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GDPギャップと潜在成長率

皆さんこんにちは
若者に色々役に立つかもしれない情報をたまに呟いているおじさんです。

よく拝見させていただいている損切丸さんのnoteを見ていて、いつも勉強のネタを貰っている僕は、今回GDPギャップについて調べてみようと思いました。

内閣府のHP

これは、2023年9月1日に内閣府(日本の一番中枢)で発表されたGDPギャップです。ちょっとだけですが、プラ転しています。
では、GDPギャップがプラ転するのはどういう意味なのでしょうか。

国の経済全体の総需要と供給力の乖離(かいり)のこと。「需給ギャップ」ともいいます。総需要は国内総生産(GDP)、供給力は平均的な水準で生産要素を投入した場合の総供給(潜在GDP)を使用します。景気判断の参考指標として用いられると同時に、物価の先行きを予測するための指標としても用いられています。プラスの場合(総供給より総需要が多い場合)は、インフレギャップと呼び、好況や景気が過熱しており、物価が上昇する要因となります。逆にマイナスの場合(総需要より総供給が多い場合)は、デフレギャップと呼び、景気の停滞や不況となっており、物価が下落する要因となります。この指標は、絶対水準ではなく、時系列変化を見ることに意味があるとされています。

https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST2791

つまり、GDPギャップがプラスになるのは、欲しいものに対して供給が追い付いていないため、物の値段が上がっている状況を表しています。
ということは、デフレ(物の価値が安くなる)を脱却して、ついにインフレに日本は動いてきたということかもしれません。

ここで、僕はもう一つ調べてみました。
供給が追い付かずモノの値段が上がるのはある意味良いことだと思うのですが、そこに供給量が追い付かなければ物価がとんでもなく上がってしまうことになります。そこで供給量に関する指標は何かと調べたところ、潜在成長率という指標がそれにあたることが分かりました。
内閣府が発表している潜在成長率の第1四半期第2四半期はそれぞれ0.5%、0.6%でした。

潜在成長率
中長期的に持続可能な経済成長率。生産活動に必要な全要素を使った場合、供給能力をどれだけ増大させられるかを示す指標です。国内総生産(GDP)伸び率が個人消費や企業の設備投資など需要サイドから見た増加率であるのに対し、潜在成長率は設備などの資本、労働力、生産性の供給サイドの3要素から算定されます。GDPと異なり、短期的な景気循環は直接反映されません。

https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST2934/

GDPギャップと併せてみた場合、現状の潜在成長率ではいずれ供給が間に合わなくなり、日本は大きく二極分化していくのではないでしょうか。
つまり、物の値段が極端に高くなっていくインフレの加速と、その流れに追いつけなくなってしまう低所得者。日本の企業が製造する製品やサービスをきちんと値上げし、そこで働く人の給料を増加させる行為を続けられれば、二極分化せずに済むのですが、多くの企業は働く人への報酬をケチり、結果的に優秀な人の流出が止まらなくなって立ち行かなくなる企業が増えてくるでしょう。日本人はただでさえ労働生産性が低いと言われています。

労働生産性
従業員1人当たりがどれだけの価値を生み出したかを指標化したもの。企業が生産によって生み出した付加価値を従業員数で割って求めるもので、労働の効率性を測る尺度になります。

https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST1863/

何も産み出さず、ただ会社に出社して1日にを過ごしているだけで、お給料をもらう。こんな社員を抱えていては、その企業は早晩ダメになってしまうことでしょう。しかし、企業だけに責任があるわけではないと思います。日本は、雇用主側に負担が多い雇用制度があります。北欧の国は、会社から首になってもすぐに失業手当が支払われたり、無償で職業訓練を受けられたりとても手厚いサービスがある反面、使えない人はすぐに解雇されてしまいます。企業はこれによる適度な新陳代謝と、高い労働生産性を維持することができるため、社員に十分な給料を支払うことができます。

日本はこれからGDPギャップが増加していく場合に大きな岐路に立たされると思います。その時、物の値段が上がっても追いかけていけるように、お給料もですが、しっかり投資をして備えたいですね。

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