緻密さを細部まで伝えていける場に出来たら、と思います。
1・テルシス語とは
テルシス語とはヴァイオレット・エヴァーガーデンの舞台となるテルシス大陸においての公用語。
テルシス語は慣れてないと象形文字のようですが、基本はアルファベットと同じでタイプライターの画像で大文字はある程度分かります。
基本は我々が使ってる現代のキーボードと同じ配列です。
小文字は作中の手紙を何度も見ている内に分かるようになると思います。
筆記体は書いてる人によって癖付けしてて、かなり判別が難しいです。
というかここまでやるのが京アニクオリティですね。
2・テルシス語は暗号化されている
テルシス語のアルファベットは暗号化されている為、どの文字か分かっただけでは解読することが出来ません。
全ての暗号はここでは伏せますが、後述の説明で使う
「G」と「V」、「O」と「E」、「L」と「Q」はそれぞれ対になっており、
文字が反転します。「N」と「I」の読みはそのままです。
4年近くこの法則でテルシス語の解読をしてきてるので、恐らく間違っていないとは思います。
3・人名や地名は暗号化されていない
例えばヴァイオレットを例に上げます。
もし人名までも暗号化されているなら、ヴァイオレットはヴァイオレットと読めなくなり、「ガイエクー」のような名前になってしまいます。
これはアニメ1話~3話でヴァイオレットが書いた「報告書」において、
「アンシェネ」「アンシェル」、「ライデン」「ライデンシャフトリヒ」
「ティファニー・エヴァーガーデン」、「クラウディア・ホッジンズ」
「カトレア・ボードレール」、「モリー・オーランド」
「スペンサー・モールバラ」「ルクリア・モールバラ」
等の多くのサンプルがあり、BDのパッケージにも舞台となる国名、都市名が表示されているので、人名と地名はアルファベットの変換無しで間違いありません。
その後も、「シャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル」や「オスカー・ウェブスター」、「アイリス・カナリー」や「エリカ・ブラウン」といったCH郵便社の面々。
そして「クラーラ・マグノリア」の名前も読み取れます。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」では
「エイミー・バートレット」、「テイラー・バートレット」の二人の名前がはっきりと読み取れます。
ちなみにここの翻訳は
「親愛なるエイミー・バートレット様
テイラー・バートレットはエイミー・バートレットの妹です
テイラー・バートレットより」
となります。
たったこれだけの短い文章ですが、テイラーの想いが全て詰まってます。
そしてたったこれだけの文章でエイミーがどれだけ救われたことかって考えると感無量です。
地名に関しては地図が出る話が幾つかあるので、テルシス大陸にある都市や国家はキーボードの配列に従えばスペルまでは分かります。
4・文字の暗号化を解いても、翻訳が面倒な言語
まずテルシス語の元になっている言語が近代言語ではないため、翻訳するのがかなり面倒です。
ルーツになる言語が分かればグーグル翻訳で一発なんて甘くはなく、一つの単語に対しての情報量が多すぎてかなり面倒です。
それでも何度も試行錯誤して翻訳しているうちに、何かしらの法則が分かるようになってきました。辞書を買ったりまではしてませんが・・・
例えば名詞の後が「kal」なら複数形とかです。
劇場版のCH博物館の看板は解読済みですが、それが一番分かりやすいです。
「多くの民間郵便会社」と「CH郵便会社」の違いが、この一枚で分かります。
この翻訳も意訳している部分が多く、本当に正解かは分かりませんのであしからず。
再度、暗号化の話に戻りますが、全ての文字の変換表はあえてここでは伏せます。
それとルーツになってる言語も伏せます。
ヒントは「N」と「I」はそのままであるということです。
「N」と「I」は作中の手紙をよく見れば分かるのですが、使われている頻度が高い文字です。
この文字まで他の文字に変換しちゃうと収拾がつかない、という判断だったのかもしれませんが、テルシス語を考案した鈴木貴昭さんが、あえてヒントを残してくれたとも考えられます。
古代言語は「ん」や「ぃ」などから始まる言葉が多くあるので、そこに着目させる意図があったのかもしれません。
5・エマージャンシー・プロビジョン
劇場放送時から気になってた、ユリス君に見せた書類。
ツイートにもあるように、これはホッジンズ社長との契約書ではありませんでした。
では何か?ヴァイオレットは嘘を付くような娘ではありません。
小難しい書類を見せればユリス君が納得するだろう、そんな打算的な娘でもありません。
これは、緊急時に格安で依頼を引き受けた、若しくは無料で引き受けた領収書でした。この事は事前にホッジンズの了承を得ているのでしょう。
これが領収書であることは間違いありません。
一番上が領収書と翻訳出来ますし、用紙右上には修道院の名前が書かれています。代筆の出張で修道院へ行ったけど、規定の金額の支払いが不可能ではあるが、絶対に届けるべき手紙であると判断し、ホッジンズとの取り決め通り代筆業務を受けた、と解釈しました。
内訳は筆記体が難しすぎて解読不可でしたが、2列目は依頼者、3列目は宛名と住所かと思われます。
4列目は文字数や手紙の枚数で、5列目は小計となります。
これを計算すると、154コルスと5ヴェントです。
表の下に書かれている合計金額は、15144と書かれていますが、通貨単位の「VC」やヴェントとコルスの価値が不明。
そもそも出張代と配送代が表内に書かれていない。
考え方が二通りあります。
1・表内はあくまでタイピング代であり、郵送まで含めると15144VCとなるが、無料で配達する。
この場合、15144VCという金額の支払いが不可能な場合で、無償で代筆した事になります。
2・表内のタイプ代がすでに値引きされている金額であり、15144VCという金銭は受け取っている。
15144VCという金額までなら支払いが可能で、この料金を受け取っている。ただし本当はもっと高額になるはずだった。
いずれの場合も、表の一番下にCH郵便社が無料で配送する、と訳せる一文があるため、郵送料金はCH郵便社持ちになると解釈してます。
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